2009/02/27

LG Mobile Ad

LGが携帯電話ですべてを撮影したキャンペーンを開始したとM&Mが伝えている。

DJ Armin Van Burrenのインドネシアツアーを、LGのRenoirで撮影してニューアルバムのカバーとするもので、その様子はYouTubeに上がっている。



Source:M&M / LG launches campaign filmed on mobile phone

8メガのカメラ、ドルビーモバイル、完全タッチスクリーン機能と盛り沢山のLG Renoirが、ハイエンドのデジカメと同等性能を持ち、日常生活だけではなく、プロユースにも活用できることをアピールするのが狙いだ。

世界で初めて携帯で撮影したものをキャンペーンにも使用するという力の入れようだが、8メガと言われると、「Megapixel Myth」を思い出してしまう。5~6メガまでのデジカメとそれ以上の画素数を持つデジカメで撮影したプリントの違いを指摘できる人はいないのだが…。

参考:Megapixel Myth (Online Ad 2007/02/19)

2009/02/26

Social Media Marketing & PR

MarketingSherpaが、「2009 Social Media Marketing & PR」というベンチマークガイドを出している。

今までのコミュニケーションやPR戦略・戦術が終わってしまったわけではないが、その中身が次第に変わってきていることを実感しているマーケターが多い。「企業のコミュニケーション戦略をソーシャルメディアが変革している」ことに強く同意、同意するのは中小・大企業ともに70%を超えている。

しかし、そういった現状認識にも関わらず、まだまだソーシャルメディアを活用する企業・ブランドは数少ない。その背景はというと?


「知識を持った人員の不足」が46%で最大、そして、「管理職の抵抗」も32%もある。「ROI測定の難しさ」や「予算不足」はすべてのマーケティングおよびPR活動について回るものだ。ソーシャルメディアマーケティングに特有のものではないことからすると、まだまだソーシャルメディアの理解や認識が追い付いていないため、稟議が上に上がらないといった現状が見えてくる。

Source:MarketingSherpa / Social Media Marketing & PR Bechmark guideline


だから多くの企業・ブランドがソーシャルメディアを調査、研究している。スタッフを充実させたり、外部のマーケティング会社からアドバイスやサポートを受けたりしている。


「Using Social Media」で紹介したように

  • 今後、多くの企業は、「Web 2.0を掌中にするため調査、分析、検討」を終え、「どこの誰に露出したのかさえ分からないマスメディア広告やWeb 1.0広告とは違い、顧客・ユーザとオープンな会話やコンテンツの共有をベースとした新しい戦略」を打ち出してくる。

ことは確かだ。


日本のグローバル企業・ブランドが上のグラフで示される現状認識さえしていないとすると、

  • このままでは日本ブランドに暗黒時代がやってくる気がする。

参考:Using Social Media (Online Ad 2009/01/28)

2009/02/25

100 Most Sustainable Companies 2009

Top 100 Social Brands 2008に続いてランキングづいているが、今度は「100 Most Sustainable Companies 2009」を紹介する。

これは、Corporate Knights Incと、Innovest Strategic Value Advisorsがまとめた5回目のランキングで、先頃のDavos会議で公開されていた。

Corporate Knights Inc and Innovest Strategic Value Advisors announced its fifth annual list of the 100 most sustainable corporations in the world at the World Economic Forum in Davos. The G100 includes companies from 15 countries encompassing all sectors. They were evaluated according to how effectively they managed environmental, social and governance risks and opportunities relative to their industry peers.

このGlobal 100には、世界15カ国から100社が選出されているが、米国が20社、UKが10社、日本が15社。仏が8社、独が7社、カナダ・スウェーデンが5社と続いている。日本企業を抜き出してみると以下のとおり。

Aeon Company Limited Japan Consumer Staples
Daikin Industries Limited Japan Industrials
East Japan Railway Company Japan Industrials
Honda Motor Company Limited Japan Consumer Discretionary
Kuraray Company Limited Japan Materials
Mitsubishi Heavy Industries Limited Japan Industrials
Nippon Yusen KK Japan Industrials
NTT Data Corp. Japan Information Technology
NTT Docomo Inc Japan Telecommunication Services
Panasonic Corporation Japan Consumer Discretionary
Ricoh Company Limited Japan Information Technology
Sekisui Chemical Company Limited Japan Consumer Discretionary
Sompo Japan Insurance Japan Financials
Toppan Printing Company Limited Japan Industrials
Toyota Motor Corp. Japan Consumer Discretionary

