2009/02/12

Airline Branding

どこの航空会社も原油価格高騰、世界同時不況などで客足が減少し、頭を抱えている。EasyJetのCEOは、2009年50社近い航空会社が倒産すると予想している。

Airline 2.0燃油サーチャージ代金、枕やヘッドホーンの有料化、果ては搭乗マイルの交換中止までやった挙句、航空会社のブランド価値は下がり続けているし、まだまだ底が見えていない状況だ。

従来からのマーケティング手法では、ターゲット化された(潜在)顧客の注意を、たとえばTVCF、雑誌・新聞などの広告で喚起しようとする。だが、現在の情報洪水の中で広告予算をじゃぶじゃぶと注ぎ込む無駄ができる会社はどこにもいない。また、既成マスメディアの発信情報量よりも、ソーシャルメディアの情報量が数倍も多く、より深く顧客、ユーザに浸透している。

それではWeb 2.0スペースに広告を出せば済むかというと問題はそう簡単ではない。Blogの広告は25%、SNSの広告は19%しか信用されていないという結果がBuzzLogicから出ている。

Source:NYTimes.com / Blogs Find Favor as Buying Guides

「じゃあ何をすべきか?」というと、それは顧客のスペースに参加することだ。顧客スペースで「顔」のある企業として参加し、ブランド再生を共に考えてもらうことだ。顧客スペースに突然、広告メッセージを露出して顧客の邪魔をすることではなく、参加した顧客と共にブランド再生を協働してもらい、コンテンツを検討することだ。

Source:BrandChannel / Airlines 2.0 : Online Technologies Take Off in a Recession

ということでBrandChannelに寄稿したShashank Nigamは、いくつか例を引いている。
  • Virgin Atlantic  Facebookファン 1万人以上
  • AirFrance-KLM Bluenityラウンジ(SNS)開設
  • Lufthansa     GenFlyラウンジ(学生旅行客限定)
  • Malaysia Airlines Malaysian HospitalityというBlog開設
そして、元JetBlueのCEO、David Neelemanが設立したブラジルの航空会社、Azul Airlinesのケースを紹介している。
  • 航空会社名をオンラインで募集
  • ロゴデザインをオンラインで募集
  • キャビンアテンダントの制服をオンラインで募集
共に創造する、たとえば供創、あるいは協創とでも呼べそうなWeb 2.0スペースでの作業を、既存大手航空会社は検討もしないのだろうか?

Delta AirlinesのSVP、Tim Mapesは、機内での騒動が元で出発が遅延した際、その一部始終を携帯で動画に撮り、リアルタイムでYouTubeにアップロードした乗客の話を紹介している。「この乗客は、その時点でDelta Airlines本社の誰よりも、ブランド体験をコミュニケートするパワーを持っていた」のだ。

こんな(潜在)顧客が数千、数万、数十万、いや数千万といるのだが...?

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