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2011/02/10

Insights from Samsung and Toyota

ForbesのBlog、MarketShareにSamsungのオンラインマーケティングのシニアマネージャ、Louis Giagrandeのインタビュー記事が載っている。

「昨年のマーケティング活動から得られたインサイトは?それを今年のキャンペーンにどのように活かしてゆくのか?」
--2010年、消費者は3DTVを気に入っているのは分かったが、今年、それがTV購買の主要なテコにはならない。それもあるが、消費者はTVアプリ・プラットフォームを高く評価している。

--また、消費者が持っている3DTVやスマートTVに対する誤解を解くためのデジタルマーケティングを準備している。

「今年、力を入れるのは?」
--競合に真似されるので詳細は話せないが、ひとつ言えることは、すでに販売された数百万台のスマートTVベースがある。これはCRMプログラムやFacebookページとは違う形で我々がエンゲージできるオーディエンスということになる。新しいキャンペーンはロイヤルティプログラムとソーシャルメディアアクティベーションというエレメントを活用するものになる。

Source:Forbes MarketShare / How Samaung Makes Digital Marketing Work

今年、Samsungが何をやろうとしているかのヒントが見え隠れするコメント、記事だ。

ちょうど1年ほど前、「Social Media Power of Samsung & LGE Customers」で、2009年にSamsungとLGEが販売したTV、携帯電話の顧客数として4億人、2億人という乱暴な数字をあげて、末尾に、
これら既存顧客をブランドアンバサダーとして活動してもらうマーケティングを考えると夜も寝られない。 
と書いたが、やはり、Samsungの担当者は夜も眠らずにスマートTVの既存顧客を活用するマーケティングを考えていたようだ。

参考:Social Media Power of Samsung & LGE Customers (Online Ad 2010/02/24)

さて、最後に、「ブランドがデジタルマーケティングを開始し、それを拡張するためのアドバイス」を訊ねられたLouis Giagrandeは、
  1. 始めから鍵となる効果指標を設定する
    全てを計測したいのは分かるが、改善するべき、集中するべき重要な指標をいくつか決定しておくべきだ。始めに達成すべき指標を決めておかなければ、雑多の数字の波にもまれてキャンペーンが成功だったのかどうか分からなくなってしまう。

  2. 顧客の声を聞き、必要であれば対応する準備をする
    多くの企業がFacebookページで顧客との会話をリードしようとしてはいるが、難しい質問に迅速、最適なマナーで回答する準備をしていないのを見かける。

    SamsungがカスタマーフォーラムをCNETで始めた時、社内の法務、PR、サービス、製品マーケティング、営業など多様な部署の協力を仰ぐことができるようにしていた。

    2、3回昼飯や酒をおごる必要があるかもしれないが、単純に社内のプロセスを構築する以上のことが必要だ。ソーシャルキャンペーンを成功させるには、内部の関係性が必要なのだ。
と答えていた。

そして、敢えて2番目に続けると、
  • ツールではなく、キャンペーン開始後から発信するニュース、情報、コンテンツ
  • それを収集、取材、制作、発信する管理者、体制
がポイントになると考える。

最近、トヨタがソーシャルアプリアワード開催をマイクロサイト、Twitter、Facebookで告知していた。

Source:ITMedia News / トヨタがソーシャルアプリコンテスト「クルマのピンチを救って」

しかし、マイクロサイトからリンクされるFacebookのInfoタブには何も書き込まれていない。コンテンツがない。説明文書が存在していない。この空白ページを見るユーザは何を思うのだろう?

なお、下の画像は9日の午前中にとったものだ。再確認のつもりで17:45ごろアクセスしてみると、Basic Info、Detailed Info、Contact Detailsなどが表示される。
ウォールに2月3日、ユーザの書込みが1件だけあった。

こちらも9日の17:45ごろ、再確認した。同じままだった。いの一番のユーザ以外、管理者の書込みもない。どうやって会話するのだろう?どうやって会話をつなげ、広げてゆくのだろう?
ソーシャルアプリを募集して、「若年層の車への関心が低下しているという危機」をなんとかしようというキャンペーンなわけだが、若年層に伝えるメッセージのないFacebookページや、マイクロサイトの英語と中国語ページがまだ準備できていない処を見せつけられると、Louis Giagrandeの回答との大きなギャップに目まいがしてしまう。

2010/08/17

Open Letter to CEOs in Japan

日本企業の最高経営責任者の皆さま

本日は、インターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして、日本ブランドの危機について理解していただくために筆をとりました。これらファクターが絡み合い、既存の広報、広告、マーケティング戦略を大転換しない限り、日本のグローバルブランドが今後数年のうちにローカルなガラパゴスブランドに転落するという危機感を共有していただきたいと考えています。
  1. まず、インターネットがあります。

    InternetWorldStats.comによれば2010年6月30日時点で、世界の総人口は68.5億人、インターネットユーザ数は19.7億人、普及率28.7%に達しています。そのトップ20には、日本、欧米諸国などに加え、中国、ロシア、インド、ブラジル、イラン、トルコ、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどBRICsおよび途上国が顔を出し、2000年からの伸びが13,000%を越えるイラン、12,000%を越えるベトナムはもとより、BRICsは軒並み1,000%を越えています。OECD加盟国のインターネット普及がこれ以上見込めない中、BRICs、途上国は猛烈な勢いでインターネットが普及しています。
    Source:InternetWorldStats.com / Top 20 countries

    次にブロードバンド化があります。2008年に発表されたEUの世帯別ブロードバンド普及率ですが、蘭が77%でトップ、英独仏は47%、33%、 48%、EU27カ国の平均でも36%に達しています。調査されたのは2007年ですから今日までの3年間に平均普及率は40%をを越え、50%に迫って いるのではないでしょうか。
    Source:EU / E-Communications Household Survey 2008 (pdf)

    米国の最新のデータを見ると、こちらは世帯ではなく、インターネットユーザのBB普及率となっていますが、今年の5月時点でBB化は66%にまで進展しています。
    Source:PEW / Home Broadband 2010 (pdf)

    そして、中国の場合、BB化はもっと猛烈です。今年1月に発表されたCNNICのレポートによれば、3億4,600万人がBBユーザだとしています。これは全インターネットユーザの90.1%にあたり、前年比7,600万人が増加したとしています。
    Source:CNNIC / The 25th Survey Report (pdf)

    このブロードバンド化の進捗は世界で起こっています。

    インターネットは情報通信の基盤でもあり、媒体としての側面もあります。世界のどこにいても、インターネットにアクセスさえできれば、そしてブロードバンド化していれば、IP電話、ビデオ電話、email、chat、Web、Blog、SNSなどを使って地球の裏側にいる人と会話すること、つながることができます。インターネットにアクセスさえできれば、朝日新聞であれ、New York TimesやCNNであれ、BBCであれ、マスメディアのWebサイトへアクセスし、最新ニュースや情報を入手することができます。業界紙・誌のWebサイト、業界フォーラムなども同じですし、企業や団体のWebサイトへアクセスすることができます。

    今まで地理的、時間的、経費的な障害によってコミュニケーションを行うことさえ難しかった人々とコンタクトしたり、ビジネスを行ったり、一緒に社会貢献活動を行うことさえ可能になりました。今までのビジネスのやり方、仕事の仕組みを大きく変えたのがインターネットだと言えます。

    そのインターネット、ブロードバンドが先進国だけではなく、BRICsおよび途上国にも広く普及し始めています。これらは世界がひとつにつながるプラットフォームだと言うことができます。

