2010/05/28

BP Reputation Management Challenged -2

一昨日アップした「BP Reputation Management Challenged」のアップデート。

参考:BP Reputation Management Challenged (Online Ad 2010/05/26)

25日までTwitterCounterが、BPGlobalPRをカウントしておらずBP_Americaとの比較グラフが描けなかったが、26日から可能となったので比較してみる。

TwitterのBP_Americaアカウントは、26日昼ごろで4,751人のフォロワーを持ち、25日から275人増、Twitterランクは33,430位となっている。27日には5,547人、26日から796人増となって30,263位に上昇してきた。

一方、BPGlobalPRは5月19日にTwitterアカウントを開設したばかりにも関らず、すでに26日に3.3万人、そして27日には4.6万人以上のフォロワーを抱え、これからの30日間で35万人以上になると予想されている(TwitterCounterは26日からカウントしているため、この予想は大幅に割り引く必要がある)。そして、そのTwitterランクは26日で12,148位、27日で5,414位だ。

この2つのTwitterアカウントのフォロワーを比較すると下図のようになる。低空飛行を続けていたBP_Ameriaを横目に、BGGlobalPRは1週間やそこらであっというまに5万人に手が届くレベルまで増えている。BP_Ameriaもその影響で今週から増加傾向が見られる。(クリックで拡大)
そして、BPGlobalPRアカウントへアクセスしたTwitterユーザには以下のような人達がいる。米、伊、蘭の彼ら、彼女たちには最低261人、最大で54,000人以上のフォロワーがついている。彼らが肯定、否定、中立的なTweetをするだけでBPGlobalPR自体が露出してしまう。
BP_Americaアカウントにアクセスしたのは一昨日の彼女だけ。
Source:TwitterCounter / BPGlobaPR+BP_America

どちらが注目されているかは一目瞭然だ。BPGlobalPRが行うTweetをパロディとして捉えるユーザもいるし、性質の悪いいたずらと捉えるユーザもいる。一方、ブランド価値を毀損させるテロと捉えるべき企業・ブランドもいる。

ところがAdAgeによれば、
BPは、BPGlobalPRアカウントの存在を認識しているが、今のところ何らの対応を行ったこともない。BPGlobalPRアカウントが最初のようにBPと同じロゴを使っているわけでもなく、TweetもBPが特に目障りだと認識するものでもない。
そうだ。
ただし、このBPの対応の前提にあるのは、
(原油流出事故の)対応に対して人々がどのように感じるかは人々次第で、BPはそれを受け入れるしかない。今起こっていることに人々は不満を募らせているわけで、それを表現する方法のひとつだ(と認識している)。
ということだ。

Source:AdAge / Why BP Isn't Fretting Over Its Twitter Impostor

すなわち、BPはBPGlobalPRアカウントにかかずりあっている暇はないということだ。BPGlobalPRに関っているくらいなら原油流出をなんとかしろと言われるのは当然だとわかっているということだ。

しかし、平時に同じ対応を取れるだろうか?自社ロゴに類似したロゴを掲げ、Twitterの「なりすまし」、「パロディ」ガイドラインに抵触しているBPGlobalPRアカウントをそのままにしておけるだろうか?PRはともかく、法務が黙っていられるだろうか?法務が黙っているとしたら、それは職務怠慢、あるいは職務放棄と見なされるのではないだろうか?

さて、BPGlobalPRは、healthygulf.orgに「bp cares」Tシャツの収益を寄付すると宣言した。社会貢献団体に利益を寄付する「いいひと」なんですよというポーズをとっている。なかなか一筋縄ではいかない手強さが見て取れる。

揚げ足取り、パロディ、おふざけなど多様なTweetがこれからも発信されそうな状況だが、こんなイシューマネージメントを想定している企業・ブランドはいるだろうか?

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