2012/09/28

お客様相談センターの対応から見るソーシャルメディア体制

昨年の11月、時事.comで震災関連のビデオを見ていた所、「墓石」のターゲッティング広告が表示された。あまりにも無神経な広告掲載だと感じたのでメーカーにメールした。

以下は、その時の回答だ。
ご指摘の映像に、お墓の宣伝は、確かに問題だと感じましたので、 震災以外の映像も含むすべてのYouTube動画や震災関連記事には、 当社の広告を表示をしないように設定いたしました。 
インターネット広告がどのように表示されるのかについて配慮が十分でなく、 XXXX様にはご不快な思いを抱かせてしまいましたことに 心よりお詫び申し上げます。 
今後ともお気づきの点がございましたら お知らせいただきたく存じます。 この度は本当にありがとうございました。
そして、今週、「教えてGoo」で「がん」や「見舞い品」について見ていた所、「お葬式」のターゲッティング広告が表示された。あまりにも無神経な広告掲載だと感じたので全国規模の大手小売業者にメールした。

以下は、その時の回答だ。
日頃より、弊社をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。
この度は、XXXXXの広告につきましてのメールをいただき恐縮いたしております。
お申し出内容を担当部署に伝えましたところ、 
XXXXX事業部の広告が、一部意図しないお客さまに表示されてしまい、お客さまに不快な思いをさせる結果になったことについてお詫び申し上げます。今回は、「教えてgoo」のシステムが、質問内容に関連する広告として当社広告を選び、掲載されたものと思われます。 
当社としては「病気」、「お見舞い」といったことに関連づける意図は全くありません。ご指摘のような点については、防御策も講じていますが、完璧に防げるわけではありませんので、「教えてgoo」で病気や見舞いに対する質問への回答」については、今後出ないようにいたします。 --中略--
と申しておりますので、何卒宜しくお願いいたします。
今後共、弊社をご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
前段のお客様相談センターの回答と比べると後段のそれはあまりにも拙い。

回答文面そのものは別格に置くとしても、この小売大手企業の広告主としての知見の無さ、代理店任せで担当部署としての責任の無さ、社内縦割り組織の風通しの悪さなどが透けてくる。そして、覚束なさを埋めてくれるはずの消費者の声に傾ける耳を持ち合わせていないことも見えてくる。

こういった企業がソーシャルメディアを使った広告を出稿するのは難しい、ましてやエンゲージメントが入ってくるソーシャルメディアマーケティングを実行するのは難しい。

英国の小売最大手、TESCOはFacebook、Twitter、YouTube、そしてPinterestをやっている。
そして、TescoのFacebookではこんなやり取りがあった。
ニンジンを買って帰り、ローストチキンを作ろうとニンジンを取り出した時、1本逃げて行っちゃった。1本弁償して
という女性のウォール書込みに対して、 
逃げ出したニンジンの弁償はできません。なぜなら、目の前でニンジンが逃げ出すという新しい経験をされましたし、買った野菜が逃げ出さないように注意しておかなければならないという人生の教訓を学ばれましたから。ただし、逃げ出したニンジンがその理由を書きおいてくれればと思います 
とカスタマーサービスのサムが応えている。
まるで「生協の白石さん」を思い出させる軽妙なやりとりがある。

こんなバカげた時間つぶしの書込みに、ひとひねりしたレスポンスを返すことができるリソースがない限り、全国規模の小売大手企業は、FacebookやTwitterには手を出さない方が無難だ。

ただし、これは何も小売大手企業だけの話でもない。同じようなレベルの話はどの業種にも山ほど転がっている。

Facebookウォールにユーザの書込みを禁止している企業は何社あるのだろう?Facebookをリクルートに使っている企業数が1800社もあるという。そのうちの何社がFacebookを理解しているのだろう?

だから、規模の大小を問わず日本企業にソーシャルメディアは向かないのではとまで思えてくる。


2012/09/06

家族連れか、グループか?

そろそろウィンターシーズンの足音が聞こえてきそうだ。

ということで、シーズンパスのひとつのバリエーションを紹介した「参考:グループ用のシーズンパス」を別ブログ、マサダにアップしました。
Source:マサダ 参考:グループ用のシーズンパス