  2. このインターネットユーザの増大とブロードバンド化がパラダイムシフトへとつながっています。

    上で見てきたように、世界中の一般市民、消費者が、インターネットへアクセスできるようになり、月額固定料金でのブロードバンド化が進捗することによって、常時インターネットにアクセスするユーザが増えてきました。

    その中の先端ユーザ達は独自ドメインを取得し、自分のWebサイトを立ち上げるものも出てきました。企業、団体、マスメディアのWebサイトへアクセスするだけに飽き足らず、自分でWebサイトを立ち上げ、様々な情報やコンテンツを発信するユーザが増えてきたのです。しばらくすると、Blogを書くユーザも出てきました。世界最初のBlogのひとつは1994年に始まったとされていますが、1999年にサービスを開始したBloggerなど無料でBlogサービスを提供するプロバイダーも現れ、2004年頃までには政治、経済面でBlogは大きな影響力を発揮するようになってきました。

    Source:Wikipedia / Blog

    その後、専門家だけではなく、一般ユーザ・消費者が自分の日々の出来事をつづったり、ニュース、映画、ミュージック、セレブ、ブランドに関する意見・評価などをBlogから発信し始め、多くのインターネットユーザがBlogにコメントしたり、購読を始めるようになりました。

    2009年1月時点で、2002年以降にインデックスされたBlogの数は1.33億件、世界でBlog記事を読むユーザ数は3.46億人(2008年3月)に達しています。

    Source:The Future Buzz / Social Media, Web 2.0 and Internet Stats

    これだけBlogやその読者が増えてくると、トップBlogの中には読者数が数万人、数十万人を越えるケースも出てくるようになり、小規模な既存マスメディアサイトのトラフィックを上回る規模のものもあります。Blogによって個人の発信力が飛躍的にアップしてきたため、既存のマスメディアや企業、団体が行う情報発信のボリュームおよびクオリティと肩を並べてきました。

    そして、既存のマスメディアと違い、オープン、対等な関係でコメントしたり、違う意見を戦わせたり、友人や同僚を巻き込んで自分のBlogに発表するといった会話が成り立ってきました。

    また、WebやBlogだけではなく、情報発信の一部として、一般ユーザ・消費者が独自に制作したビデオをYouTubeなどに投稿する例も出てきました。

    中でも下のビデオは2006年6月、二人の知り合いがダイエットコークにメントスを入れた噴出実験を撮影したものです。同様の噴出実験ビデオをいくつも投稿していますが、世界中のユーザが飛びつき、それぞれ数10万回から数百万回も再生されました。
    Source:YouTube / Experiment #10

    彼らだけではなく、ビデオを視聴した他のユーザが同じような実験ビデオを投稿したり、WebやBlogに記事を書き、それを見たり読んだりした他のユーザが友人・知人に話すといったクチコミが広まりました。そのクチコミ露出に後を押され、まず、メントスが彼らのサポーターとなりました。その後もしばらくはだんまりを決め込んでいたコカ・コーラでしたが、売上が5~10%も伸びた結果を無視できず、彼らの実験を支援し始めました。コカ・コーラ本社前、米国各都市、果ては欧州のオランダで噴出実験を披露するキャラバンを展開しました。名にしおう世界のコカ・コーラ社がどこの誰とも分からないポット出のタレント、ビデオクリエイターの力を借りてグローバルなマーケティングを実行したのです。

    企業が大規模予算をかけて製品・サービスのプロモーションを行っている傍らで、たった数十㌦程度の撮影費用しかかけていないユーザのオリジナルビデオが米国や世界のユーザのマインドに刺さり、マスコミも追随して報道することで、商品が飛ぶように売れてゆく。企業がコントロールしていたはずのブランドコントロールが一般消費者の手に渡ったことを示す典型的なビデオだと言えます。

    一般消費者が投稿するビデオが、企業のマーケティング活動に大きく影響するだけではなく、企業のレピュテーションを毀損する例も出てきました。

    下は、ドミノピザ従業員が、唾を吐きかけたり、鼻くそをピザに塗り込めたりした様をビデオで撮影し、投稿したものです。このとんでもないビデオはあっという間にインターネットユーザに広まり、USドミノピザの社長がYouTubeに謝罪ビデオ投稿し、異例の顧客対応を余儀なくされました。

    Domino Pizzaの該当四半期の売上に対して1%から2%の影響があったと決算報告書に記載があります。それほど一般ユーザが作成したビデオは、企業業績に大きな損害を与えるほどの影響力があるわけです。
    Source:DailyMotion / Domino Pizza

    これら以外にも乗客の手荷物取扱を巡り、United Airlinesなどが糾弾された例があります。個人が制作したコンテンツにより、企業が営々と築き上げてきたブランド評価やレピュテーションはもちろん、業績にまで多大な影響を与えるケースもでてきています。そしてのその影響は、例えば米国内だけに止まるのではなく、世界中に露出し、企業・ブランドのレピュテーションを粉々にしてしまうほどのパワーを秘めているのです。

    このセクションの最初にダイエットコークとメントスの噴出実験ビデオを取り上げましたが、同じ年の10月、ANA(全米広告主協会)総会においてP&GのCEO、A.G.Lafleyは、「パワーは消費者が握っている。彼らは考えられるすべての意味で我々のブランドを所有し、ブランドコンテンツ制作に参加し始めている」と語っています。また、Wal-MartのMarketing VP、Stephen F. Quinnは、「消費者が手綱を握っており、消費者にうまく手綱を握らせるものが勝者になる」とまで発言しています。

    Source:NYT / Letting Consumers Control Marketing: Priceless

    企業は、大規模予算を投下してマスメディアを使った一方通行のコミュニケーションを継続してきました。新雑ラテという四大マスメディアはもとより、屋外、DM、展示会、プライベートセミナー・展示会、イベント開催など、すべてのコミュニケーション・チャネルを総動員して露出、リーチ、訴求、認知、想起といった昔からのマーケティング理論を実践してきました。

    しかし、四大マスメディアの露出、訴求力には陰りが見えます。多メディア化が進展し、ユーザを情報洪水が呑み込んでいる現在、TVの視聴率、新聞・雑誌の購読者数、ラジオの聴取率も右肩下がりを続けています。今後、回復する道筋は見えません。

    一方、インターネット、ブロードバンドを手にした消費者は、オリジナルのコンテンツやブランド関連コンテンツを作成し、個人的なネットワーク内で発信、共有するだけではなく、Blogや画像・ビデオ共有サイトなどに投稿することで、世界中のインターネットユーザにコンテンツを提供しています。そして、そのコンテンツを消費し、他のユーザと共有する世界のユーザがいます。

    まさに、情報・コンテンツの出し手は企業やメディア、そしてその受け手は消費者といった今までの固定観念が崩れ、新しいパラダイムが沸き起こってきたわけです。すなわち、一般消費者も情報・コンテンツを提供する出し手となり、他ユーザの制作、発信する情報・コンテンツの受け手となっています。また、受け取った情報・コンテンツを、家族、会社の同僚、学校のクラスメート、地域の知り合いといったオンライン上にある自分のネットワークの人々と共有しています。ここで点から点へ転送されてきた情報・コンテンツが、面で共有されることになります。オープン、対等、双方向の会話が成り立ち、それを閲覧するユーザも巻き込んで会話が拡大してゆくことになります。

    そして、その効果、波及範囲は国内だけに止まらず、世界に波及するということです。

    え?

