2006/08/31

Cocal-Cola music to tap social networking trend

2004年にMycokemusic.comを立ち上げ、FMCG (Fast Moving Consumer Goods)ブランドとして初めて 音楽配信サービスを開始していたCoca-Colaは、6月にAppleと提携して新しいCokeブランドの音楽サイト (www.music.coca-cola.com) を開始した。現在のところ、新サービスはiTunesから音楽のダウンロードや、Podcasting、素人音楽のアップロードが行われている。しかし、このサービスは関係者によるとインタラクティブなコミュニティ機能を持つまでに拡張されるようだ。
同社は、「コークのある生活(Coke side of life)」というマーケティングプラットフォームと結びつけ、「消費者の創造プロセスに、より主体的な役割を与える」ため、今月はじめにグローバルサイトを再構築している。

Source:Brand Republic

Nielsen//NetRatingsによれば、7月の最もユニークオーディエンスが伸びたWebブランドTop10のうち5つはUGC (User-Generated Content) が占めている。このUGCにはImageShack、Heavy.com、Flickr、MySpace、Wikipediaがあり、MySpaceは05年7月の1,624万から06年7月の4,602万まで183%のUpを記録している。
SNSは既存メディアコンテンツを凌駕し、新しいメディアコンテンツとして確立されつつある。

Source:Nielsen//NetRatings (pdf)

自身が管理するメディアを活用し、新しい顧客、すなわち自らコンテンツを提供し、共有し、配信していくSNSユーザグループを取り込もうとする戦略が、新旧メディア企業以外でも成功するのだろうか。今後、最も注目すべきマーケティング戦略のひとつだ。

2006/08/30

The net benefit of digital publishing

Deloitte & Touche LLPとUKのAOP (Association of Online Publishers) が、売り上げ£3,000万から£10億規模の出版社30社に対して、デジタル化戦略を調査したレポートがある。

変化する読者の要求にこたえるため、新規読者獲得、新しいビジネスモデル獲得などの戦略目的があげられている。30社の中でもデジタル化に成功しつつある出版社もあれば、まだまだおよび腰のところもあるようだが、2012年までには売り上げの40%にまでデジタル部門が伸びると予想する出版社もある。

そんな30社が目標とする、羨ましいとするデジタルビジネスとして10社が上げられている。
当然のようにBBCがトップに上げられているが、New York Times、Amazon、eBay、Google、WSJ、あるいは英国の他の高級紙サイトを押しのけてGuardianが2位を占めている。居並ぶビッグネームを差し置いてGuardianがランクインしている理由がこのレポートにはない。

しかし、デジタル化の取り組みが早く、独自のRSSリーダー提供、Webサイトの記事をPDF提供、Web first service (ニュースの第一報を新聞ではなく、Webへ)など、矢継ぎ早に新サービスを提供するGuardianの戦略が高く評価されているのは間違いない。特に2005年でデジタル部門が黒字化するという同社の実績がものを言っている。

Source:AOP(pdf)

2006/08/29

Lingua Franca & Internet/Online Marketing

British Councilの新しい資料「English Next」によれば、今後の英語教育はEFL(Learning English as Foreign Language)から、CLIL (Content and Language Integrated Learning)、そしてELF (English as a Lingua Franca) からGlobal Englishへシフトしていくと予測している。CLILはヨーロッパや他の地域で見られるようにコンテンツ、例えば小学校の社会や理科を、英語で教える動きを指す。ELFはNon-native English Speaker (Fluent Bilingual Speaker) が中心となる非英語圏での英語教育、そしてGlobal Englishとは、理想的には6歳から英語教育を開始し、14歳でC1 (CAE/IELTS 6.5 = 高等教育に必要とされる英語レベル) に到達させるカリキュラムを指す。

「English Next」によれば2010年にはすべての世代を通じて20億人が英語を学ぶと推測されている。その後、小学校で英語を学んだ子供たちが中学や高校へ進学するとともに英語学習者は減少し、2050年以降、若者や特別なサポートが必要とされる人々に学習者が限定されるステージに到達するとしている。

さて、2005年、中国では1億7670万人が英語を学び、また1億3700万人の小学生が誕生している。インドでも同程度の小学生がいると見られる。この子供たちが今後、学校で英語を学ぶことになり、学校でも、家庭でもインターネットを普通に使うようになる。

2005年末に10億人に達したインターネットユーザのうち、3億人強が英語ユーザである。2000年で51.3%を占めていた英語コンテンツは2005年に32%にまで落ちている。(右図)
今後、中国やインドのユーザが増加することは明らかだから当然、インターネットで使われる言語としての英語の比率は下がると予想されている。

