2011/10/03

Proposal to JAL for Social Media Marketing Strategy

まず、SlideShareおよびScribdにアップしてある資料をご覧いただきたい。

Source:SlideShare / Airlines Twitter Case Study
Source:Scribd / Airlines Twitter Case Study

ご覧頂いたように世界各国の航空会社は、複数のTwitterアカウントを持ち、アウトバウンドtweetの5倍以上にも達するインバウンドtweetに対して、カスタマー・サービスやE-Commerceといった広報・マーケティング部門以外から人材を投入し、顧客・乗客・ユーザのカスタマー・サービス・リクエストに対応している。

そのため、運行情報やキャンペーン、プロモーションを発信するアウトバウンドtweetだけでTwitterを運営している航空会社は非常にまれになってきている。多くの航空会社では顧客の声を聞き、トラブルで困っている乗客の手助けをするリプライを行うのは当然のこととなりつつあり、 「単純にあそこへ行けば分かります、ここで聞けば分かりますとか、ここへアクセスしてください」というtweetではなく、乗客個人のニーズに応じたアウトバウンドtweetを返すことが必要になってきている。

こういった対応には365日24時間対応が求められるので、月~金曜日の定時勤務の広報・マーケティング部隊が担当できるものではない。常時、顧客の声を聞き、できる限りの手助けをしているカスタマー・サービス部門がフロントに立たなければならない。時にはDMにより顧客情報を確認した上で、予約(変更)および発券までこなしているDeltaのような航空会社も出始めているから、予約・発券システムを扱うシフト制のバック要員も必要だということになる。

世間で言われているようにTwitterとは広報やマーケティング担当領域の専属ツールではない。顧客や乗客の声を聞くためのツールなのだ。それを理解し、そのツールを使うために世界の航空会社は体制を整え、フロントからバックエンドやシフト制スタッフのソーシャルメディア教育を行っている。

こういったカスタマー・ファースト、ユーザ・リスニングの戦略を開始している航空会社と、その恩恵を受ける世界の乗客、Twitterユーザが増えている。国際線はもちろんのこと、国内線でもこの「手助けしてもらった。知ってしまっ た。見てしまった。経験した」ユーザ・乗客が増えている。彼らはBlogを書き、Twitterを使ってつぶやき、RTで共有し、Facebookでつながっている。このストリームに「カスタマー・ファースト」のtweetが流れている。

その時、インバウンドtweetに何の対応もせず、アウトバウンドtweet一辺倒の航空会社の評価はどうなるだろうか?乗客の抱える問題を解決もせず、言いたいことだけ、聞かせたいことだけを垂れ流す航空会社の評価はどうなるだろうか?世界の航空会社の対応から取り残されたことさえ理解しない会社の評価はどうなるだろうか?


上の資料に参考として昨年12月のロンドンを襲った大雪に対処したVirgin AtlanticとBritish AirwaysのTwitterアカウントの話をとり上げた。通常ならアウトバウンドだけ、土日休み、9:00-5:00が基本の両社Twitterアカウントの奮闘をどのように見られるだろうか?通常の38倍のtweetを行ったVAのTwitterアカウント、そしてそのサポートを受けた乗客をどのように見られるだろか?また、そのやりとりをオープンな環境で見ていた一般ユーザの反応をどのように見られるだろうか?















ついこの間、9月21日に関東甲信地方を襲った台風15号による大雨と強風で交通網は混乱した。その時、東日本大震災時に活躍したJAL伊丹空港アカウントからは何も発信されていない。JAL羽田キャンペーン事務局アカウントはキャンペーンアウトバウンドのみで、昨年から休止状態。株式会社日本航空JALというアカウントはあるがこれも6月から休止中。そもそも公式アカウントなのかどうかも分からない。

Source:JAL伊丹空港Twitterアカウント
Source:JAL羽田キャンペーン事務局Twitterアカウント

残念なことにJALのカウンターやコールセンターに救いを求めた多くの乗客は求めるものが得られず、携帯やスマフォで情報収集を行ってもヒットするものはわずか、下手をすると「発着案内」画面がつながりにくくなっていた、そんな経験をしていたのではないだろうか?

時間に追われながら乗り継ぎやキャンセル、別便への振り替えの長い列に並んだ乗客の不満は大変なものだったはずだ。

「台風だからしょうがない、航空会社のスタッフはよくやってくれている」、と全ての乗客が感じていたわけはない。

「もっと最新情報が欲しい、なんでスタッフをもっと増やして早く処理しないんだ、俺の便はどうなってるんだ、なんでこんな長い列に並ばなけりゃいけなんだ、明日の早朝の便に乗れなけりゃアウトだ。今時、Twitterで最新情報を発信しない航空会社ってあるのか?」、と感じた乗客は一人もいなかったと断定できますか?

今、災害時や緊急時に顧客、乗客が最も必要とする情報を提供する最後のチャネルがTwitterとなっている。もちろん@DeltaAssistや@AskAirAsiaアカウントは世界的にもまれだが、公式Twitterアカウントさえない場合、どうやって最新、かつ適切な情報を必要とする顧客、乗客個人に伝え、彼らの手助けをすればいいのだろう。

少なくとも、国内でもANAは下から始まり、
当日、12回目の次でTweetを締めくくっている。

一方、3月の震災以降は各地空港スタッフの声を拾い上げ、[JL_Shinsai]として40回にわたり欠航、臨時便、空席待ち、気温、レストラン再開情報などを発信し、一般ユーザとつながっていた@JAL_ITMは沈黙したままだった。
Source:Twitter /JAL_ITM

震災直後から活躍していたこのアカウントが休止状態にあって、台風関連情報を流さなかったことは「残念」だ。また、特に@JAL_ITMアカウントが持っているカスタマー・ファーストのマインドは、それこそ@DeltaAssistや@AskAirAsiaに勝るとも劣らないクオリティを備えているだけに、「もったいない」と思わざるを得ない。


さて、今年1月25日、Kansas CityでAmerican Marketing Associationのランチセミナーで、Blog、Twitter、Facebook、YouTubeなどを駆使したマーケティングで高い評価を受けているSouthWestの広報担当、Laurel Moffatが話をしていた。

そこで彼女が話したこと、すなわち;
  • 何をまず初めにすべきか?
  • どんなことが必要か?
  • 誰が何をするのか、しているのか?
など、もし、より詳しくお聞きになりたい場合、あるいは上の資料についてもっとお知りになりたい場合、また、JAL伊丹空港アカウントが備えているマインドを拡充したいとお考えの場合、詳細プロフィールの連絡先にメールをお送りください。

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