2010/02/04

Mass Marketing to Engagement

Alterianの2009年版調査、「Alterian Annual Survey」がある。サブタイトルは「Are You Ready to Engage?」となっている。

全世界といっても北米が62%、欧州が36%、アジア・パシフィックが2%と大きなバイアスがかかっているが、マーケター(ブランド側)、代理店、MSP(マーケティングサービスプロバイダー)、SI、他など1,068人の専門家を対象に、マーケティング業界に起こっている変革、現在と近い将来を見ている。

さて、最初に「デジタルマーケティング、DBマーケティング、クリエイティブ、戦略コンサルティング、Web解析、Emailマーケティング、統計解析など各種マーケティングサービスを何社が提供しているか」と聞かれた結果は、約7割が3社以上、7社以上が23%となっている。
デジタル時代、ソーシャルメディアマーケティング時代を迎え、多様なサービスを提供するプレイヤーが増えれば増えるほど、ブランドやメッセージを統一していく摩擦が増える。プレイヤーそれぞれがビジネスを拡大するため付加価値を提案し、プレイヤー同士の連携、足の引っ張り合い、果ては自己売上増加だけのために(ブランド側)マーケターが必要としない機能・仕様も提案に含めてくる。

ということで、新しいタイプのパートナーシップが誕生してきていると、Alterianは言う。

それはCEA (Customer Engagement Agency)だ。CEAは、解析、戦略、クリエイティブ、キャンペーン実施、そしてバックボーンとなる技術などをまとめてマーケターに提供する。CEAは、単一的な得意分野での顧客アプローチではなく、クリエイティブ能力、技術的ノウハウ、データ重視の知見を統合して、すべてのマーケティングチャネルに対してコスト効果が高く、リッチ、最適な顧客アプローチをマルチチャネルで提供する。

例えば、既存の10マーケティングチャネルを10社にそれぞれを任せるのではなく、複数チャネルをCEAに任せることになる。各チャネルへのアプローチを統合し、相乗効果を上げさせることになる。

こういったCEAが誕生してきたことで、ブランド側マーケターや広報コミュニケーション部門が従来からのプラットフォームを使って顧客にメッセージを配信したり、コミュニケーションを行う形が変わらざるを得ない。複数の縦型サイロをそれぞれ単独で運用するための組織から、複数の縦型サイロを横断する統合サイロを運用する組織、人材、予算、戦略が必要となる。

インタラクティブ代理店、マーケティングサービスプロバイダー、メディアや顧客リストプロバイダー、そしてレガシー代理店は、この動き、フロー、衝撃を理解しているのだろうか?今までの単独サイロでビジネスを行ってきたプレイヤーは、縦型横断統合サイロビジネスへ転換することができるのだろうか?

Alterianは、Forrester Researchを引用して最初の調査項目を締めくくっている。
Source:Alterian / Annual Survey 2009

大金を稼いできた既存ビジネスモデルを死守するため、オンライン、デジタル、ソーシャルメディアといった香辛料をふりかけ、最新のトレンドにマッチした新企画、あるいはトレンドを先取りする(はずの)革新的な提案を出す各種プレイヤーがいる。しかし、彼らのビジネスモデルが既存チャネルの最大活用になっている限り、メッセージをプッシュし続けるだけで、顧客コネクション育成へ舵を切ることにはならない。だからビジネスモデルを変革できないプレイヤーは長続きしない。

「データマネージメント、解析、聞き耳、ソーシャルメディア展開・実施、そして戦略構築が欠如しているプレイヤーのビジネスは枯渇する」というForrester Researchからの警告が響き渡る。

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