    「米国、英語のコンテンツは非英語圏のユーザには波及しないだろ!」

    そう考えられるのは無理もありません。

    しかし、そうではありません。下図は、各国のインターネットユーザがアクセスしたコンテンツの言語比率を表しています。当然、豪、ニュージーランド、インド、英、アイルランド、カナダ、南アといった英語圏は英語でのコンテンツ消費が主です。しかし、韓国、台湾、日本、中国、欧州諸国、南米、イスラエルといった非英語圏でも少なからず英語でのコンテンツが消費されています。

    皆さんだって、ご自分でNYT.comやBBC.co.uk、WSJ.comやBloomberg.comへアクセスされているように、英語は情報・コンテンツが世界へ拡散される障害にならないのです。
    Source:comScore State of the Internet, Nov 2009

    え?

    「非英語圏ユーザが英語でコンテンツを消費しているとしても、ほんの少ししかいないじゃないか!!」

    そうです。国によっては違いますが、控え目にみて10%未満といった処でしょうか。でも、この10%未満のユーザ達は、アーリーアダプターと呼ばれる人たちです。非英語圏であろうと英語くらい流暢に話せる各国のアーリーアダプターは、ビジネスや個人目的で最新ニュース、情報、コンテンツを探しています。政治、経済、財務、芸能、スポーツ、IT、ネットワーク、アプリの最新情報、もっとも影響のあるソースと言えば、米国の英語情報・コンテンツです。これらをいち早く入手するため、アーリーアダプターはアンテナを張っています。そして、かれらは自分のWeb、Blog、SNS、Twitterなどで最新情報を自国語に翻訳して国内ユーザと共有しています。

    点と点がつながって、そこから面に拡散されているのです。

    ここで大きな問題があります。

    各国、各地域ごとの営業・販促活動は現地子会社、販社の責任ですが、非英語圏のアーリーアダプターが国境や子会社のテリトリを越えて、英語コンテンツを入手し、国内に露出、共有しているのです。

    例えば、米国子会社にとって非英語圏のアーリーアダプターはターゲットではありません。彼らが如何に米国の英語コンテンツを入手したところで販売につながるわけではありませんから。一方、各国のアーリーアダプターに対して各国子会社、販社ができることはあまりありません。米国以外の子会社や販社が米国へアクセスする各国のアーリーアダプターに米国で何かすることはできませんから。しかし、世界中のインターネットユーザがひとつにつながり、各国のアーリーアダプターが最新の英語ニュース、情報、コンテンツを探しまくり、国内に供給している現在、どこが何をすべきでしょうか?

    企業やメディアが一方的に情報やコンテンツを押し付けている時代から、一般消費者が自分の意見、判断、評価などを発信し始めたこと、そしてそれが消費者間で共有され、点から面に拡散されていること。これが最初のパラダイムシフトです。
    そして、世界のアーリーアダプターが国境を越えて英語コンテンツを入手し、国内に共有し始めたことで、海外子会社や販社の責任や義務を超越した存在になっていること。この世界のアーリーアダプターに対応しなければいけないこと。これが2つめのパラダイムシフトです。

  3. このパラダイムシフトのバックボーンを支えているのがソーシャルメディアです。

    上で紹介したANA総会は2006年でした。2006年というと、今、もっとも注目を集めているFacebookがすべてのインターネットユーザに解放された年ですし、YouTube、Twitter、あるいはLinkedInといったソーシャルメディアサイト・サービス・ツール・プラットフォームが出揃った年でした。
    Figure 1. Distribution of work task interruption
    Source:Social Network Sites: Definition, History, and Scholarship

    それから4年たってみると、Facebookは世界で5億人、Twitterは1億人、LinkedInは0.75億人以上の登録ユーザを抱え、YouTubeでは毎日20億回以上もビデオが再生されています。

    米国の直近データを見ると、2010年6月に米国インターネットユーザがオンラインで消費した時間のうち、22.7%(前年比43%増)はソーシャルネットワークです。インターネットの創生期から幅広く使われてきたemailは8.3%(同28%減)AOLやYahooといったポータル系は4.4%(同19%減)、チャットとして親しまれているIMは4%(同15%減)となっています。
    Source:Mashable / Social Networking Dominates Our Time Spent Online

    情報・コンテンツの配信チャネルや共有スペースとしてもソーシャルメディアは上位を占めています。ニュースの配信を受けるチャネルとして、Twitter、FacebookがEmailを抜いて一位、二位を占めていますし、コンテンツを共有するスペースとしてFacebookが一位、Twitterが三位につけています。
    Source:Silicon Allery Insider

    如何に米国のインターネットユーザが、ソーシャルネットワークにアクセスし、情報・コンテンツを発信しながら、消費・共有・拡散しているかが分かります。

    こういったパターンは何も米国だけに起っているのではなく、全世界共通です。Facebookの登録ユーザ5億人のうち70%は海外ユーザで、Twitterの登録ユーザ1億人のうち60%以上は海外ユーザなのですから。

    このソーシャルメディアが企業のマーケティング戦略に大きな影響を与えています。今年6月、NYにおいてCorporate Social Media Summitが開催されました。ここに講師として参加した欧米各社の担当者21人中、Social Media、Digital、Online、Interactiveといった部門のディレクター、シニアマネージャという肩書がついている人は14人に及びます。三分の二の企業が、いままでの組織ではなく、エンパワーされた世界の消費者が活動しているソーシャルメディア(スペース)を担当する部署をすでに立ち上げているのです。また、既存の部署名のままであっても、Social Media、Digital、Online、Interactiveに関係するコミュニケーションを担当しているのは明らかです。

    それは、今までの仕組みが変わってしまったからです。ソーシャルメディアによってエンパワーされた消費者、ユーザ、顧客は、今までの組織が行っていた既存業務では収まりきらない行動をとり、その影響は他部門に複層して及ぶからです。また、エンパワーされた消費者に対して企業・ブランドからのメッセージを送るには、既存の広報、広告、マーケティングチャネルではうまく行かないからです。

    例えば、Heather Armstrong、別名dooceという女性Bloggerがいます。昨年、彼女は購入したばかりにも関らず故障続きのMayTag洗濯機のトラブルで堪忍袋の緒が切れ、「MayTag製品は決して買わないで。MayTag製品は悪夢よ」というTweetをしました。通常であれば、これはカスタマー・サービスの守備範囲です。根気強く顧客の苦情、トラブルに電話対応をするわけですが、時代が違います。顧客はWeb、Blog、SNS、Chat、SMS、そしてTwitterで顧客対応の一部始終をオープンに公表することができますので、メーカー対顧客のコミュニケーションが青天白日、全世界のインターネットユーザが注視の元に対応しなければなりません。また、悪いことに彼女のTwitterには当時でも100万人以上のフォロワーがいたのです。彼女が行ったTweetは100万人以上のタイムラインに表示されるわけです。小さな通信社、あるいは中堅の地方新聞社に匹敵する露出力がある彼女にカスタマーサービスが対処すべきでしょうか、対処可能でしょうか。すでに発信された彼女のTweetを見たユーザ達への対応はどこが、どうすべきでしょうか。

    この場合、最終的にはMayTagの親会社、WhirlpoolのTwitterアカウントが彼女に対応しました。ここはWhirlpoolのコーポレートコミュニケーション部が管理し、Tweetを行っているアカウントです。企業情報を発信するTwitterアカウントが個別顧客のクレーム対応を行ったことになります。しかし、それも当然です。そのままでは、企業のブランド価値、評価を急落させかねないことになりますし、ひいては販売にも影響が出るかもしれないからです。
    Source:Twitter / WhirlpoolCorp

