以前、Greenpeace Ranks Apple Last in Greennessを書いたが、5月2日になりAppleのSteve JobsがOpen Letterを公開した。
「製品からの有害化学物質排除、製品のリサイクルに関してAppleは、リーダーではないとある環境団体から批判されて」という書き出しから始まり、「将来計画を声高に言いつらうことはAppleの方針ではない。しかし顧客、株主、従業員そして業界に対して語られていない面があり、ステークホルダーがそれを求めるのも尤もだ」として、有害化学物質排除と製品リサイクルに関して説明している。
鉛、カドミウム、6価クロム、ヒ素、水銀、ポリ塩化ビニール、臭素系の難燃剤など、個別物質ごとにその排除実態、今後の予定、競合メーカーの現状と比較を加えて、製品のリサイクル計画を説明している。(米国内の話だけだが)
参考:Greenpeace Ranks Apple Last in Greenness
Source:Apple / A Greener Apple
Source:Apple / A Greener Apple (pdf)
Steve JobsのOpen Letterが、ステークホルダー、中でも株主に向けられたものであることは10日に開催予定の株主総会があること、そして比較として挙げたのは米国企業だけであることからも明らかだろう。また、Steve Jobsのメールボックスに毎日、届く数百、数千の抗議メール、Blogやメールで拡散していくGreenpeaceキャンペーンに神経を尖らせた結果でもあるのだろう。そして5月1日に発表されたWebby AwardでGreenpeaceの「Green My Apple」が「Best Activist Site」として選出されたことも影響しているかもしれない。
Source:Webby Award / ACTIVISM Webby Award Winner
しかし、少なくともAppleはGreenpeaceキャンペーンに対して、正面から、オープンに対話を行い、説明責任を果たしたと見ることができる。たった一月やそこらで現状の対応、将来計画をまとめ、毎年、定期的に公表することを公約した。加えてこれら情報提供が遅れていたことを詫びている。ここに大きなポイントがある。
さて、MacWorldによれば、Greenpeaceはこれを受けて、Appleの評価を2.7から5.0へ引き上げたようだ。4月公表時のランク最下位のAppleが評価5に上がれば、PanasonicとLGEがGreener Electronicsの最下位になる。
Source:MacWorld /Greenpeace responds to Apple's environmental plans
Greenpeace Ranks Apple Last in Greennessでも書いたが、Greenpeaceの矛先が日本企業に向けられ、Apple、Steve Jobsに対して実施したようなEmailキャンペーンが実施された場合、どうするのだろう?
特に日本企業ではPanasonicが最下位になりそうなわけだが、Greenpeaceキャンペーンや、Appleの動きなどをモニターしているのだろうか?この頃、日本であまりGreenpeaceの動きが報道されることがないが、どんな次の手を検討しているのだろうか?
もしPanasonicを対象とした次のキャンペーンが行われた場合、PanasonicのCEOはどんなOpen Letterを出すのだろうか?それもJobsのように役職名なしのOpen Letterを書けるのだろうか?
グローバルなブランディングのリスク管理として興味が尽きない。
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