Source:LOHAS / 100 Most Sustainable Companies 2009
Source:Environmental Leader / 100 Most Sustainable Companies 2009
Source:Global 100

下の2008年、2007年と上の2009年のリストを照らし合わせると、3年連続で選出されているのはDaikin、Kuraray、Mitsubishi Heavy、Nippon Yusen、NTT DoCoMo、Ricoh、Toppan、Toyotaの8社。3年の間に消えてしまったのは4社。

さて、このリストのオーディエンスとしてCorporate Knights Incと、Innovest Strategic Value Advisorsが考えているのは
  • 投資家
  • 従業員
  • 政府官公庁
  • 消費者
  • 市民グループ
などだが、今後、一層、重要になってくるのは消費者、市民グループに対する情報提供、共有だろう。このリスト入りを公表もせず、したとしても社の公式WebサイトにPDFファイルを上げるだけではコンテンツを消費してくれる消費者も市民グループもいない。折角の栄えあるリスト入りを活用しないのは「もったいない」。

2008年のリストでは日本企業は13社:
Daikin Industries Limited Japan Industrials
Denso Corp. Japan Consumer Discretionary
Honda Motor Company Limited Japan Consumer Discretionary
Kuraray Company Limited Japan Materials
Matsushita Electric Industrial Company Japan Consumer Discretionary
Mitsubishi Heavy Industries Limited Japan Industrials
Nippon Yusen KK Japan Industrials
NSK Limited Japan Industrials
NTT Docomo Inc Japan Telecommunication Services
Ricoh Company Limited Japan Information Technology
Sekisui Chemical Company Limited Japan Consumer Discretionary
Toppan Printing Company Limited Japan Industrials
Toyota Motor Corp. Japan Consumer Discretionary

2007年のリストでは日本企業は13社:
Benesse Corporation Japan Consumer Discretionary
Daikin Industries Limited Japan Industrials
Daiwa Securities Group Inc Japan Financials
Denso Corp. Japan Consumer Discretionary
East Japan Railway Company Japan Industrials
Kuraray Company Limited Japan Industrials
Mitsubishi Heavy Industries Limited Japan Industrials
Nippon Yusen KK Japan Industrials
Nomura Holdings Inc Japan Financials
NTT Docomo Inc Japan Telecommunication Services
Ricoh Company Limited Japan Consumer Discretionary
Toppan Printing Company Limited Japan Industrials
Toyota Motor Corp. Japan Consumer Discretionary

2009/02/24

Email Trend 2008Q3

Epsilonから2008年Q3のEmailトレンドレポートが出ている。

これはQ3に200社以上から送信された62億通のEmailを調査したものだ。
  • 配達率はQ2よりも若干上がって93.6%だが、前年レベルを下回っている。
  • 開封率はこれも前年より若干下回った19.8%
  • CTRはQ2と同じ5.9%(ただし0.05%アップ)だが、前年比8.2%ダウン、一昨年比18.2%ダウンと回復の兆しが見えない
業界別に配達率、開封率、CTRを見ると
  • ビジネス出版
  • 消費者向け出版
  • 小売全般
  • 旅行・宿泊サービス
がすべてで前期を上回った結果を残している。
Source:Epsilon / Q3 2008 Email Trend Results (pdf)

マーケティング予算を削減することが至上命題となりつつある中で、Emailは最も低コストのマーケティング手段として認識されている。

ところが問題はリストだ。自社リストなのか、レンタルリストなのかで大きく結果が分かれる。ISPはますますEmailフィルタリングを強化しているため、レンタルリストでは配達率も、開封率も、そしてCTRも低下することになる。予算削減でレンタルリストに手を出した結果、それぞれの結果が悪化しているように見える。

しかし、最低のCTRでも2.0%、最大で11.0%という数字を見せられればレンタルリストに手が伸びてしまうのも分かる気がする。だが、コスト増加とリストからの削除依頼に見舞われたり、ブランドイメージを損ねる危険性もある。

自社リストの増強を今こそ決断するべき時だが、それも予算削減のあおりで先送りされるのだろうか?

2009/02/23

Google Healthy?