    ソーシャルメディアパワーを身にまとった消費者に対応するため、企業はまず、新しい組織を作りました。その上で、ユーザ達が自分のブランドに対してBlogやTwitterで何を語っているのかモニタリングを開始しました。上のWhirlpoolがいい例です。自社関連ブランド名、あるいは@dooceをモニタリングしていなければ、傷はもっと深かったはずです。

    また、企業の公式Webサイトにアクセスするユーザにサイトの分かりやすやコンテンツを評価してもらいサイトの改善につなげるためWebビジター調査も開始しています。

    加えて、ブランド情報・コンテンツを共有してもらうため、WebサイトにFacebookやTwitterへのリンクボタンをつけたり、Facebookなどのソーシャルネットワーキングサイトに企業の公式ページを持って、ユーザと会話を始めています。
    Source:Samsung.com/us/

    ソーシャルメディアは一般消費者に力を与えています。インターネットおよびパラダイムシフトがもたらした変革をベースに世界中の消費者が、企業、メディアに匹敵する質と量のニュース、情報、コンテンツの制作、発信を、Blog、Facebook、Twitterなどのソーシャルメディアスペースで行っています。その制作、発信されたニュース、情報、コンテンツを他のユーザ達が消費、共有し、その次のユーザ達につなげています。

    そのため、インターネットおよびパラダイムシフト、そしてソーシャルメディアは、企業そのものの体制、組織、マーケティング戦略をも変革しています。

  4. 最後に、日本ブランドの危機を取上げます。

    インターネット(+ブロードバンド)、パラダイムシフト、ソーシャルメディアが提供するもの、すなわち、
    • オープンで
    • フラット、対等な
    • 双方向のコミュニケーション、エンゲージメントをすること
    から
    • ブランド関連情報が発信され、共有、消費、再露出されている
    • それがひとつの国内だけではなく、世界へ波及する
    • 世界のインターネットユーザはひとつにつながっている
    ことを理解した先進企業はソーシャルメディア戦略を構築し、実行に移しています。

    ソーシャルメディアマーケティング戦略のトップランナーのひとつである米Fordは、一昨年から消費者をソーシャルメディアスペースに巻き込んだFiesta Movementキャンペーンを行っていました。キャンペーンが終了した昨年末時点でFiestaが米国内で販売されれば購買すると8万人が回答していました。もし、Fiesta1台を200万円だとすれば、1,600億円の売り上げにつながるという結果を出しています。また、Explorerの最新モデルをFacebook内で発表したりと積極的にソーシャルメディアを活用しています。

    Fordのソーシャルメディア戦略、キャンペーンから学習した競合、例えばVolkswagenは、2011年モデルのPolo GTIのキャンペーンをFacebookだけで開始しました。また、その公式ページの言語は英語だと宣言し、全世界の消費者に向けてFacebookをタッチポイントとする戦略を開始しています。BMWも同じです。Facebook内に本社管理のページを設け、全世界20カ国の子会社が開設しているFacebookページへのリンクページとして機能させています。BMWの本社ページも英語となっていますので、全世界の消費者に向けたポータルページなのです。

    これら2社が開設しているFacebookページは、独本社が全世界のインターネットユーザに向けたゲートウェイとなっています。ここから世界の消費者にブランド関連ニュース、情報、コンテンツを発信し、彼らに消費、共有してもらい、彼らの友人・知人達に再露出してもらうための場所となっています。また、世界中の消費者が体験したブランド経験、画像でも、ビデオでも、コメントでも、それらを共有してもらうためのスペースとしても機能させています。

    もう、昔と同じように既存マスメディアに広告を出しても、広報記事を掲載してもらっても、それらの情報・コンテンツを消費、共有してくれる消費者がいません。いや、正確には消費者はいるのですが、広告や広報記事を信用してくれる消費者がいないのです。消費者は、企業の広告や広報よりも、専門家の声や判断、社員との会話で得られた情報、あるいは自分と同じような人の意見や評価を信じているのです。Fordを含め、これら企業はそれを理解しています。

    各社は、ターゲットとなる消費者が集うソーシャルメディアスペースにブランド自身が参加し、ファンやフォロワーになってくれる消費者とオープン、対等、双方向のコミュニケーションを行おうとしています。そうすることで、消費者の信頼を獲得しようとしています。

    FordのGlobal VP-MarketingのJim Farleyは、Ad AgeのDigital Conference 2010において、
    15秒のTVCFで我々が聞いてほしいストーリーを話すことはできるが、我々が求めているのは顧客に我々のストーリーを語ってもらうことだ。顧客の信頼をどのように得るかを示してくれたのはデジタルだ。
    と語っています。


    Source:Ad Age / Digital Conference 2010

    また、彼は以前の新車発表・発売に焦点を当てた既存メディアキャンペーンではなく、
    メディアキャンペーン開始前から、そして終了後も継続されるソーシャルメディアスペースでの会話、エンゲージメントの重要性を指摘しています。
    キャンペーンに合わせた一時的な広告や広報活動ではなく、ソーシャルメディアスペースでユーザと、一から会話を紡ぎ、育て、垂れた稲穂をユーザの個人的コネクション、ネットワークに共有してもらう。その中で新しい接ぎ穂が出れば、それも大事に育ててゆく、そのなかで消費者の信頼を獲得するという、Fordの全く新しいパラダイムを惜しげもなく公表しています。

    Ford自体、まだグローバルな展開を見せていませんが、VolkswagenやBMWが学習成果を基にちゃっかりと一歩先のステップを踏み出しているように見えます。

    こういった事例が自動車メーカーだけではなく異業種でも学習されてゆきます。B2C企業だけではなく、B2B企業も同じように学習してゆきます。各国現法はFordをお手本に、本社はVWやBMWをお手本にして、各社の広報、広告、マーケティング戦略にソーシャルメディアが取り入れられてゆきます。そして、世界中の消費者、顧客、ビジネスパートナー、サプライヤーを巻き込んだ会話、エンゲージメントが活発化してゆきます。

    唯一、日本の企業を除いて...。

    日本企業も国内では相応にソーシャルメディア対応を行っていますが、海外、あるいはグローバルな展開は非常に遅れています。

    Facebook、Twitter、YouTubeのファン、フォロワー、購読者を集計し、Famecountというランキングを発表しているサイトがあります。
    Source:Famecount

    Facebook、Twitter、YouTubeというソーシャルメディアスペースの中心に、海外向け、あるいはグローバルな公式ページ、アカウントを持っている日本企業は数えるばかりです。とてもFacebookだけで1,200万人以上のファンをもっているStarbucks、Twitterに150万人以上のフォロワーがいるJetBlue、Dellとは比べられません。

    しかし、Red Bullが3位、Zaraが15位、H&Mが20位、Lacoste、PUMA、BlackBerry、Adidas、Louis Vuitton、Nokiaなど世界の錚々たるブランドがちゃんと顔を出しています。こういった現状では、日本の企業・ブランドはソーシャルメディアスペースに存在していないに等しく、それでなくとも大きい欧米各社との露出ギャップは大きくなるばかりです。

    幸いなことに今のところ、VWやBMW本社のようにFacebookをグローバルブランディングに活用しようとしている企業は限られています。しかし、Best Practiceは様々な場所、スペースでオープンに共有されるものですから、あなたの企業の競合メーカーがいつ、VWやBMW本社のようにソーシャルメディアを活用したマーケティング戦略を開始してもおかしくありません。

    あなたの競合メーカーがソーシャルメディアを活用したグローバルなマーケティング戦略を開始した時、あなたの企業はそれに対応することができますか?すでに対応するための組織、予算、戦略を準備されていますか?