しかし、Alexaの国別トップサイトを見ていくと、非英語圏の国々のTop100サイトにYahoo、Google、eBayやMS系サイトは勿論のこと、MySpace、Youtube、BloggerといったSNS系サイト、CNNやNYTimesといったニュースサイトがランクインしていることに気づく。
これはグローバルメディアであるインターネットは真にボーダレスなメディアであり、世界中のインターネットユーザは最新のイベント、ビデオ、音楽、ニュースなどを提供する米国Webサイトへアクセスしていることを意味している。また、CLILやELF、そしてGlobal Englishが各国で本格的に導入されることによるバイリンガルユーザの誕生と増加、そしてグローバル化による情報ソースの広域化も意味する。

もちろん、今後とも英語Webコンテンツの比率は減少するだろうが、バイリンガルとして英語を使うインターネットユーザは増え、英語トップのWebサイトへの世界からのアクセスは増加するだろう。

これを突き詰めていくと、IBMやHPといった米国企業は世界からアクセスを獲得する米国Webサイトへの広告出稿により、自国の英語Webサイトへアクセスを誘導し、世界のユーザに対してブランディングができる。しかし、非英語圏の企業は、米国にある子会社の英語Webサイトから世界のステークホルダーに対してブランディングをするか、あるいは本社Webサイトを英語化してグローバルブランディングを行うことになる。

さて、細分化された事業領域ごとに米国子会社を設立している日本企業の場合、本社Webサイトのコンテンツに匹敵する質と量を持たせ、そこまでの権限と責任を米国子会社に負わせている例はない。日本企業の本社グローバルWebサイトを見るとよくわかる。日本語の直訳的な英語コンテンツがあるだけで、自身が管理する初めてのメディアをグローバルブランディングに活用しようとする姿勢は見えない。

世界共通語となる英語、英語のトップWebサイトへアクセスする世界中のステークホルダー(ユーザ・消費者、ビジネスパートナー、自治体・コミュニティ、株主、金融機関)、そしてオンラインマーケティングに関して積極的な欧米企業。今後、日本でグローバルブランディングを開始する最初の企業はどこになるのだろう?そんな企業があるのだろうか?

Source:English Next

15.3 Million vs. 7.3 Million Unique Visitors

http://www.forbes.com/adinfo/international.html

上のリンクには、Forbes.comの「Reach The World's Business Leaders at Forbes.com」というページがある。(8月29日午前8時の時点)
全世界で1,500万人のユニークビジターがいるというcomScore MediaMetrixの今年2月のデータを元にした地域ごとのブレークダウンを示している。

しかし、comSocre自体によると数ヶ月前からグローバルオーディエンス推測方法を変更したため、7月のForbes.comのユニークビジターは730万人となっている。(Nielsen//NetRatingsによれば660万人。Forbes自体の内部データによれば1,500万)
また、Nielsen//NetRatingsもEntreprneur.comの4月のデータを760万から200万に変更したと発表している。これはユーザが許可しないPop-upページをカウントから除外したためだ。

Source:NYTimes.com

以前からオンラインサイト側データと、NNRといった第三者機関のデータが乖離していることは指摘されていた。しかし、今回のようにサイト側データが第三者機関のそれを倍以上も上回るのは非常に問題だ。特に、今になってもWebデータを変更しないサイトがあるということは、広告主にとってどのデータを信頼すべきなのか、どのデータが信頼できるのかというメディアの存在自体にも関わってくることになる。

ところが、すでに英国のABC Electronicでは最も早くて1997年の1月からの公査データを公表している。8月29日時点で過去1年間にオーディットを受けたのは180弱のサイトに上っている。

オンラインメディアが今後、大きな比重を占めていくことは間違いないが、つい2年ほど前の米ローカル新聞の発行部数詐欺事件のようなことが起こらぬように、全ステークホルダーがオンラインメディアの健全な育成を目指していかなければならない。

2006/08/23

Coca-Cola hit by College Votes for Ethical Boycott

とうとう米国の大学でのCoca-Colaボイコットが英国の大学にも波及してきた。
サセックス大学、イーストアングリア大学、ロンドン大学、オックスフォード大学などもボイコットに賛同してきた。

Source:Brand Repulic

話は2003年まで遡る。コロンビアのCoca-Cola社で働く労働組合員8人が殺害され、2人が国外追放、48人が強制解雇、67人が脅迫され、15人がテロリスト名目などで逮捕された事件があった。昨年、Coca-Cola社に対して、12月8日までにコロンビアでの労働組合員殺害、およびインドでの資源枯渇問題に対する第三者調査機関の設置を求めていたニューヨーク大学がCoca-Cola社の対応を不満として9日から、キャンパス内の自販機からCoca-Cola社製品を排除したのが発端だ。

Source:BuyBlue.org
Source:Business Week

Coca-Colaが会社として殺人事件に関与しているとは思わないが、人権擁護、労働条件向上、自然保護といった点で適正な対応を欠くとき、ブランドは大きなダメージを被る。CSRが叫ばれて久しいが、これをブランド戦略に据えている企業はどれほどいるのだろうか?
環境に配慮した調達は日本企業にも浸透してきているが、GC (グローバルコンパクト) に調印した企業の中で人権、労働にも配慮したSCMや製品調達指標を持ち、それをブランド戦略の一環として大きく打ち出しているところはあるのだろうか?