2月10日に「Google Search Diped」というエントリで、「どんな結果になろうとも、次に出るcomScoreの新しい検索実績データが待ち遠しい」と書いた。

参考:Google Search Diped (Online Ad 2009/02/10)

待ちに待ったcomScoreの最新データ、2009年1月の検索シェアや検索回数が出た。
それを見ると
  • 検索シェア 
    Google 63%(前月比0.5%ダウン)、0.2%ダウンだったAskを除く他の検索エンジンはすべて前月比シェア増加
  • 5大検索エンジンの検索回数
    全体で前月比7%増だがGoogleは6%増、2%増のAskを除く他の検索エンジンはすべて7%増以上
  • 関連サイトを加えた検索回数
    全体で7%増だが、Google全体では5%、本体で前月比6%増、YouTubeなどの関連は3%増。Yahooは関連が4%減だが本体は10%増。MSは全体、本体、関連ともに9%増。
Source:comScore / January 2009 U.S. Search Engine Rankings

で、この結果をもとにTechCrunchは、「Google saw healthy growth in the number of search queries on its core U.S. search engine in January」と書き出している。

Source:TechCrunch / Google Shows Healthy January Growth In U.S. Search Volume

しかし、検索シェアが落ち、5大検索エンジン内での検索回数伸びが平均を下回り、関連サイトを合わせた検索回数の伸びでも平均を下回っている現状で、どう見ても「健康的」とか、「順調に」といったタイトルをつけるのは憚れる。

ちょっと前までは他の検索エンジンなどどこ吹く風といった体だったが、ここら辺がGoogleにとっての天井なのではないだろうか?

2009/02/20

Audi Boost Marketing in US

独在住の読者から「Audiが米市場向け広告費を20%増額する」という情報をいただいたので、ちょっと調べてみた。

すでに1月19日付のAd Weekに「Audi Accelerates Media Spend」という記事で報道されていたようだ。詳細は以下へ。

Source:Ad Week / Audi Accelerates Media Spend

昨年のSuper Bowlに60秒スポットを出し、その後のメディアimpressionは6億に達し、AudiUSA.comはSuper Bowl前後の2か月間に200%のimpressionアップになった。YouTubeにアップしていたビデオは100万回も視聴されたようだ。

今年のSuper Bowlは、BenzやBMWを引き合いに出しながらのカーチェースものでUSA Todayのランキングでは12位に入っている。
Source:USA Today / Super Bowl Ads 2009

AdWeekによれば、Audiの2007年の予算は3,500万㌦、2008年は9,000万㌦、そして20%増なら今年は1億800万㌦ということになる。 積極果敢なマーケティングが吉と出るか、それとも凶と出るのか、注目してみたい。

2009/02/19

Old catching Up

PEWが、「Generations Online in 2009」というデータを公表している。

ゲーム、ビデオ視聴、IM利用、SNS利用、音楽ダウンロード、Blog利用などでGen Y (18-32歳)が当然、他の世代を押しのけて最もインターネットの各種サービス・ツールを利用している。

しかし、Gen X (45-54歳)、Older Boomer (55-63歳)、Silent Generations (64-72歳)といった中高年も負けてはいない。
pew_study
Source:PEW / Generations Online in 2009 (pdf)
Source:NewTeeVee / Pew: Sure, Young Use Web Vid, But Olds Catching Up

中高年世代は、「健康関連情報入手」、「オンライン購入」、「銀行口座管理」、「行政Webアクセス」、「宗教関連情報入手」、「検索エンジン利用」、「ニュース入手」、「求職」、「旅行予約」、「オークション参加」といった分野で若い世代を上回る利用を見せている。

Gen Yが作った道をGen X以降の世代が歩き始めている。今こそ、アーリーアダプターだけではなく、アーリーマジョリティを対象としたオンラインマーケティングが活用されるべき時なのだが…?

2009/02/18

Top 100 Social Brands 2008

SNS、Blog、Twitter、写真・ビデオ共有サイトなどソーシャルメディアスペースでの会話をモニターしているVitrueが、2008年のブランドランキングを発表している。

当然ながら、iPhone、CNN、Appleなど米ブランドが上位を占めているが、日本のブランドはどうかというと、Sony、Nintendo、(PlayStation)、Honda、Sharp、Toyota、Suzuki、Nissan、Sega、Subaruの9社というか10ブランドがランクインしている。

よく知られている日本ブランド中で、ランクインしていないブランドがいくつかある。それ以外にも日本に進出しているがランクインしていない海外ブランドもある。

ランクインしていようが、ランクインしていなかろうが、気にも止めないブランドがあるし、別にWeb 2.0スペースで語られることがどんな意味を持つのかも把握せず、それを活かして行こうとする意志もないブランドもいるだろう。

