昨年10月、eConsultancyが「Ten horrifying display ad placements」という記事をアップしていた。
例えば、
1. Want to grill like an expert?
死んだ幼児をバーベキューグリルで焼こうとしたカップルが逮捕されたという記事に配信されたKingsfordの練炭およびバーベキューテクニックの広告。
2. Hooray for beer!
飲酒運転の11歳の少女が警官の制止を振り切り時速160㌔を越えて逃走後、逮捕されたという記事に配信されたビールの広告。
3. Free Dinner for Two
オリーブ園で250人の食中毒を伝える記事に配信されたオリーブガーデンというレストランの広告。
Source:eConsultancy / Ten Horrifying Display ad Placements
まだまだいろいろとある。
とに角、アドネットワークへ配信したディスプレイ広告がどんな記事コンテンツに表示されるかが分からないため、時にブランドやサービスに対して悪影響を与えかねない結果が待っている。
日本企業も露出、認知、CTRなどを最大化するため様々な指定Webサイトやアドネットワークを活用したキャンペーンを行っている。しかし、下にあるようにAOL.comのトップページに掲載されている「FX徹底ガイド」「アメリカンホームダイレクトの保険」「エーザイの通販」などは意図が見えない。
とに角、露出することだけしか考えていないようで、代理店が後付けで説明するデモグラフィックスとの関連性などで納得しているのだろうか? それともそんなことは全く考えておらず、担当者にとって今までのマインドセットが指し示す通り、一方通行の広告としての予算を消化することだけしか頭にないのだろうか?
「FXをやろうとするぐらいのユーザは英語サイトへアクセスしますので、AOLのトップページは抜群の露出とCTRをもたらします」とでも言われたのだろうか?
「AOLのトップページはYahooにも劣らないインパクトを与えます」とでも言われたのだろうか?
「名取裕子のファンはAOL.comによくアクセスしています」とでも言われたのだろうか?
どう頭をひねってみても、「ターゲット、ピントのずれた広告出稿」だとしか思えない。
また、年末から徹底的な大量露出を行っている日本のグルーポンもとんでもない処へ顔を出している。Googleのアドネットワークからの配信のようだが、筆者がアクセスするB2Bのディレクトリや伊のB2Bサイトにまで出稿している。日本のIPアドレスならどこへアクセスするユーザでも良いようだ。
伊のB2Bサイトへアクセスしたら、「次はグルーポンへ寄ってね」とでも言いたいのだろうか?
結局、既存マスメディアへの広告と同様に、オンライン広告も出すだけの理論がまかり通っているかのようだ。それも当然だろう。今まで何年、何十年と既存レガシー広告をやってきた担当者がオンライン広告も担当しているのだから。そして、上層部も苔むした時代錯誤のマインドセットのままなのだから。一般消費者、ユーザがブランドをコントロールするといったパラダイムシフトなど、どこかの頭のいかれたやつらの世迷いごとぐらいにしか響かないのだから。
SEO、SMO、LPOなど、いろいろなジャーゴンはあるが、これはすべて昔の一方通行のマーケティングの話に近い。結局、出すことで職務は遂行されるわけで、レガシーメディア同様にオンラインの広告効果も、代理店が後で出してくるレポートにちゃんと効果があると書いてあるのだから。
「Horrible Ad Placement」とは、何もアドネットワークにだけ当てはまるのではなく、全ての広告について当てはまるのだろうか...?