LinkedInのCorporate Communications Executive Networkに、「McDonald'sにとりPR悪夢になりかねない状況がシカゴで発生している。彼らはどのように行動するべきか?」という議論があり、24本もコメントが行き交っている。
それはChicago Sun-Timesによるとこうだ。
ボストン大学の学生で19歳のLauren McCluskyは、2007年から年一回、高校や大学のバンドを集めシカゴでMcFestというチャリティコンサートを主催し、知的発達障がい者の自立や社会参加を助けるスペシャルオリンピックに貢献してきた。2年間で3万㌦を集めたそうだ。ところが2008年に彼女が商標登録をしようとしたところ、昨年8月、McDonald'sがMc関連商標をすでに登録しているとして異議申し立てを行った。
この係争が裁判所に持ち込まれれば、すでに5,000㌦を支払っているLaurenは新たな出費を負担しなければならない。
McDonald'sは、彼女のコンサートを中止させたいと思っているわけでもなく、彼女と円満に解決するため協議を重ねている。広報担当者、Ashlee Yinglingは、彼女に別の新しい名前をコンサートにつけてほしいと語っている。「別の名前をつけてくれればコンサート費用を負担するといった代替案」をだしている。
この話がLinkedInのCC部門で議論されている。
Source:LinkedIn / Corporate Communications Executive Network
Source:Chicago Sun-Times / McDonald's in beef over trademark with Chicago teen
自分の名字をコンサート名の先頭につけ、スペシャルオリンピックに貢献してきた10代の学生の社会貢献を巨大資本がひねりつぶそうとしているようにも見える。また、一方、すでに「Mc」を前置した単語を登録しているMcDonald'sからすると、とんでもないという話のようにも見える。
さて、あなたはどう考えるだろうか?
McDonald's自体、社会貢献を長年続けている。Ronald McDonald House Charitiesがつとに有名だ。このサイトのトップページに書かれている文章そのものが答えだろう。
Source:Ronald McDonald House Charities
「あなたの支援なしに2009年50万㌦を集めることはできなかった」、「あなたなしに、Lance Kopplinの大きな笑顔、きれいな髪、奇跡の回復はなかった」。
社会貢献をひとつの柱として長年、顧客の力、支援を借りながら実績を上げてきた企業・ブランドは、一方で同じ目的を目指す個人、グループ、団体の行動を支援してきたことになる。双方向で支援と協力、情報の共有などを行ってきたわけだ。
いかに巨大な資本だと言ってもできることには限りがある。限りがあるからこそ、できる範囲とできない範囲の棲み分けを個人、グループ、団体と行ってきた。至極当然なことだ。
しかし、ここで、登録済み商標を個人、グループ、団体が社会貢献目的で使う際に資本側の理論を押しつけようとした場合、結局、資本側の狙いは社会貢献ではなく、社会貢献を行う善良な企業・ブランドだというイメージ、販促、売上につながる効果だけだということが見透かされてしまう。今までの社会貢献が色あせてしまう。
異議申し立てを却下し、かかった費用を弁償するべきだ、あるいはPR部門に抗議のemailを送ろうとか、LinkedInでは議論が活発だ。
ただ、商標登録を共有すべきだというコメントは見られない。そんな解決策もあるかとは考えるが、あなたはどう考えますか?
0 件のコメント:
コメントを投稿