そんなブランドには意味のないランキングだが、それ以外のブランドには意味がある。

The Vitrue 100 of 2008
  1. iPhone
  2. CNN
  3. Apple
  4. Disney
  5. Xbox
  6. Starbucks
  7. iPod
  8. MTV
  9. Sony
  10. Dell
  11. Microsoft
  12. Ford
  13. Nintendo
  14. Target
  15. PlayStation
  16. Mac
  17. Turner
  18. Hewlett-Packard
  19. Fox News
  20. BlackBerry
  21. ABC
  22. Coke
  23. LG
  24. Best Buy
  25. Honda
  26. eBay
  27. Sharp
  28. Lincoln
  29. NBA
  30. Pepsi
  31. General Motors
  32. McDonald’s
  33. General Electric
  34. Walmart
  35. NFL
  36. Mercedes
  37. BMW
  38. Samsung
  39. Nike
  40. Subway
  41. Dodge
  42. Pandora
  43. CBS
  44. Mercury
  45. NBC
  46. Disneyland
  47. last.fm
  48. Toyota
  49. Cadillac
  50. Chevy
  51. Jeep
  52. Netflix
  53. Nascar
  54. Suzuki
  55. Red Bull
  56. Wendy’s
  57. Burger King
  58. Volkswagen
  59. REI
  60. Nissan
  61. T-Mobile
  62. Verizon
  63. Macy’s
  64. AT&T
  65. Guess
  66. Victoria’s Secret
  67. Walt Disney World
  68. Audi
  69. TBS
  70. Cartoon Network
  71. IKEA
  72. SEGA
  73. Kia
  74. Porsche
  75. Fox
  76. Intel
  77. IBM
  78. VH1
  79. MLB
  80. Cisco
  81. Oracle
  82. Saturn
  83. Sprite
  84. Subaru
  85. Adidas
  86. BP
  87. AMC
  88. Chili’s
  89. The Gap
  90. Capital One
  91. Hyatt
  92. Costco
  93. KFC
  94. Adult Swim
  95. Jet Blue
  96. Taco Bell
  97. Converse
  98. Sirius
  99. Puma
  100. Sears
Source:Vitrue / Top Social Brands of 2008

2009/02/17

White House Web 2.0

Obamaさんが大統領になってからWhite HouseのWebサイトでは、スライドショーもできたし、Blogもあるし、ライブBlogもやっている。YouTubeにはチャネルがあり、16本のビデオが上がっている。すでにSubscriberは23,000人を超えている。また、記者会見でHuffingtonPostに質問の機会を与えてもいる。
Source:White House / Blog
Source:Micropersuasion / The White House is Livebloging

ひょっとしたら、White Houseはバーチャルワールドにも進出するかもしれない(?)。

といった海の向こうの話は、海の向こうの企業には参考になるはずだ。しかし、こちら側の企業には何の参考にもならない。

国民が今、集うスペースでコンテンツを消費してもらおうとしているWhite Houseと、米国なり、海外諸国の消費者が集うスペースに参加し、コンテンツを消費、共有してもらわなければならない企業・ブランドとは同じ船に乗っているはずなのだが…。

2009/02/16

Rich Media CTR

ついこの間、comScoreの資料にあった「平均CTRは0.1%以下」という数字を紹介したが、2006年時点で、Rich Mediaは1.12%のCTRだった。

参考:CTR 2008 (Online Ad 2008/12/08)

ところが、DoubleClickから出ている資料には、「Rich Mediaの平均CTRは0.1%」とある。データは2008年7月時点なので、2年ほどで十分の一にまで落ち込んでしまったようだ。

それをIn-page video、In-page non-videoなどパターンごとにCTRをまとめているのが下のグラフだ。In-page Videoが0.12%、In-page non-videoが0.09%だ。
また、業界別のCTRベンチマーク値がある。メディア&エンタメが0.17%、ファイナンシャルサービスが0.06%となっている。
comScoreのデータによれば、2002年で0.41%、2006年で0.2%だったわけだが、CTR低下が止まらないようだ。
そこで、DoubleClickは、「Interaction Rate」という新しい物差しを持ち出してきている。
Interaction Rates = Interactions + Rich Media Impressions
ということで、Interactionsとは、
  • Exitリンクをクリック
  • 広告を全画面表示にする
  • 継続して1秒、マウスを広告上に置く
のうち、ひとつ、あるいはそれ以上の行為をさし、Rich Media Impressionsとは、「広告が露出された回数をいう」そうだ。