    上述のSamsung.com/us/は、昨年末にヘッドハンドした人間をソーシャルメディアマネージャとし、今年1月のCESにおけるプレスコンファレンスをTwitterで同時中継したことから始まり、WebやEmailニュースレター、Facebook、YouTube、Twitterなど各種タッチポイントのソーシャル化を推進しています。彼は、今年、6月のCorporate Social Media Summitに講師として招かれプレゼンしていますし、7月には韓国Samsung本社においてCEOおよび100人以上の上層部に次のコミュニケーションプラットフォームのプレゼンをしています。これほど大きな動きをあなたの企業は同じように遂行することができますか?

    あるいは、社内にこういった世界の動きをウォッチし、警鐘を鳴らしている組織、担当者はいますか?

    もし、社内で準備がされておらず、世界の動きをウォッチすることもなく、社内に警鐘が鳴り響いていないのであれば、世界に誇る日本ブランドの価値、評価はとてつもない危機に直面していると言えます。
さて、インターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして、日本ブランドの危機を説明してきましたが、おさらいの意味でもここでお聞きしたいことがあります。

それは、
  • 世界中の消費者がインターネット、パラダイムシフト、ソーシャルメディア、そして英語と言う共通語でひとつにつながっているということは全くないと考えますか?

  • 広報、広告、マーケティング部といった既存の組織が、ソーシャルメディアによりエンパワーされ、情報・コンテンツの制作・発信力を増し、共有・拡散力も以前とは比べ物にならないほどパワーを持つようになった消費者に対応できると考えますか?

  • 海外のことは海外の子会社、販社に任せておけばよく、各国のアーリーアダプター、インフルエンサーが翻訳し、国内に露出・共有する英語の情報・コンテンツなど気にする必要はないと考えますか?

  • 競合メーカーが各国市場やグローバルブランディングにおいてソーシャル化を進める中、今まで通りの広報、広告、マーケティング戦略を踏襲していても、企業価値、評価、消費者の信頼などは下落しないと考えますか?

  • WSJ、 NYT、WPなど一流マスメディアに広告を出稿し、PR WireやBusinessWireからプレスリリースを流し、CNNやSky、EurosportにCFを出し、Googleに検索広告、Yahooに ディスプレイ広告を出すことから、ソーシャル化、顧客の信頼獲得へと比重を移しているFordの戦略に全く危機感を感じませんか?

  • 物やサービスを売るというマーケティングが、消費者あるいは顧客やユーザとの会話を醸成し、点から面へ広げてゆくマーケティングへ移行しているとは考えませんか?
ということです。

日本航空の破たん原因を調べているコンプライアンス調査委員会が管財人に報告する内容には、組織の肥大化と経営者の 経営判断や全社的な危機意識の欠落が含 まれています。具体的には、営業や経営企画、運航本部といった組織が「縦割り」で横のつながりが乏しく、現場と上層部との間で風通しがわるくなっていたと 指摘しています。その結果、経営者が経営破綻に陥るような重大な事態に気づくのが遅れたとしています。

Source:Asahi.com / 日航破綻「歴代経営者の不作為が要因」

企業規模が大きくなればなるほど「親方日の丸」に近い意識が存在する可能性が高くなり、また、企業規模に慢心したグローバルな「危機意識の欠落」も存在可能性が高くなり、「ガラケー」といったひとつの製品だけではなく、企業全体が日本ローカルなガラパゴスブランドに陥ってしまう危険性が一層、高くなると恐れています。

この危険性を少しでも低くするためには、また、上の6点において少しでも不安や心配の種がおありなら、既存広報、広告、マーケティング戦略を見直し、新しいパラダイムを前提とした戦略への転換を強くお勧めします。


長文になりましたが、是非、厳しい現状を認識いただき、最善、最適な戦略を打ち出されることを願ってやみません。

笠井孝誌
株式会社パワーレップ


追記:Scribdにpdfをアップしました。
Source:Scribd / Dramroll - Open Letter to CEOs in Japan

2010/07/27

Siemens Monitoring

6月にNYで開催された「Corporate Social Media Summit」に関して2度紹介したことがある。

参考:Corporate Social Media Summit (Online Ad 2010/04/15)
参考:Corporate Social Media Summit -2 (Online Ad 2010/05/07)

その「Corporate Social Media Summit」に参加していたSiemensの資料がSlideShareに上がっている。
Source:SlideShare / Siemens Leveraging Social Media Data

上のプレゼン資料の中に、
  • センチメント分析、シェア
  • Blog、Forum、Twitter、News系バスの時系列シェア
  • バズ出現率、シェア
などのグラフがある。

ま、全世界40カ国のWebサイトへのアクセス・ビジター調査を毎年、毎月やっているSiemensなら当然のことだが、ちゃんとオンラインのバズモニタリングをやっていることが分かる。

B2Bの代名詞のようなSiemensにしても、顧客企業や最終顧客の声に耳を傾け、多様なコミュニケーションメッセージの評価、フィードバックを獲得し、可能であればインフルエンサーを特定しよう、次のキャンペーンに活かしていこうということだ。

Siemensではなくても大多数のグローバル企業にとって、Webビジター調査やモニタリングは基本中の基本だが、さて日本のグローバル企業では...?

2010/07/13

Digital Influencer Index 2010

インターネット人口の48%を占める世界の7カ国、米、英、独、仏、加、中、日を対象として、メディアの影響力を調査した、Fleishman-Hillardの「Digital Influencer Index 2010」が出ている。

2008年に紹介したDigital Influence Index Studyの拡張版ということになる。

参考:Digital Influence Index Study (Online Ad 2008/07/02)

9個ポイントが挙げられているが、その中からいくつか紹介する。

まず、「グローバルに見てデジタルメディアの消費者への影響力が高いにも関わらず、投下されるマーケティング予算は見合っていない」という最初のポイントがある。

7カ国のメディア消費時間(週)において、中国と仏を除く5カ国でトップはTVだ。インターネット利用はわずかな差で2位につけている。しかし、emailもそこそこの時間を消費しているので、これを合計するとトップになる。しかし、マーケティング予算は...、ということになる。まったく、メディア消費時間から考えると、レガシーメディアへとんでもない予算が投下されていることになる。

そして、中国のメディア消費時間シェアはもっととんでもないことになっている。インターネットがダントツで、TVは携帯と同等の時間しか消費されていない。TVの時間枠を売るエージェンシーは、これをどうやって説明するんでしょうか?
そして、メディア消費時間に重要度を加味したメディアインデックスを見ると、もう、TVの出る幕はない。メディアインデックスで言うと、中国のTVはインターネットの四分の一、日・英を除く4カ国は二分の一、日・英は六割といったところだ。
2番目に、「中国のインターネットユーザは先進的なアーリーアダプターで、増加する余地がある」という点だ。

以下の5つの行動インデックスのトップに来るのは中国だ。上位3カ国を比べると中国が突出しているのがよくわかる。
  • 調査・検索       中国85%、日本77%、仏64%  
  • コミュニケーション   中国85%、仏51%、加・日50%  
  • Eコマース        中国51%、日本40%、独24% 
  • 発信           中国77%、日本33%、加20% 
  • モバイル         中国73%、日本49%、英25% 
ここまでインターネット化、モバイル化が進んでいる中国は、まだこれからの国だ。これからもガンガンと大幅に伸びる余地が有り余っている国だ。そんな国においてレガシーマスメディア広報、広告、マーケティングをやっているとしたら...?