2006/08/22

Google Search Growth Streak Ends in July

今年7月の検索エンジンシェアで、Googleは43.7%(前年同月比7.2ポイント増)となり、前月比1%ダウンして11ヶ月連続のシェア増加がとうとう途切れた。
ただし、Yahoo!、MSN、Time Warnerにしても前年同月比では大きくシェアを減らしており、当分、Googleの天下は続くだろう。

Source:comScore Release July U.S. Search Engine Rankings

Google sees a mobile future in Asia

中国のIMアカウントのレポートにタイムリーな形で、Guardian Unlimitedからアジアの携帯市場を狙うGoogleの記事が出た。
全世界に展開するVodafoneが1.86億ユーザに対して、China Mobileだけで2億の携帯ユーザ。中国全体では4.4億台近くの携帯が普及している。これにインドの1億台(月に500万台増加)を加えると楽にUSとヨーロッパの合計を上回る数の携帯電話があることになる。
モバイルサーチはまだまだ揺籃期だが、アジアのマーケットを虎視眈々と窺うGoogleは、確実にモバイルユーザの取り込みを狙っている。

しかし、TV広告にも進出しようとする貪欲なGoogleに死角があるとすると、Guardianの記事にもあるように検閲問題だろう。「情報提供は全くないよりも、あるほうがまし」というGoogleのスタンスと、今月初めに出されたHuman Rights Watchのレポート「"Race to the Bottom" Corporate Complicity in Chinese Internet Censorship」が相容れないのは明白だ。

Source:Guardian Unlimited / Media Guardian New Media

Chinese IM Accounts Reached 800 Million

2006年上半期までに中国でのIM (Instant Messaging) アカウント数が対前四半期で11%増えて828.6万に達したとAnalysys Internationalがレポートしている。アクティブアカウントも対前四半期で13.78%増の295万に達している。
"China IM Market Quarterly Tracker Q2 2006"によれば、主要なIMベンダーがQ2に様々なプロモーションを実施、Tencentは頻繁なプロモーションを実施してIMマーケットのシェアトップを確保、Sinaも既存メディアとの有効な関係や、プロモーションによりアカウント数を伸ばした。

Source:Analysys International "China IM Market Quarterly Tracker Q2 2006"

Hitachi Plasma HDTV

先週からプリント、オンラインなどで始まった日立の42㌅プラズマHDTVの広告は今後3年間で1億㌦を投下する大掛かりのキャンペーンだ。
主ターゲットは世帯収入12万5千㌦以上の30~59歳だが、薄型TV購入の40%を占める女性層にアピールすることも狙っている。技術だけではなく、日立製品を所有することがファショナブルで、インテリジェントでもあることをアピールし、LG、Panasonic、Pioneer、Samsung、そしてSonyなどと差別化を目指している。
30および60秒スポットをCNN、ESPN、History Channelなど、オンラインはwww.hitachi.us/tvと、ニュース・エンタテイメント系Webサイトでのストリーミング、およびバナー広告を予定している。
バナー広告は、expandableを使い、本のように違ったセクションを見ることができるものと、拡大してテキストがよく読めるようにするものがある。
Hitachi AmericaのマーケティングVP、Daniel Leeは、「Webは実質的に消費者に語りかけている」と語っている。


Source:NYTimes Media & Advertising "Unleasing" a New Campaign

2006/08/21

MarketingSherpa #5 Eyetracking

MarketingSherpaとEyetools Inc Labが面白い測定レポートを公表している。
検索を実行した後、その結果表示されるWebページのどこを見ているかを赤から青色で示している。結果ページの上半分、結果項目のタイトルに視線が行っているが、右側に表示されているスポンサーリンクにはあまり視線が行っていない。

Source:MarketingSherpa Omniture Teleconference : New Search Marketing Research 2006 SEM Issues & Trends (MarketingSherpa & Eyetools Inc Lab Study August 2005)

OPA "A Day in the Life"

OPA (Online Publishers Association) が6月に発表したレポートによると、米国のメディア消費は、TVが39%、オンラインが23%、ラジオが22%、新聞が10%、雑誌が7%消費されている。
しかし、広告主はまだメディア消費のシフトに対応できておらず、TVに43%、新聞に22%、雑誌に21%、ラジオに8%、オンラインに6%しか広告費を投入していない。

Source:OPA "A Day in the Life" (PPTファイル)

EIAA Europe Online

EIAA (European Interative Advertising Association)が最新のレポートを発表した。
英、独、仏、伊、スペイン、ベルギー、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンの10カ国のオンライン人口(16歳以上)、ブロードバンド率、インターネット消費時間、消費時間の伸び率、人気Webサイトカテゴリなどを公表している。また、各国ごとに2005年の総広告費、およびオンライン広告費の絶対額、加えて、過去半年間のオンラインによる商品購入額、点数、購入傾向などもある。

Source:EIAA Europe Online