2008年に紹介したDigital Influence Index Studyの拡張版ということになる。
参考:Digital Influence Index Study (Online Ad 2008/07/02)
9個ポイントが挙げられているが、その中からいくつか紹介する。
まず、「グローバルに見てデジタルメディアの消費者への影響力が高いにも関わらず、投下されるマーケティング予算は見合っていない」という最初のポイントがある。
7カ国のメディア消費時間(週)において、中国と仏を除く5カ国でトップはTVだ。インターネット利用はわずかな差で2位につけている。しかし、emailもそこそこの時間を消費しているので、これを合計するとトップになる。しかし、マーケティング予算は...、ということになる。まったく、メディア消費時間から考えると、レガシーメディアへとんでもない予算が投下されていることになる。
そして、中国のメディア消費時間シェアはもっととんでもないことになっている。インターネットがダントツで、TVは携帯と同等の時間しか消費されていない。TVの時間枠を売るエージェンシーは、これをどうやって説明するんでしょうか?
そして、メディア消費時間に重要度を加味したメディアインデックスを見ると、もう、TVの出る幕はない。メディアインデックスで言うと、中国のTVはインターネットの四分の一、日・英を除く4カ国は二分の一、日・英は六割といったところだ。
2番目に、「中国のインターネットユーザは先進的なアーリーアダプターで、増加する余地がある」という点だ。
以下の5つの行動インデックスのトップに来るのは中国だ。上位3カ国を比べると中国が突出しているのがよくわかる。
- 調査・検索 中国85%、日本77%、仏64%
- コミュニケーション 中国85%、仏51%、加・日50%
- Eコマース 中国51%、日本40%、独24%
- 発信 中国77%、日本33%、加20%
- モバイル 中国73%、日本49%、英25%
3番目に「調査・検索、購買、そしてピアの影響によりデジタルメディアは決断のコアを成す」があり、7番目に「ユーザの声を聞き、リアルタイムで対応する企業をTwitterユーザは信頼する」がある。
Twitterをモニタリングしている企業・ブランドに対して、「自分が抱える問題に耳を傾け、対応してくれれば嬉しい」と考えるTwitterユーザはどこの国でも同じだ。特に中国でその比率は94%(重複回答)だ。ただし、それ以外の国では、「プライバシーがらみで心配」、あるいは「見せかけだけ」だという比率が高くなる。
そして、Twitterをやっている企業・ブランドを信頼するかどうかと聞かれた場合も、中国がダントツで信頼している。日本も中国に続いているが、他5カ国とは色合いが大きく違う。欧米各国では「企業・ブランドを信頼するかどうかには関係ない」と回答するケースが多い。それはそうだろう。アカウントを開設しただけで信頼が勝ち取れるわけではない。Twitterするコンテンツ、コンテキストが問題になるのは当たり前だ。が、中国や日本ではすこし違うようだ。
Source:Fleishman-Hillard / Digital Influencer Index 2010 (pdf)
Twitterアカウントを持っているだけでは意味がなく、きちんと企業・ブランドに関連するバズをモニタリングし、リアルタイムに対応してくれることが必要だろう。そして、Twitterでつぶやく内容が問題だ。ポリシーやガイドラインを決める前に、何をつぶやくかを決める必要がある。
そんなことは決まっている。各種プレスリリースのタイトルや、新しくYouTubeにアップしたビデオ、開催イベントやプレスリリースまでに行かない速報をつぶやけば良いと考えているとすれば、信頼を勝ち取ることも、Twitterというデジタルメディアを活用することにもならない。ユーザにとって意味のない、泡を吐き出しているだけだ。フォロワー数やRT数が増えたところで全く意味のない数字を額装することになる。
そして、Samsungのように日本語を英語に訳してまでモニタリングしている企業からすれば当然だろうが、モニタリングの「モ」も検討していないとするとTwitterアカウント開設の価値は半減以下に落ちることになる。
参考:Samsung's monitoring deeper (Online Ad 2010/07/05)
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