3番目に「調査・検索、購買、そしてピアの影響によりデジタルメディアは決断のコアを成す」があり、7番目に「ユーザの声を聞き、リアルタイムで対応する企業をTwitterユーザは信頼する」がある。

Twitterをモニタリングしている企業・ブランドに対して、「自分が抱える問題に耳を傾け、対応してくれれば嬉しい」と考えるTwitterユーザはどこの国でも同じだ。特に中国でその比率は94%(重複回答)だ。ただし、それ以外の国では、「プライバシーがらみで心配」、あるいは「見せかけだけ」だという比率が高くなる。
そして、Twitterをやっている企業・ブランドを信頼するかどうかと聞かれた場合も、中国がダントツで信頼している。日本も中国に続いているが、他5カ国とは色合いが大きく違う。欧米各国では「企業・ブランドを信頼するかどうかには関係ない」と回答するケースが多い。それはそうだろう。アカウントを開設しただけで信頼が勝ち取れるわけではない。Twitterするコンテンツ、コンテキストが問題になるのは当たり前だ。が、中国や日本ではすこし違うようだ。
Source:Fleishman-Hillard / Digital Influencer Index 2010 (pdf)

Twitterアカウントを持っているだけでは意味がなく、きちんと企業・ブランドに関連するバズをモニタリングし、リアルタイムに対応してくれることが必要だろう。そして、Twitterでつぶやく内容が問題だ。ポリシーやガイドラインを決める前に、何をつぶやくかを決める必要がある。

そんなことは決まっている。各種プレスリリースのタイトルや、新しくYouTubeにアップしたビデオ、開催イベントやプレスリリースまでに行かない速報をつぶやけば良いと考えているとすれば、信頼を勝ち取ることも、Twitterというデジタルメディアを活用することにもならない。ユーザにとって意味のない、泡を吐き出しているだけだ。フォロワー数やRT数が増えたところで全く意味のない数字を額装することになる。

そして、Samsungのように日本語を英語に訳してまでモニタリングしている企業からすれば当然だろうが、モニタリングの「モ」も検討していないとするとTwitterアカウント開設の価値は半減以下に落ちることになる。

参考:Samsung's monitoring deeper (Online Ad 2010/07/05)

2010/07/05

Samsung's monitoring deeper

6月18日に、「Learning from Customers」を書いた。SamsungTweetsが、「(SamsungTweetsというTwitterアカウントを)どう思ってますか?良い仕事をしてると思いますか?」と、ユーザの評価、声を聞こうとしたTweetを取上げて、
パラダイムシフトを理解し、ユーザから学ぼうと言う姿勢があり、その企業・ブランドにエンゲージするユーザがいる。そして、そのエンゲージメントが世界中 のユーザに露出している。
と書いた。

参考:Learning from Customers (Online Ad 2010/06/18)

この書込みに対して、19日の未明、Samsung Electronics Americaからアクセスがあった。流石にSamsungはバズモニタリングをちゃんとやっているなと納得したが、気になることがある。
それは、Twitterをリフェラルとして、直接「Learning from Customers」のURLへアクセスしていることだ。

筆者はBlogをアップした際、TweetDeckからTwitterとFacebookにも更新しているが、Twitterの「Learning from Customers http://bit.ly/cyLyE6」というTweetでSamsungの注意を引くとも思えない。

そこで、Twitterで、「SamsungTweets」を検索した処、「nori76」という日本ユーザの方が、SamsungTweetsのTweetと「Learning from Customers」への短縮URLをTweetされていた。この短縮URLから流入してきたようだった。
それにしても、毎日、SamsungTweetsを含んだ数百、あるいはそれ以上のTweetをひとつひとつを確認しているのかとちょっと驚いた。しかし、驚きはそれだけではなかった。

その後、「Online Ad」のログをSitemeterで見たところ、19日未明、12:57:04から2:34:01までの間に「204.181.196.185」というア ドレスから6回もアクセスがあった。合計で26ページにアクセスしている。
そこで、2回目のアクセス時を詳しく見てみた。

以下のログを見ると、「Learning from Customers」から、ホームページへ行き、その時点でトップページになっていた「Learning from Customers」を日本語から英語へ翻訳している。それも「Learning from Customers」が参考としてあげていた「Samsung Twitter Press Conference」も翻訳して内容を確認している。
参考:Samsung Twitter Press Conference (Online Ad 2010/01/08)

また、6回のアクセスを詳細に見ると、ブラウザ(バージョン)とPC解像度から最低4人がアクセスしていたことが分かった。この最低4人が「Learning from Customers」と「Samsung Twitter Press Conference」へアクセスし、翻訳してまで内容を確認していたことになる。
まとめると、
  1. Samsungは、SamsungTweets、SamsungImaging、Samsungなど複数のTwitterアカウントを持っている
  2. それぞれのTwitterアカウント名で検索し、毎日モニタリングしている
  3. そのモニタリング要員は最低4人いる
  4. 検索による数的なモニタリングだけではなく、内容確認までしている
  5. 必要とあれば翻訳した上で内容確認している

    ここから先はログなどで検証できないため、推測だが、

  6. 検索結果に上がってきたBlog、Twitter、Facebookなどソーシャルメディアスペースでのバズソースの影響度(Blog読者数、Twitterフォロワー数、Facebook友人数、リンク数、引用数、トラフィック、SlideShareなどに上げているファイルの閲覧・ダウンロード数など)も確認している

    そして、Samsungがモニタリングしているバズ数が10件や100件なら上のように、丁寧に、詳細に、モニタリングすることも可能だ ろう。しかし、4人がかりで33分以上も「Online Ad」のエントリ内容を翻訳してまで確認するとなると、こんな深堀をすべてのバズに対してたった4人でできるわけがない。

    とすると、

  7. Samsungは社内リソースを使ったモニタリングのほかに、社外リソースを使ったモニタリングをしている。(社内リソースはTwitterなど自社アカウントやFacebook/YouTubeなどのページまわり、社外リソースはそれ以外のソーシャルメディアスペースでのバズモニタリング)
ということになる。

Samsungに関するバズは毎日、最低でも一万件発生している。このバズを社内の4人でモニターすることは全く不可能だ。企業・ブランドがユーザの声や意見、苦情を聞こうという姿勢を持ったとしても、社内リソースを120%活用した処でできることと、できないことがある。しかし、ユーザの声、バズを拾わなければという命題を少しでも満足させるためには社外リソースを活用するしかないということだ。

それにしたところで、24/365体制を組んだところで、巨額なモニタリング予算を組んだところで、100%バズモニタリングを行うことは困難だ。ただし、モニタリングを検討さえしていないどこかの企業・ブランドと比べれば段違いにソーシャルメディアスペースの理解が進んでいるし、ユーザの知見を活かそうとする姿勢が見える。

別に、Samsungは大向こう受けを狙った3DTVプロモーションだけをしているのではなく、今、ユーザがどこに集い、何を聞き、話し、書いているのかを学習している。今、ユーザの声を真摯に聞かなければ、3年後、5年後にSamsungのコミュニケーションメッセージを聞いてくれるターゲットオーディエンスがいなくなることを理解している。

参考:Samsung 3D TV Promotion (Online Ad 2010/06/03)