とにかく、「CTRだけじゃないんだよ」、「Rich Media広告を露出した結果、何らかの行為が行われているから、広告効果として認めましょう」ということだ。

Source:DoubleClick / Creative Insights on Rich Media (要登録)

でも結局、どこまで行っても「広告」は「広告」のわけで、それ以下でも、それ以上でもない。オンライン広告であろうと同じだ。今までのレガシーメディアを使った広告手法と同じ手法をオンラインで取る限り、同じ結果が待ち受けているだけだ。

特にWeb 2.0時代になってから、ブランド、コンテンツをコントロールしているのはブランドや出版メディアではない。ソーシャルメディアを使ったユーザがコントロールしている。この差異を理解しない限り、丸くなった猫が前にいるしかないTVに流されるCFと同じように、ページトップにバナーを出しても視線が行かず、Folds下にスポンサーボタンを付けてもスクロールダウンさえしてももらえない。一方的に広告を露出しても効果はない。

参考:Critical Ad Placement : Above or Below Folds (Online Ad 2008/04/30)
参考:Critical Ad placement -2 (Online Ad 2008/07/25)

2009/02/13

GE New Ad Campaign

GEがSuper Bowlに合わせて「Now」という新しいキャンペーンを開始した。

TV、プリント、そしてオンラインを統合したキャンペーンでは、「多くの企業は10年から20年先のことを話すが、今、もっとも厳しい環境問題に対するソリューションを提供するGE」を打ち出すと、グローバルな広告とブランディングの担当役員、Judy Huが語っている。(下をクリックでサイトへ)
USA TodayのSuper Bowl Ad Meterで、「Now」のTVCF「Scarecrow」は28番目だ。少し前からやっている「Boy harnesses power of the wind」は22番目だから、平均点しか取れなかったようだ。(下をクリックでサイトへ)
Source:BtoB Online / GE debuts new ad campaign
Source:USA Today / Super Bowl Ads 2009
Source:GE Ecomagination site

2005年4月から9月までの第一段階は、オンラインだけを使った実験的なキャンペーンを実施。2007年1月からはオンラインに加え、TV・プリントも動員してGEのCSRマーケティングが実施されてきた。金融危機以降、企業の投資意欲が先細る状況下で、2009年はコスト削減、CO2削減効果などにスポットを当てるようだ。

GEの場合、CSRというよりは非常にしっかりとしたマーケティング戦略が見えてくる。5ヵ月のトライアル、収集データの分析に時間をかけ、グローバル戦略に組み入れてから以降のぶれないマーケティングというこれまでの道程は、どの企業にとっても参考になる(はずだ)。が、どこを見渡しても、二番煎じのケースが出てきていない。

2009/02/12

Airline Branding

どこの航空会社も原油価格高騰、世界同時不況などで客足が減少し、頭を抱えている。EasyJetのCEOは、2009年50社近い航空会社が倒産すると予想している。

Airline 2.0燃油サーチャージ代金、枕やヘッドホーンの有料化、果ては搭乗マイルの交換中止までやった挙句、航空会社のブランド価値は下がり続けているし、まだまだ底が見えていない状況だ。

従来からのマーケティング手法では、ターゲット化された(潜在)顧客の注意を、たとえばTVCF、雑誌・新聞などの広告で喚起しようとする。だが、現在の情報洪水の中で広告予算をじゃぶじゃぶと注ぎ込む無駄ができる会社はどこにもいない。また、既成マスメディアの発信情報量よりも、ソーシャルメディアの情報量が数倍も多く、より深く顧客、ユーザに浸透している。

それではWeb 2.0スペースに広告を出せば済むかというと問題はそう簡単ではない。Blogの広告は25%、SNSの広告は19%しか信用されていないという結果がBuzzLogicから出ている。

Source:NYTimes.com / Blogs Find Favor as Buying Guides

「じゃあ何をすべきか?」というと、それは顧客のスペースに参加することだ。顧客スペースで「顔」のある企業として参加し、ブランド再生を共に考えてもらうことだ。顧客スペースに突然、広告メッセージを露出して顧客の邪魔をすることではなく、参加した顧客と共にブランド再生を協働してもらい、コンテンツを検討することだ。

