2007/09/13

B2B Top 100 Advertisers

TNS Media Intelligenceのデータを分析し、2005年に141.9億㌦だったB2B広告は2006年に1.4%アップの143.9億㌦に達したというBtoBのレポートが公表された。

トップは2005年末にSBCが買収したAT&Tだ。「Your World. Delivered」という一大キャンペーンを行い、前年比10.4%増の4.2億㌦をB2B広告に支出している。2番目はMCIを買収したVerizonで、3番目もSprintとNextelが合併したSprint-Nextelと上位を通信会社が占めている。

全B2B企業がどういった媒体に広告費を投入しているかを見ると、
  • 26.0% ビジネス専門誌(前年比2.7%減
  • 13.4% ローカル新聞(同6.4%減
  • 10.6% 一般消費者向け雑誌(同1.9%増)
  • 10.4% ネットワークTV(同0.1%増)
  • 9.6%  インターネット(同17.0%増)
インターネットの前年比増を上回るのはヒスパニック系雑誌の同36.7%増だけだ。

しかし、これをトップ100の広告主だけで見ると、インターネットは前年比21.4%増で伸び率トップの媒体となり、ネットワークTVへの広告支出13.3億㌦の半分以上、7.8億㌦を占めている。ローカル新聞はトップ100広告主から9.5億㌦の広告費を集め、媒体順位で2位を占めているが、前年比14.2%と大幅な減少を記録している。今年はインターネットがローカル新聞を追い抜いて2番目の媒体になるのではないだろうか。
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次ぎにインターネットを使ったトップ50広告主を見ると、Monster Worldwideがダントツだ。前年比79.6%増の1億㌦を投下している。全体予算ではトップのAT&TはネットワークTV、ローカル新聞、スポットTVなどで大量露出をしていたので、インターネットに限ると前年比2倍に増やしてはいても270万㌦しかなく、6位に留まっている。

B2B総広告費2.2億㌦で全体の5位、その30%近くの6,000万㌦以上をインターネットに投下して2位に入っているHPが注目される。HPはネットワークおよびスポットTV出稿が少なく、合計しても750万㌦程度だ。7,000万㌦のIBM、2,800万㌦のMSと比べると一桁少ない。特にIBMはインターネットには780万㌦しか出稿しておらず、HPはその8倍弱を出稿している。IBMやMSが総花的な広告予算配分をしているだけに、いかにHPがインターネットをB2B広告で活用しているかがわかる。
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Source:BtoB / Top 100 b-to-b advertisers increased spending 3% in '06
Source:BtoB / TopAdvertisers (pdf)

HPは有り余る広告予算の中からインターネットを選択したのではない。過去何年かにわたる広告効果の測定、B2Bに必要な引き合い生成効果、伝播露出による効果、ビジネス専門紙誌とのクロスメディアミックスによる露出最大化など、多様な実績と効果を元にインターネットをB2Bのコアメディアとしたのだろう。

HPのようにTV出稿を削りながら、インターネットをB2Bのコアメディアとして活用する企業がいる中、うちはB2BだからB2C企業のような広告費はかけられないとか、広告してどれだけ売れるのかといった基本的な問いかけがある。しかし、既成メディアでの露出に加え、オンライン露出のギャップが拡大する中、この基本的な問いかけを繰り返すしかないのだろうか。また、ユーザが既成メディアからインターネットへメディア消費を移行させる中、メディアシフトを考慮しないメディアプランにいつまで承認を与えるのだろうか。

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