なお、今回のSamsungが行った深堀モニタリングをまとめたレポートをBox.netにアップしてあるので、興味のある方はどうぞ。

参考レポート:SamsungMonitoringDeeper

2010/07/02

Reputation Management

PEWから、「Reputation Management and Social Media」というレポートが出ている。

まず、自分自身に関して、名前やどんな情報がインターネットに上がっているかを検索する率は2001年の22%から、2009年には57%にまで上昇している。

いろんなSNSに登録していたり、BlogやTwitterから発信していたり、Flickr、YouTubeなどにスペースを確保していたり、email登録、コンファレンス参加、ECサイトでのオンラインショッピング、そしてチャットやSNSなどでの会話、ブランドとのエンゲージメントまで、広い分野に参加し、個人情報を記入、登録してきたユーザは、インターネットに自分がどのように露出しているのか、そして、自分に対する人の声や評価を聞きたくなる。だから全体平均もそうだし、各年代別の検索率も上がってきている。
もはや、検索と日常生活は切り離せないパッケージになってきた。また、独り歩きしがちなオンラインの情報、評価がオフラインのそれを上回り、一般個人ユーザの懸念事項ともなっていることをうかがわせている。

そして、昔の知り合い、専門家、友人、家族に加えて、「同僚や競合」を検索する比率が2006年の19%から26%へと上昇している
また、他人を検索するものとして、一番伸びたのは33%から48%へ上昇した「ソーシャルメディアスペース、あるいは専門家ネットワーク(LinkedIn)」だ。
Source:PEW / Reputation Management and Social Media

ということで、PEWは、
  1. 個人が自身のレピュテーションマネージメントを行ってきている
  2. 個人の情報管理をしっかりしてきている
  3. 検索とソーシャルメディアスペースがオンラインレピュテーションを確立するスペース
  4. 関ってくる人たちのデジタルフットプリントをモニタリングしている
と言っている。

ここにあるのは、モニタリングとレピュテーションマネージメントだ。

個人がインターネット、検索、ソーシャルメディアを活用するにつれて、自分自身の価値、評価、つながっているネットワークを保護し、自分に関ってくる他人の評価を調査している。

このようにインターネット、ソーシャルメディアのパワー、影響力、訴求力を自覚するユーザは自分自身を守るために、そして、関ってくる他人をモニタリング、評価している。これこそ、今の時代の企業・ブランドが行うべきことだと考える。

昔通りに、一方通行のメガフォンマーケティングをソーシャルメディアスペースでやっている限り、レガシーマスメディアはコントロールできたとしてもソーシャルメディアの情報・コンテンツ・バズはコントロールできない。モニタリングとレピュテーションマネージメントはパラダイムシフトの第一ステップだと思うが、いかがだろうか?

2010/06/21

Japanese Brand Endangered

先週金曜日、Ascii総合研究所とWDEのセミナー「企業Twitterは誰が使うべきか」において、「欧米企業のソーシャルメディア化がもたらす日本ブランドの危機」というテーマで話をさせてもらいました。

2006年10月、ANA総会において「パワーは消費者が握っている。彼らは考えられる全ての意味で我々のブランドを所有し、ブランドコンテンツ制作にも参加し始めている」と語たり、企業が支配してきたマスメディアにソーシャルメディアが追いつき、追い越すさまを理解したCEOがいるP&Gにしても、2009年3月に「デジタルビジネス戦略チーム」が、マーケティング役員向けにクラッシュコースを開催している。トップがパラダイムシフトを理解していたとしても、実際にマーケティングを実行する事業部トップを揺り動かし、マインドセットを切り替えさせるのは容易ではない。トップ企業であっても3年もかかっているし、また、それをマインドセットが切り替えられない担当事業部、部署が主催することも非常に困難なのだ。

それはそうだろう。今まで巨額の広報・広告・マーケティング予算を握ってきた既存組織が、訳の分からないとしか理解できないオンライン、それも「オープンだとか、対等だとか、エンゲージメントだとか」といったバズワードを口に出し、ブームに浮かれているとしか見えない社内の人間、社外のエージェンシーの声に耳を傾けると言うことは自分の存在を危うくすることになる。予算を別組織、別キャンペーンに横取りされてしまうことになる。組織内での自分の存在や声、知見が役に立たなくなるような新しいことを社内に啓発することはあり得ない。

だから、P&Gは「デジタルビジネス戦略チーム」 がクラッシュコースを開催したし、FordのScott Monty、PepsiのBonin Boughは外部のエージェンシーからヘッドハントされてパラダイムシフト、IMCのイニシアティブをとっている。それこそマスメディア・エージェンシーに取りつかれ、アゴアシ接待を受けているような社内組織のドンの首を挿げ替えなければ将来はないのだ。それさえも理解していない企業・ブランドは多い。

さて、6月12日にVolkswagen InternationalはFacebookにファンページを開設した。これは2011 Polo GTIキャンペーンの核を成すもので唯一のものだ。すなわち、Facebookファンページだけで2011年モデルのキャンペーンをやるそうだ。そして、このファンページの言語は英語だ。Volkswagenのブランド体験を全世界のユーザと共有するため、「公式言語は英語」だと宣言している。

Volkswagenがどこまでパラダイムシフトを理解しているかは不明だ。しかし、少なくとも他マスメディアを使わずにFacebook一本に絞ってPolo GTIキャンペーンをやろうとしているのはGAPのケースから学習している。Vitamin Waterからも学習している。今、どこに顧客が集い、ブランド体験、情報・コンテンツを消費、共有、再拡散してくれているかは理解している。そして、Starbucks、Adidasの戦略も加味してFacebookをブランドポータルとして全世界のユーザに英語でコミュニケーション、エンゲージしようとしている。ここからも学習している。

一方、パラダイムシフトを理解しない日本のグローバル企業・ブランドが、従来通りの縦割りサイロ組織から苔むしたメガフォンマーケティングをソーシャルメディア化しても、ツール主導のマーケティングを行ったとしても、パラダイムシフトを把握し、オープン、対等、双方向のコミュニケーション、エンゲージメントを行い始めた欧米企業との間に広がり、深まり、離れてゆくブランド体験ギャップは埋めようもない。

製品・サービスの購買者があれこれとつぶやき、称賛し、苦情を言いたてている今、彼らに刺さらないマーケティングをやるしかない日本企業・ブランドと、プロファイル・アップデート・ビデオコミュニケーション・つぶやき・個人検索・RSSフィード・自動タグ機能などFacebook、MySpace、Twitterが備える機能を取り込んだ企業内コラボレーションプラットフォーム、Cisco Quadのベータテストを今秋にも開始するCiscoとの差は途方もない。

社内の縦割りサイロ組織を越えるコラボレーションと、70を数える部署横断のチーム制、それこそ営業リーダーが開発チームを率いるCiscoが、そのプラットフォームをシステム化して販売しようとしている。それを導入してくる企業・ブランドが否応もなく、瓦解する縦割り組織から解き放たれてオープン、対等、双方向のコラボレーション、コミュニケーションを行い、顧客・ユーザとエンゲージする時、もし、日本のグローバル企業・ブランドが今まで通りのコミュニケーションを続けるとすると、そのブランド価値は奈落の底に転落するしか道はない。

