2010/02/01

Top Priority of Digital Marketer

Society of Digital Agenciesというところから、「SoDA 2010 Digital Marketing Outlook」というレポートが出ている。

世界中のマーケティング関連の役員レベルを調査した処、今年のデジタル予算は大幅に増えそうだ。デジタル広告・マーケティング代理店を10数%とすると、レガシー広告代理店は20%弱も「大いに増える」と予想している。そして、ブランドは70%前後も「増える」と予想している。

特に注目すべきは、デジタル広告・マーケティングもレガシー広告代理店も数%「大いに減る」と回答している。が、ブランドは0%だ。
現在の経済状況で「長期的にデジタルマーケティングが増える」と考えているのは、ブランドで60数%だが、それ以外すべての調査対象で70%を超えている。
だからデジタルマーケティングに対応できる人材が必要となる。デジタルマーケティング部門の人員を増やしたのはデジタル広告・マーケティング代理店の25%前後、レガシー広告代理店は30数%もすでに人材を雇用し、まだ募集中のようだ。
最後に、2010年のトッププライオリティを訊いている。

9カテゴリの中で「トッププライオリティ」だとされたのは、「ソーシャルネットワーク・アプリ」がトップで45.4%。僅差で「インフラ」が44.5%だ。そしてゲームを除く、残る7カテゴリともに「重要」とされている率が高い。
Source:Society of Digital Agencies / SoDA 2010 Digital Marketing Outlook

トッププライオリティに挙がっているソーシャルネットワーク・アプリと合体するのはモバイルだ。モバイルのPVが70%程度になっているMixiの例を引くまでもなく、Facebookであれ、MySpaceであれモバイルアクセスが増えている。

今年はごく一部の企業・ブランドにとって、ソーシャルメディアマーケティングを本格化し、モバイルSNSマーケティングを立ち上げてくる年になる。

ただし、それ以外の企業・ブランが活用しようとしているマーケティング戦略は従来からのマーケティング手法をソーシャルメディア化、あるいはモバイル化しただけのものだ。今までの手段、法則、指標で全く違うユーザをターゲットにしている。

与えられた牧草を食み、牧羊犬の指示通りにLEDシートを背負わされ、あっちこっちと動かされて羊文字や絵を描いた、もの言わぬ羊さん達はもういない。籠から逃げ出し、あちらの枝、こちらの枝へと飛びまわり、ピーチク、パーチクとかしましい鳥さん達は、企業・ブランドが振る旗には目もくれず、集団となって駅前に糞を撒き散らす。羊さん達なら牧羊犬の出番もあるが、勝手気ままに空を飛びまわる鳥さん達を先導するのはThought Leader(実践的先駆者)しかいない。牧羊犬で鳥さん達に指示して、こちらの思い通りの巣箱へ誘導することなどできはしない。

SNSとモバイルが合体する時、レガシーマーケティングの終焉は早まる。

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