MediaMindが配信した車関係のオンライン広告実績に基づいて、様々な指標を出している。中で目を惹いたのは下図だ。地域ごとのCTR、Dwellをグラフ化している。
北米や豪・ニュージーランドのCTRは0.1%前後、Dwellは6%弱、3%前後といったところだ。しかし、欧州、南ア、東アジア、南アジアのCTRは0.25%以上、南アジアは4%程度だろうか。Dwellも東アジアが6%強で、欧州、南ア、南アジアは9%以上だ。
Source:MediaMind / Automotive Analytics Bulletin
MediaMindは、
これにはユーザ行動の違いが大きく出ている。北米、豪、ニュージランドはオンライン広告成熟国なので、オンライン広告に反応したり、クリックすることは少ない。一方、他の地域・国では広告に反応し、クリックすることが多い。と解説している。
しかし、衰退するレガシーマスメディアの補完、あるいは代替としてオンライン広告を最初に始めた北米では、ユーザに広告を露出しても行動を喚起させる力はなくなってきただけだ。というか、既存の一方通行広告をオンライン化しただけなので、目新しさで飛びついていたユーザは慣れてくると、オンライン広告をTV、新聞、雑誌と同じように無視し始めたということだ。
また、オンライン広告成熟国だからではなく、ソーシャルメディアが日常生活に深く浸透し始めてきたため、一方通行のマーケティングには反応しなくなってきたということだ。以前であれば露出、想起といった購買プロセスの入口であればまだレガシーマスメディアの存在感もあったかもしれないが、その入口にもソーシャルメディア経由の露出、共有、リンクなどが影響してきたということだ。
このソーシャルメディアの浸透に関してはFordの力が大きい。2008年から始めたFiesta Movement1は大きな反響・評価を生成し、先ごろExplorerの新車発表をFacebookで行っている。その影響・効果を学習した各社、例えば、HyundaiやVolkswagen、ToyotaやGMと言ったところもソーシャル化を加速させている。
今後、購買プロセスの入口におけるレガシーマスメディアの存在感が薄れ、身近な人間や知り合い、会社の同僚などからのオンライン・対面WOMが重きを増してくる。もう、TVCFに「「XXX」を検索」といったクレジットを入れても入口にならない。
消費者、ユーザ、オーナーが集うスペースで会話に参加することから始めなければならないのだが...。
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