2007/09/11

Guardian American Website

5月の頭にPress Gazetteが、Guardianがワシントンベースのジャーナリスト、Michael TomaskyをGuardian America Webサイトの編集長に指名したと言う記事を書いていた。彼は北米でのGuardianのプレゼンスを高め、サイトのニュースやフロントページの記事を強化することになっているという話だった。

そして今月に入り、New York Observerが今月中にもGuardian Americaが立ち上がると伝えている。

Source:Press Gazette / Guardian appoints US website editor
Source:New York Observer / Guardian Reclaims America

ABC Electronicが公査した今年7月のGuardian Unlimitedのユニークユーザ数は1,606万人、PVは1億5,700万となっている。このユニークユーザのうち、63%の1,000万人以上は英国以外からのユーザだ。New York Observerによるとその半数以上の590万人が米国からのユーザだという。英国の590万と同じ数のユーザが米国にいるわけだ。

Source:ABCE / Guardian Unlimited July Audit (pdf)

以前、「Guardian moves towards digital future」で、Guardian News & Mediaの取締役、Tim Brooksの言葉;

英国の新聞社としてではなくグローバルマーケットを視野に入れ、「世界の先頭を切るリベラルメディア」となる意思、目標を持っている

を紹介し、

欧州の英国に本拠を持つ新聞社のWebサイトといった属性だけでは将来は見通せない。英語ニュースサイトとして、英国だけではなく世界のインターネットユーザに訴求する戦略が求められるはずだ。

と書いた。その戦略の一環がいよいよ姿を現してきたということだろう。

参考:Guardian moves towards digital future (Online Ad)

ただし、Guardian Americaのトップページには米国関連記事が載り、週に2~3本の米国発記事が来るだけで、その他のコンテンツは英国版を流用するようだ。米国のイラク政策にある意味で迎合していた米国メディアに飽き足らず英国のリベラルサイト、Guardian Unlimitedにアクセスした米国のリベラル知識人が、Guardian Americaへアクセスするかどうかは定かではない。また、米国ユーザがGuardian米国サイトへアクセスすると、Guardian本体へのアクセスが減少し、本体の媒体価値が下がる。これをどう見ているのだろう?

New York Observerは今回の記事に関して、Guardian(新聞)の編集長Alan Rusbridgerの昔からの米国進出意欲から書き起こしているが、広告ビジネスサイドの情報がない。英語メディアだからできる米国進出だが、なぜGuardian本体に米国発の記事を増やす形ではなく、米国版Webを立ち上げる決断が下されたのだろう。そしてそのコストをどうやって負担するのかが疑問だ。

0 件のコメント: