2009/10/23

Ford Social Media Marketing

このところ立て続けにFord、Scott Montyを取上げていたが

参考:Ford: Online Monitoring (Online Ad 2009/09/17)
参考:Ford Social Media Strategy (Online Ad 2009/09/30)
参考:Scott Monty Video (Online Ad 2009/10/14)

BusinessWeekでも、Fordのソーシャルメディアマーケティングについて伝えている。

それによれば、Fordは、今年、マーケティング予算の25%をデジタル分野へ投下(これは業界平均の2倍)している。J.D. Powerによれば業界は平均で9%をデジタル分野へ投下、2012年には12%へ上昇(TVやプリント媒体予算の削減分が当てられる)するようだ。

という前ふりがあり、J.D. PowerのコンファレンスでFordのCMO、James Farleyが語った言葉を紹介している。
我々が行っているように、会社を最初から作り直していることをコミュニケートしたいのなら、それを言うだけでは十分ではない。人々がそのことを他の人たちに伝えるようにしなければならない。
そして、ブランドイメージや購買意思に関する計測指標が上がり続けていることに関して、Scott Montyの言葉を紹介している。
Fordは、デジタル、そして特定のソーシャルメディアが重要な推進力になっているという仮定を持っている。

今年に入り、公的資金を唯一受けなかった自動車メーカー、株価上昇、J.D. Powerによる高い製品評価、Consumer Reportのレポートなどのニュースが、ブランド認知を向上させている。しかし、デジタルコミュニケーションがそれらニュースを増幅させ、消費者の間にこだまさせている。我々が今、享受している機会を広告に帰するのは難しい。
Source:BusinessWeek / Ford Spending 25% of Marketing on Digital and Social Media

「会社を最初から作り直していること」とは、広告あるいはPR、マーケティング戦略を単純にデジタル化しているということではない。企業・ブランド、マスメディア、消費者というゴールデントライアングルを固定観念とすれば、そこから脱却し、観念を転換することを意味する。その前提には、ブランドを所有しているのが企業・ブランドから、消費者に移ったという厳然たる事実を甘受する冷静な認識が必要だ。その認識があって初めて、広告あるいはPR、マーケティングをデジタル化するのではなく、何をデジタル化すべきかが見えてくる。

BusinessWeekの記事でFordのソーシャルメディアマーケティングの一例として広告費「ゼロ」のFiesta Movementが取上げられている。Fiesta Movementが潜在購買(予定)者5万人を獲得しているということは、その10%が実際に購買したとしても数十億円規模以上の売上を上げることになる。Dell_Outlet以外にも、広告費「ゼロ」のソーシャルメディアマーケティングが新しい金字塔を打ち立てることになる。

いや、ソーシャルメディアマーケティングのROI的な話よりも、そこで共有されているのが企業・ブランド側からの固定観念の共有ではなく、個人消費者のリアルな体験だということに注目すべきだろう。そして、その体験が他の人たちに伝えられているということも。

なお、今、Scott Montyの担当テリトリは北米だが、これがグローバルに拡大されるようだ。

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