2009/11/10

Greenpeace Cool IT Challenge

10月13日に、「Greenpeace IT Climate Campaign Survey」を書いた。

参考:Greenpeace IT Climate Campaign Survey (Online Ad 2009/10/13)

そこでは取り上げなかったが、Greenpeaceは「Cool IT Challenge」というキャンペーンをやっている。

これは、IT産業が排出する温室効果ガスが気候変動に与えるインパクトが大きく、その影響が広く認識されてきたため、IT産業のグローバル企業に対して排出ガス削減と気候変動ソリューション提供を求めるキャンペーンだ。特徴的なのは以下の5項目に関して、各企業のトップ、CEOの成績表をつけてランキングするLeaderboardを出していることだ。全項目を合わせて100ポイント中、何ポイントを獲得しているのかを示している。
  • Public Climate Speech  10ポイント
  • Political Advocacy     25ポイント
  • Climate Solutions     50ポイント
  • Own Emissions Target  10ポイント
  • Renewable Energy Use  5ポイント
現在、14社がランキングされており、トップを飾っているのはIBMのS.J.Palmisanoだ。最も評価されているのは、自社の排出ガス規制の目標値を出して厳しく削減に努力していることだ。しかし、全項目を合計しても43ポイントにしか達していない。
Greenpeaceは成績表をつけるだけではなく、各社トップに対するアクションもリストアップしている。IBMのPalmisanoに対しては、
  1. IBMのSmarterPlanetBlogにコメント、フィードバックをしよう。
  2. Samuel Palmisanoページに対して、自分のWebやBlogにSamuel Palmisanoというリンクテキストを使ってリンクしよう。(GoogleでSamuel Palmisanoを検索するとGreenpeaceのページが検索上位に来るように)
  3. WebやBlogがないなら、参加しているSNS、FacebookやLinkedInの自分のページでIBMのページを共有しよう。
  4. Google、IBMそしてMicrosoftに対する誓願書に署名してEmailを送ろう。
と呼びかけている。

Source:Greenpeace / Cool IT CHALLENGE

ランキングされている14社の中には、当然、日本のグローバル企業・ブランドも5社ランクされている。Fujitsu、Toshiba、Sharp、 Sony、そしてPanasonicだ。残念ながら、5項目中、ポイントをひとつも上げられない項目を抱えている企業が多い。

ただ、今回のランキングは2回目で、5月の1回目ではSonyが7、Sharpが5、Toshibaが2ポイントしか獲得していなかったころからすると3社ともポイントをアップさせてきている。FujitsuとPanasonicは今回からランキングされているので次回、来年の2月の3回目に期待したい。
(追加:Fujitsuは初めてのランキングだが堂々の3位に入っているので、Panasonicに大いに期待したい)

さて、こういったGreenpeaceのキャンペーンに対して日本企業・ブランドはどんな対応を取るべきなのだろう?Greepeaceとともに世界中の賛同者、一般消費者を無視するのが最善の策なのか、それとも?

PRの専門家はどうお考えだろうか?ご意見、コメントをお待ちします。

4 件のコメント:

Hayato さんのコメント...

恐ろしい話です。影響力は高いでしょう。東芝のPR担当者はCEOのイラスト付きで評価されていることを知っているのでしょうか。

こうした事実を踏まえると、当然ながら、環境対策面でもグローバルに適切な情報開示と積極的なアピールを行っていくことが重要になってきそうです。

ですが、日本企業はCSR部門とPR部門が分かれているケースが多いため、上手くアピールポイントを吸い上げられないんですよね。IntelのようにCSRブログを通じて継続的に情報発信をしていく、という仕組みもありません。PR部門にソーシャルメディアリテラシーの高いCSR情報発信の担当者がいると、結果は大きく変わってきそうです。

笠井孝誌 さんのコメント...

仰るように個人的なリテラシーも重要だと思います。が、根本は縦割りのサイロ型組織でしょう。

「隣は何をする人ぞ」というスタンスは日本企業に限ったものではありませんので大方の欧米企業も同じです。が、少なくとも先進的な欧米企業は横断組織、すなわち、ソーシャルメディア担当部署を設け始めています。また、対外的なメッセージやコンテンツ発信を行う組織、あるいは別組織が聞き耳を立てています。

そうしない限り、一方的な発信だけでは、アピールにもならないのではと危惧しています。

この点はどう思われますか?

Hayato さんのコメント...

仰るとおりで、ソーシャルメディア専任部隊の必要性は強く感じています。ですが、今の伝統的な日本企業が組織改変を起こせるようにも思えません。
まずは認知です。dramrollさんのような方が声を張り上げ続け、社会にソーシャルメディア対応の必要性を認知させることが必要だと思います。
特に、PRや宣伝に関わるクライアント企業の担当者がソーシャルメディアについて知る必要があると感じます。それなくしては、いくらエージェンシーやPRコンサルタントが説明しても、適切な効果が望めません。

笠井孝誌 さんのコメント...

私などが声を上げても効果は知れています。ただ、担当者に加えて、上司、役職者に対するP&Gのようなクラッシュコースを実施するのが一番かなとも考えています。それにしても、必要性の認知があっての話ですが...。