可能性を見出すとするとそれはマインドセットを転換させ、パラダイムシフトを理解させるクラッシュコース開催だろう。あるいは、Webビジター調査を導入し、SiemensやPhilipsのように全世界40カ国、あるいは32カ国の自社Webサイトへアクセスするユーザにコンテンツを評価してもらうとともに、どんな情報・コンテンツを希望するのか、どんなフォーマット、チャネルで発信し、どういったスペースでどのようなエンゲージメント体制を敷けばいいのか聞くことだ。また、バズモニタリングを行い、何が語られ、何が共有され、何が批判されているのかを知ることだ。といって、数の話でも、グラフの話でも、限界線を越えたらアラートを発信するといった話ではない。バズのコンテンツ、影響する範囲・会話への参加者・参加度・可能性などからその価値を判断し、ブランドへの影響を想像することだ。

クラッシュコース開催、Webビジター調査、バズモニタリングなしに、通常マーケティング手法をソーシャルメディア化したところで、Cisco Quadが提供するコラボレーション、それが否応なく開くパラダイムシフトを想像できない限り、日本ブランドに将来はない。

と、考えるが、みなさんはどうでしょう?
ご意見をお待ちします。

2010/06/16

Tell Dell to honor commitments

Nestleへのアクションが成功裏に終了したと思ったら、今度の標的はDellのようだ。

下はGreenpeaceから5月末に届いたemailで、「2006年にDellは有害化学物質を製品から2009年までに除去すると宣言したにもかかわらず、2010年の6月になろうかという現在でもPVCプラスティック、臭素系難燃剤(BFRs)がまだ使われている。他メーカーはすでにクリアしているがDellはまだだ。CEOのMichael Dellに約束を守るようメールしよう」とある。
「tell CEO Michael Dell to honor his commitments」をクリックすると、Dell本社に垂れ幕をかけるGreepeaceの活動家の写真をフィーチャーし、CEOにemailを送るためのページへ飛ばされる。
その模様はTwitterでも発信されていた。
Source:Greenpeace / Toxics Action at Dell HQ Texas
Source:Twitter / Greenpeace

さて、Greenpeaceには、Cool IT Leaderboardというランキングがある。世界のトップIT企業に対してITをベースにして提供する様々な排出削減策のソリューション、IT企業自体のフットプリント、そしてCEOや企業自体によるアドボカシーなどを得点化している。

その最新版version3には世界のIT企業15社が取上げられており、日本企業はFujitsu、Panasonic、Sharp、Sony、そしてToshibaが入っている。最高得点はCiscoの62点で、36点で5位に入ったFujitsuを除き、他の日本企業の得点は低い。
Source:Greenpeace / Cool IT Leaderboard v3 (pdf)

あとはもう想像力の世界だ。

自社本社ビルに大きな横断幕を垂らされたり、5万人を越えるフォロワーを抱えるTwitterアカウントでつぶやかれたり、CEOに世界中からemailが飛んできたり、YouTubeのチャネルやFacebookのファンページを占拠されたり、BlogやForumで書込み露出が急増したり、世界各地で抗議行動を起こされたりと、いろんなことが想像できる。

そうそう、もうひとつある。最近、Greenpeaceのサイトは更新され、ソーシャルメディア対応が強化された。まるで、キャンペーンのオンライン化、ソーシャルメディア化を中心にすると宣言しているかのように。

2010/06/07

Brand Trusted?

Alterianから、「Your Brand at Risk or Ready for Growth」というレポートが出ている。

英米それぞれ1,000人、合計2,000人を調査したレポートだ。

ご多分にもれず、両国の消費者ともに、購買予定製品・サービスをまず調査、検索して比較している。
「いつも必ず比較する」のは51%、「時々比較する」のは44%。「めったにしない+やったことがない」というのは5%でしかない。
さて、購買予定製品・サービスを調査している中で、もっとも信頼する情報・助言ソースとして5つが挙げられている。
言わずもがなの「友人・家族」が40%、専門家のレビューが28%、ピアのレビューが19%。そして、企業が8%、広告などが5%でしかない。
Source:Alterian / Brand at Risk

消費者の95%が購買予定製品・サービスの調査・検索を行っており、その際、参考にするアドバイスのソースの87%を占めるのは企業・ブランド以外となっている。

これで企業・ブランドは消費者に信頼されていると胸を張ることができるのか?

消費者の信頼を再構築するためには...と、後はAlterianのセールストーク、マーケティングが展開されてゆく。

しかし、Alterianのこのレポートに文句はつけられない。まったくその通りと大きく頷くしかない。

なぜなら、企業を「いつも信頼している」のは9%、「時々信頼する」のは60%だが、「めったに信頼しない」と「絶対信頼しない」を合計すると31%にもなるからだ。
消費者・ユーザ・顧客の声を聴くのではなく、企業・ブランドの言いたいことを聴かせるだけのレガシー広告やマーケティングで信頼が回復されるだろうか?

それよりも、今、消費者・ユーザ・顧客が企業・ブランドに対して何を話し、書き込んでいるのかをモニタリングし、そして彼らの声を直接聴くことしか、信頼回復の道につながるステップはないのでは...。

2010/06/02

Social Media in College and Univ.

昨年11月、Inc.500のソーシャルメディア対応を紹介した。

参考:Social Media in Inc. 500 (Online Ad 2009/11/30)

その調査を行ったマサチューセッツ大学ダートマス校のマーケティングリサーチセンターから、今度は大学のソーシャルメディア対応レポートが出てきた。

いつも「on」している「Millennial」世代=デジタルネイティブを相手にしていかなければならない大学として、ソーシャルメディアにどれくらい慣れ親しんでいるかというとSNSが83%でダントツだ。しかし、Inc.500企業を上回っているのはこれだけで、掲示板・Forumが同率なだけで、Blog、Podcast、Wikipedia、Video、Twitterなどは下回っている。
下はInc.500の場合。
ところが、これらソーシャルメディアを利用しているかという段になると大学側がInc.500を上回る。デジタルネイティブが相手なだけに、知っているだけではどうにもならないことぐらい大学側も分かっている。一般の事業会社とは違う。
下はInc.500の場合。
ソーシャルメディアの中のBlog利用をFortune500、Inc.500などと比較すると、デジタルネイティブを相手にする高等教育機関の対応が2008年から2009年にかけて進んでいるのが見て取れる。それにしても慈善団体・グループのBlog活用は進んでいる。2008年時点で57%だ。
そして、当然ながら大学側は学生をソーシャルメディアスペースで調査している。検索エンジンやSNSで調査している率は低下傾向ではあるが、奨学金申請や論文審査などで必要なチェックをかけているようだ。
最後に、73%の大学は学校などに関するバズをモニタリングしているのが目を惹いた。
Source:UMASSD / Social Media College Admissions

言えることは大学、高等教育機関は一般事業会社よりも、学生、新入生、Millennial世代、デジタルネイティブの動きを理解し、ソーシャルメディアに進出、参加していることだ。そして、当然のことのようにバズモニタリングを行っている。

学生が参加しているソーシャルメディアスペースに参加し、そこで行う情報・コンテンツを消費、共有、再露出してもらうことがベストだと理解している。

デジタルネイティブを理解し、彼らの聖地であるソーシャルメディアスペースに進出、参加すべき企業・ブランドはなぜ、大学のステージから後れているのだろう。デジタルネイティブだけを相手にするのではなく、レガシーメディアユーザにも対応することは必要だが、これからの購買を先導するデジタルネイティブを無視するかのような対応、体制では今後が危ぶまれる。

デジタルネイティブはもう30歳になっているんですよ!!!

参考:Digital Natives and Immigrants (Online Ad 2010/04/02)