2007/04/09

Greenpeace Ranks Apple Last in Greenness

Greenpeaceが「Guide to Greener Electronics」ランキングでAppleを最下位に選出した。これは有害化学物質を製品から排除し、破棄された製品やリサイクルの製造者責任をどう取るかという携帯・モバイル端末やPCメーカーのグローバルポリシーを評価したランキングだ。各メーカーのWebサイトに掲載されている公の情報を元に評価を行っている。

昨年の8月に初めてのランキングが発表され、12月、そして今年4月に3回目が発表された。それによると、Lenovoが7社をゴボウ抜きする快挙でトップに躍り出ている。一方、得点の低い赤いエリアに1社ぽつんと離れてAppleがランクしている。14社中最下位の評価だ。(クリックで拡大)
Greenpeaceの各社ごとの評価を見てみる。
  1. Lenovo:もっとも改善が進んだと評価されてトップ
  2. Nokia:全評価基準で高得点を上げているが製品からPVC除去の時期明確化必要
  3. Sony Erricsson:有害化学物質除去を初めて2008年としたが、廃棄・リサイクル情報なし
  4. Dell:上位をキープするが、有害化学物質なしの製品なし
  5. Samsung:ランクアップ、廃棄・リサイクルがグローバルで実行されていない
  6. Motorola:有害化学物質排除の予定なし
  7. Fujitsu-Siemens:廃棄・リサイクルの改善必要
  8. HP:特に除去予定など化学物質基準改善必要
  9. Acer:化学物質基準は改善したが、有害物質なしの製品なし
  10. Toshiba:有害物質なしの製品や除去予定で得点するも廃棄・リサイクルで失点
  11. Sony:有害物質なしの製品はあるが、廃棄・リサイクル方針に一貫性なし
  12. LGE:廃棄・リサイクル方針に一貫性ないが、携帯で高得点
  13. Panasonic:他社の動きから遅れ、有害化学物質排除のコミットメントなし
  14. Apple:最下位を死守、ほとんどすべての判定基準で低スコア、改善なし
さて、右のバナーをクリックすると相当刺激的で、辛らつなGreenpeaceの「Greener Apple」というページへ飛ぶ。そこには「Take Action」、そして「View the best ProCreations」がある。

「Take Action」へいくと、すでに43,034人(4月5日時点)のMacファンがSteve JobsへEmailを送っていることがわかる。「View the best ProCreations」にはAppleをGreenにするためのリソースがあり、それを使ったデザイン集を見ることができる。こちらも相当刺激的だ。

Yahoo!によると、Appleの広報は、「このランキングを拒否する。(Green Electronics Councilによる、より技術的な評価では)当社の製品は市場でもっとも"Greennest"な製品」だと語っている。Green Electronics Councilによる評価ではAppleは、LenovoやDellよりも高い評価を得ている。

Source:Greenpeace / Guide to Greener Electronics
Source:Greenpeace / Guide to Greener Electronics (Full report : pdf)
Source:Yahoo! Finance / Greenpeace Ranks Apple Last in Greenness

なお、Appleの広報が言うGreen Electronics CouncilはDesk Top/Note book PCの評価、判定はしているが、携帯・モバイル端末はカバーしていない。

NYTimes.comが伝えるところによると、全米5,000万世帯に配信しているCATVオペレーターのDiscovery Communicationは、来年から「PlanetGreen」イニシャティブを中心にすえたチャネルへ変身するようだ。CEOのZaslavは、「5年前なら、『環境なんかを口にする左翼は誰だ』となったはずだ」が、「今日、環境は責任を意味する」と話している。

それはAl Goreの「Inconvenient Truth」、豹変したBush大統領のエネルギー・環境政策、世界中で叫ばれる地球温暖化など「Green(環境)」に関する注目が集まっていることと無関係ではない。今、環境から目をそらすことはビジネス戦略足りえず、メーカーではなくともコンテンツメーカー・プロバイダーも環境を意識したチャネル、プログラム、コンテンツへ舵を切る必要性に迫られている。

Source:NYTimes.com / Discovery to Start Channel Focusing on Green Movement

しかし、これは環境で終わる話ではなく、経済、社会、環境を包含し、それぞれのステークホルダーの利益を最大化するCSR (Corporate Social Responsibility) なのだ。日本企業の中にはCSRに負のベクトルしか見出せないケースもあるようだ。しかし、欧米ではCSRをビジネスケースとして、CSRがビジネスに必要な戦略であることを十分認識し、CSRマーケティングを展開する企業も多い。それに加えグローバルな大企業は販売促進はもちろんだが、オンラインでの企業広告を開始しているし、CEOなどがBlogを書き、オープンなコミュニケーションチャネルを確立している。Greenpeaceのようなゲリラ的キャンペーンを開始されたとしても、懐の深い対応が可能だ。

世界的に影響力のあるGreenpeaceが仕掛けるキャンペーンは多様だ。以前にも書いたが、日本ではペットボトル詰めビールの販売を休止に追い込んだ こともある。そのGreenpeaceの矛先が日本企業に向けられたとき、企業はどうするのだろう、どう対応できるのだろうか。世界中から飛んでくる数万にも及 ぶEmailがCEOのメールボックスを溢れさせた場合、どう対処するのだろう。Appleのように本社広報が、(よくあるパターンだが、ことの是非は別として)別評価を持ち出し、毅然とした(あるいは傲慢な)態度で臨むのか、それとも...?

参考:Web Accessibility and CSR
参考:Global Compact and ISO 26000 (CSR)

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