TechCrunchと言えば、「泣く子も黙る」ほどではないが、IT・ハイテク分野でトップのBlogサイトだ。そのTechCrunchは、本Blogでも取り上げたWebsite Grader、Twitter Statsなど合計4回もHubSpotのツール・サービス、資金調達を取り上げている。
下のグラフ(TechCrunchからのReferrals)で明らかなように過去1年間で4回飛びぬけたトラフィックがTechCrunchからきている。
やはり、大手Blogサイトで取り上げられると影響が大きい。
しかし、HubSpotというインバウンドマーケティング手法を奉じるコンサルティング+ソフトウェアプロバイダからすると、合計1,719ビジターのうち、110件が引合となり、13件が案件化したけれど、最終的に顧客契約を結んだのたった2社だった。
当然、Hub Spotが提供するようなSMB向けのマーケティングソフトウェアや、インバウンドマーケティングのコンサルティングを求める顧客は、TechCrunchにはあまりアクセスしていない。
だからHubSpotは、PRターゲットをよく見定めるべきだとして、MarketingProfsの例を出している。HubSpotからすればMarketingProfsへアクセスするユーザは、大企業もいるだろうが、中心はSMBのマーケターだ。彼らのコンサルティングおよびツールを購入してくれる絶好のターゲットになっている。
そのMarketingProfsへHubSpotはバナー広告も出しているが、下のグラフはリンク、引用など非広告からのReferralsトラフィックだ。少なければ7件、多くても月に126件のトラフィックしか来ていない。
ところが、1年間632ビジターのうち、193件が引合となり、11件が案件化し、最終契約に至ったのは6社だった。
これをTechCrunchと比べてみると一目瞭然だ。
Tech Crunch | Marketing Profs | |
ビジターから引合化率 | 6% | 31% |
引合から案件化率 | 12% | 6% |
案件から最終契約率 | 15% | 55% |
Source:HubSpot / Stop Begging TechCrunch to Write About You.
この書き込みに対するコメントにもあるように、HubSpotはTechCrunch経由の顧客の生涯価値や、TechCrunch記事から派生した中小Blogの書き込み、リンクによる引合、案件、契約は見ていない。また、TechCrunchユーザの社内影響力によるオフラインからの案件なども見ていない。
単純にリフェラル数とコンバージョン率を見ているだけだ。単純、明快に、「顧客に最適なターゲティング」をしろという話にしている。だが、奥はもっと深いからなかなか簡単に比較し、片方に落とし込むのは難しい。
だからこのHubSpotの記事を単純に「顧客に最適なターゲティング」をしろという話として読むよりも、「Lead Nurturing」の教訓として読むのが正しい。
TechCrunchから13件の引き合いで2件の成約、MarketingProfsからは11件の引き合いで6件の成約ということは、より要求仕様やスケジュール、予算など購買スキームが確立していると思われるMarketingProfsから生成された引き合いよりも、TechCrunchからの引き合いには、教育、評価、クロージングという「引き合いの醸成」が必要だということだ。
また、フォローアップされた引き合いの中で56%は24か月以内に購買していることからも、いかに「Lead Nurturing」が重要かがわかる。
参考:B2B Lead Nurturing (Online Ad 2008/08/05)
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