Source:BrandChannel / Airlines 2.0 : Online Technologies Take Off in a Recession

ということでBrandChannelに寄稿したShashank Nigamは、いくつか例を引いている。
  • Virgin Atlantic  Facebookファン 1万人以上
  • AirFrance-KLM Bluenityラウンジ(SNS)開設
  • Lufthansa     GenFlyラウンジ(学生旅行客限定)
  • Malaysia Airlines Malaysian HospitalityというBlog開設
そして、元JetBlueのCEO、David Neelemanが設立したブラジルの航空会社、Azul Airlinesのケースを紹介している。
  • 航空会社名をオンラインで募集
  • ロゴデザインをオンラインで募集
  • キャビンアテンダントの制服をオンラインで募集
共に創造する、たとえば供創、あるいは協創とでも呼べそうなWeb 2.0スペースでの作業を、既存大手航空会社は検討もしないのだろうか?

Delta AirlinesのSVP、Tim Mapesは、機内での騒動が元で出発が遅延した際、その一部始終を携帯で動画に撮り、リアルタイムでYouTubeにアップロードした乗客の話を紹介している。「この乗客は、その時点でDelta Airlines本社の誰よりも、ブランド体験をコミュニケートするパワーを持っていた」のだ。

こんな(潜在)顧客が数千、数万、数十万、いや数千万といるのだが...?

2009/02/10

Google Search Diped

comScoreが昨年12月19日に出した「November 2008 U.S. Search Engine Rankings」というデータがある。

Googleとしてひとまとめにするのではなく、YouTubeの検索実績も合わせて発表したものだ。それによるとYouTube単体で約28億回、Yahoo!単体で約25億回となり、YouTube単体でもGoogleに次ぐ2番目の位置を占めている。
ところが、Google単体では約80億回、前月の約82億回から2%のダウンとなっている。YouTube内での検索が順調に伸びていればいいのかもしれないが、米インターネットユーザが今後も急増するわけはなく、一人あたりの検索回数が伸びない限り、Googleの天下も陰りがさしてくることになるのでは…?

なお、Google単体での12月の検索実績は約82億回と前月比3%アップさせている。ただし、これは年末特需の影響だ。Yahoo!やMSでもアップしている中で、AmazonやeBayの伸びと比べればちょっと見劣りする伸びだ。
Source:comScore / November 2008 US Search Enging Rankings
Source:comScore / December 2008 US Search Enging Rankings

どんな結果になろうとも、次に出るcomScoreの新しい検索実績データが待ち遠しい。

2009/02/09

Targeting or Lead Nurturing

HubSpotが、TechCrunchとMarketingProfsからのReferrals数、コンバージョン率の比較をやっている。

TechCrunchと言えば、「泣く子も黙る」ほどではないが、IT・ハイテク分野でトップのBlogサイトだ。そのTechCrunchは、本Blogでも取り上げたWebsite Grader、Twitter Statsなど合計4回もHubSpotのツール・サービス、資金調達を取り上げている。

下のグラフ(TechCrunchからのReferrals)で明らかなように過去1年間で4回飛びぬけたトラフィックがTechCrunchからきている。











やはり、大手Blogサイトで取り上げられると影響が大きい。

しかし、HubSpotというインバウンドマーケティング手法を奉じるコンサルティング+ソフトウェアプロバイダからすると、合計1,719ビジターのうち、110件が引合となり、13件が案件化したけれど、最終的に顧客契約を結んだのたった2社だった。











当然、Hub Spotが提供するようなSMB向けのマーケティングソフトウェアや、インバウンドマーケティングのコンサルティングを求める顧客は、TechCrunchにはあまりアクセスしていない。

だからHubSpotは、PRターゲットをよく見定めるべきだとして、MarketingProfsの例を出している。HubSpotからすればMarketingProfsへアクセスするユーザは、大企業もいるだろうが、中心はSMBのマーケターだ。彼らのコンサルティングおよびツールを購入してくれる絶好のターゲットになっている。

そのMarketingProfsへHubSpotはバナー広告も出しているが、下のグラフはリンク、引用など非広告からのReferralsトラフィックだ。少なければ7件、多くても月に126件のトラフィックしか来ていない。











ところが、1年間632ビジターのうち、193件が引合となり、11件が案件化し、最終契約に至ったのは6社だった。











これをTechCrunchと比べてみると一目瞭然だ。

Tech
Crunch
Marketing
Profs
ビジターから引合化率
6% 31%
引合から案件化率
12% 6%
案件から最終契約率
15% 55%

Source:HubSpot / Stop Begging TechCrunch to Write About You.

