2010/05/25

Outsourcing Social Media Marketing

MarketingSherpaから「Social Media Handbook」が出ている。そのサンプルにソーシャルメディアマーケティングの成熟度・進展度を測るワークシートがある。

以下の4項目に対して、
  • ターゲットオーディエンス、ソーシャルメディアの利用、競合の情報を収集
  • ターゲットオーディエンスおよびソーシャル指標に基づいた目的・目標を定義
  • 実施計画を含むソーシャルメディアマーケティング戦略を構築
  • ソーシャルメディアマーケティング戦略・戦術を実施するプラットフォームを選択
それぞれ「やっていない」「非公式、ランダムに実施」「公式、継続実施」の3段階で判断し、1、3、5点を加算する。点数を合計して、「トライアル」「途上」「戦略実施」段階と判定するものだ。

調査を行った2,300人のマーケターのステージは以下のようになっている。さて、あなたの企業・ブランドはどのステージにあるのだろうか?
そして、Chart of the dayに「ソーシャルメディアのアウトソーシング」があった。コンテンツ制作、ソーシャルメディアサイトのSEO対策、モニタリング、ソーシャルメディア戦略立案、ソーシャルメディアマーケティングのトレーニング、オーディエンス・インフルエンサーに対するエンゲージメントの6項目に対してアウトソースしているかどうかを訊いている。

すでにアウトソースしているところもあれば、今はやっていないが来年は検討する、そして、まったくアウトソースしていないところもある。すでにアウトソースしているのはコンテンツ制作、ソーシャルメディアサイトのSEO対策が18%、モニタリング、ソーシャルメディア戦略立案、ソーシャルメディアマーケティングのトレーニングが10%、エンゲージメントが9%となっている。

Source:MarketingSherpa / Social Media Handbook
Source:MarketingSherpa / Social Media Outsourcing

企業・ブランドにおける取り組み、特に組織・予算・人員構成などが大きく変わるため、こういったベンチマーク数値をそのまま評価するのは非常に困難だ。

ただし、「途上」や「戦略実施」レベルを合わせた63%と、「トライアル」の33%の違いは明白だろう。「戦略実施」レベルと「トライアル」の間には、深くて長い川がある。

さて、基本的に「オーディエンス・インフルエンサーに対するエンゲージメント」は、企業・ブランドが内製すべきものでアウトソースするのは馴染まないはずだが、すでに9%がアウトソースし、来年アウトソースを検討しているところが14%もいる。どうもソーシャルメディアマーケティングを履き違えているとしか見えない。従来からのレガシーマーケティングのように外部エージェンシーに丸投げし、結果だけをレポートさせるようには決して行かないのがソーシャルメディアマーケティングだ。

ユーザが求めているもの、価値のあるものとして評価するのは企業・ブランドとのダイレクト、オープン、対等、そして双方向のコミュニケーションであり、それがあって初めて企業・ブランドとのコミュニケーションや情報・コンテンツを消費、共有、再露出から拡散してくれるわけだ。ダイレクトなコミュニケーションだと思っているコンタクト先がアウトソース先だとなると話は180度違ってくる。

「ターゲットオーディエンス、ソーシャルメディアの利用、競合の情報を収集」することや、「モニタリング」を外注することとはまるで違うのだが、そこが理解されていない。まだまだ、米国でもソーシャルメディアマーケティングは黒船来航前といった状況なのかもしれない。

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