この書き込みに対するコメントにもあるように、HubSpotはTechCrunch経由の顧客の生涯価値や、TechCrunch記事から派生した中小Blogの書き込み、リンクによる引合、案件、契約は見ていない。また、TechCrunchユーザの社内影響力によるオフラインからの案件なども見ていない。

単純にリフェラル数とコンバージョン率を見ているだけだ。単純、明快に、「顧客に最適なターゲティング」をしろという話にしている。だが、奥はもっと深いからなかなか簡単に比較し、片方に落とし込むのは難しい。

だからこのHubSpotの記事を単純に「顧客に最適なターゲティング」をしろという話として読むよりも、「Lead Nurturing」の教訓として読むのが正しい。

TechCrunchから13件の引き合いで2件の成約、MarketingProfsからは11件の引き合いで6件の成約ということは、より要求仕様やスケジュール、予算など購買スキームが確立していると思われるMarketingProfsから生成された引き合いよりも、TechCrunchからの引き合いには、教育、評価、クロージングという「引き合いの醸成」が必要だということだ。

また、フォローアップされた引き合いの中で56%は24か月以内に購買していることからも、いかに「Lead Nurturing」が重要かがわかる。
参考:B2B Lead Nurturing (Online Ad 2008/08/05)

2009/02/06

Cisco Goes Green

Cisco Energy Taxで紹介したように、Cisco製品のエネルギー消費を槍玉に挙げてNortelが攻勢をかけている。グリーンとTCOを掛け合わせた比較マーケティングは、Interopから開始され、プリント・オンラインへと展開され、秋口からはTVCFも始まっていた。

参考:Cisco Energy Tax (Online Ad 2008/09/16)

やられっぱなしのCiscoがようやく対抗策を打ち出してきた。先週、発表したCisco EnergyWiseがそれだ。Nortelのようにスイッチ単独でのエネルギー消費や二酸化炭素排出量比較ではなく、IP電話、PC、アクセスポイントなどのすべてのIP製品のエネルギー消費を計測、報告、削減するソリューションだ。

EnergyWiseは、来年にかけて3段階で展開してゆくようだ。まず第一ステップは、IP電話などのようにイーサネットで電力供給を受けているデバイスのデータ収集だ。次に夏にはPCなどのモニタリングから電源オンオフのコントロール、三番目のステップは来年で、ビルの電力、暖房、照明などすべての自動管理まで行うことになる。

Source:CNN Money / Cisco goes - what else? - green
Source:Cisco / Press Release

8,000万個のIP電話とそのアクセスポイントのうち50%を一日12時間、就業時間以外にオフにすると72,431世帯の電力消費に相当し、100㌧分の石炭にあたるそうだ。また、100支店を持つ銀行がすべてのIP電話を就業時間以外停止すれば、年間4万㌦のコスト削減になるそうだ。

ただし、CiscoのCalculatorでは、GhG(Greenhouse Gas)の削減量は出るらしいが、機器そのもののGhGが表示され、他社機器との比較ができるかどうかはわからない。300人のエンジニアを投下して3年半かけた結果としては少し物足りない。

そのため、大掛かりなマーケティングは期待できそうにない。まだ、Nortelのキャンペーン効果は続きそうだ。

2009/02/05

Starbucks Pledge 5 hours

「社会奉仕、ボランティア活動にあなたの5時間を提供しませんか」と呼びかけるサイトがある。
(下をクリックでサイトへ)
これはStarbucks Shared Planetで詳しく説明されているが、「10年以上にわたりCI (Conservation International) と連携し、おいしいコーヒーを作り続けてきたなかで、我々はコーヒー農家、その家族やコミュニティによりよい生活を与え、健康な地球を創造してきた」そうだ。

そして下の3つを大きくクローズアップしている。
  • 高品質だけではなく、環境やコミュニティに十分配慮したコーヒー栽培と輸入
  • 環境への負荷の少ないビジネス
  • コミュニティへの投資
このコミュニティへの投資の一環として、隣人および環境活動などに手を貸す運動として上のサイトが構築されたようだ。地域コミュニティに対して年間100万時間の奉仕活動を提供するコミットメントを明らかにしてサイトを立ち上げている。

Starbucksの呼びかけに賛同して5時間の奉仕活動を誓約したユーザが「I'm In」をクリックすると、合計時間が5時間ずつ加算されてゆく。1月29日で126万時間だったが、今日はどれくらいまで延びているのだろうか。誓約したユーザが自分のBlogなどに貼り付けるバッジもある。誓約したユーザが住んでいる地域の近くでボランティア活動のチャンスを、HandsOnのネットワークを使って調べることもできるようになっている。

Source:Starbucks Pleadge5

社会貢献は、フィランソロフィー、メセナ、慈善などの側面もあるし、CSRの中にも含まれてくる。従来は、企業単独で「わが社はこんなに地域社会や環境に貢献しています」といったPRが主流だったけれど、様々な非営利団体と提携したケースが多くなってきている。その中でも、一般消費者・顧客の参加を呼びかけるStarbucksの動きはWeb 2.0的だ。

企業単独の社会貢献活動では限りがある。しかし、一般消費者に社会貢献の意義を自覚してもらい、参加してもらえれば、BlogやSNSの力も借りて運動を限りなく拡大してゆくこともできそうだ。企業の自己満足だけではなく、消費者の満足も充足する新しい「Cause Marketing」だ。

2009/02/04

SNS Overtakes Porn Sites

Hitwiseから、ポルノ系サイトとSNSサイトへのトラフィックを比較したデータが出ている。

それによると昨年10月に、UKポルノ系サイトへのトラフィックをSNSサイトへのトラフィックが逆転している。
Social_networks_overtake_porn_adult_websites_2008_2009_chart.png
米国ではいち早く、2007年半ばにSNSサイトへのトラフィックがポルノ系サイトを上回ったそうだ。しかし、その後、2つのカテゴリは追いつ追われつの関係らしい。

Source:Hitwise / Social Networks overtake adult websites

Alexaで英国のWebサイトランキング100までを見ると、21位にPornhub、28位にRedTube、34位にYouporn、74位にTube8、78位にXhamaster、88位にXvideosといったポルノ系サイトが顔を見せている。SNS系では、Facebookが2位、Beboが11位、MySpaceが12位、Orkutが66位、Hi5が84位、LinkedInが86位となっている。

どちらのカテゴリサイトも100位内に6サイトずつ顔を出している。

洋の東西を問わず、どこの国でもポルノ系は強いから、英国のポルノ系サイトの巻き返しというか、SNSに飽きたユーザがポルノ系サイトへ戻ることもあるだろう。しかし、再逆転することはない(はずだ)。

2009/02/03

History of the Internet

8分強とちょっと長いけれど、1957年からのインターネットの歴史をしっかりと教えてくれるビデオがある。

2009年の今年、我々は海外の友人とEmailを交換し、インターネット経由で電話、Chatをしている。支払いもバーチャルバンキングを使っている。こんな当然だと思っていることが50年とちょっと前には誰も考えてもいなかった。考えもつかなかった。



Source:YouTube / History of the Internet

50年とちょっと前に、今のメディアシーンを予測できた人間はいないはずだ。通信が日常生活のメディアと化した現在、既成メディアの凋落を止めることはできない。そして、何でも携帯でできてしまうと思っている子供達が成人に達したとき、今の、既成メディアはまだあるのだろうか?

2009/02/02

Paradigm Shift

eMarketerから、「Digital Marketing Now : Seven Strategies for Surviving the Downturn」というホワイトペーパーが昨年出ている。いろいろなデータや各界のコメントをまとめて、金融危機に端を発した景気悪化に際して、対応が必要とされるマーケターのために7つの戦略を提案している。

その資料の中からデータやコメントを抽出し、並び替え、「既成メディアからデジタルメディアへのシフト加速」、「ソーシャルメディアの隆盛」、「日本企業はパラダイムシフト認識の遅れ」、「欧米各社とのWeb 2.0露出ギャップ拡大」、「Web 2.0マーケティング状況把握必須」などをあげて「Paradigm Shift」という資料をまとめてみた。
Paradigm Shift
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Source:eMarketer / Digital Marketing Now : Seven Strategies for Surviving the Downturn (要登録)

ソーシャルメディアマーケティングを活用したHPに関しては、下の参考でも紹介したが、こちらもスライドにしたので、どうぞ。

参考:HP - Social Media Marketing (Online Ad 2008/12/01)