2010/07/05

Samsung's monitoring deeper

6月18日に、「Learning from Customers」を書いた。SamsungTweetsが、「(SamsungTweetsというTwitterアカウントを)どう思ってますか?良い仕事をしてると思いますか?」と、ユーザの評価、声を聞こうとしたTweetを取上げて、
パラダイムシフトを理解し、ユーザから学ぼうと言う姿勢があり、その企業・ブランドにエンゲージするユーザがいる。そして、そのエンゲージメントが世界中 のユーザに露出している。
と書いた。

参考:Learning from Customers (Online Ad 2010/06/18)

この書込みに対して、19日の未明、Samsung Electronics Americaからアクセスがあった。流石にSamsungはバズモニタリングをちゃんとやっているなと納得したが、気になることがある。
それは、Twitterをリフェラルとして、直接「Learning from Customers」のURLへアクセスしていることだ。

筆者はBlogをアップした際、TweetDeckからTwitterとFacebookにも更新しているが、Twitterの「Learning from Customers http://bit.ly/cyLyE6」というTweetでSamsungの注意を引くとも思えない。

そこで、Twitterで、「SamsungTweets」を検索した処、「nori76」という日本ユーザの方が、SamsungTweetsのTweetと「Learning from Customers」への短縮URLをTweetされていた。この短縮URLから流入してきたようだった。
それにしても、毎日、SamsungTweetsを含んだ数百、あるいはそれ以上のTweetをひとつひとつを確認しているのかとちょっと驚いた。しかし、驚きはそれだけではなかった。

その後、「Online Ad」のログをSitemeterで見たところ、19日未明、12:57:04から2:34:01までの間に「204.181.196.185」というア ドレスから6回もアクセスがあった。合計で26ページにアクセスしている。
そこで、2回目のアクセス時を詳しく見てみた。

以下のログを見ると、「Learning from Customers」から、ホームページへ行き、その時点でトップページになっていた「Learning from Customers」を日本語から英語へ翻訳している。それも「Learning from Customers」が参考としてあげていた「Samsung Twitter Press Conference」も翻訳して内容を確認している。
参考:Samsung Twitter Press Conference (Online Ad 2010/01/08)

また、6回のアクセスを詳細に見ると、ブラウザ(バージョン)とPC解像度から最低4人がアクセスしていたことが分かった。この最低4人が「Learning from Customers」と「Samsung Twitter Press Conference」へアクセスし、翻訳してまで内容を確認していたことになる。
まとめると、
  1. Samsungは、SamsungTweets、SamsungImaging、Samsungなど複数のTwitterアカウントを持っている
  2. それぞれのTwitterアカウント名で検索し、毎日モニタリングしている
  3. そのモニタリング要員は最低4人いる
  4. 検索による数的なモニタリングだけではなく、内容確認までしている
  5. 必要とあれば翻訳した上で内容確認している

    ここから先はログなどで検証できないため、推測だが、

  6. 検索結果に上がってきたBlog、Twitter、Facebookなどソーシャルメディアスペースでのバズソースの影響度(Blog読者数、Twitterフォロワー数、Facebook友人数、リンク数、引用数、トラフィック、SlideShareなどに上げているファイルの閲覧・ダウンロード数など)も確認している

    そして、Samsungがモニタリングしているバズ数が10件や100件なら上のように、丁寧に、詳細に、モニタリングすることも可能だ ろう。しかし、4人がかりで33分以上も「Online Ad」のエントリ内容を翻訳してまで確認するとなると、こんな深堀をすべてのバズに対してたった4人でできるわけがない。

    とすると、

  7. Samsungは社内リソースを使ったモニタリングのほかに、社外リソースを使ったモニタリングをしている。(社内リソースはTwitterなど自社アカウントやFacebook/YouTubeなどのページまわり、社外リソースはそれ以外のソーシャルメディアスペースでのバズモニタリング)
ということになる。

Samsungに関するバズは毎日、最低でも一万件発生している。このバズを社内の4人でモニターすることは全く不可能だ。企業・ブランドがユーザの声や意見、苦情を聞こうという姿勢を持ったとしても、社内リソースを120%活用した処でできることと、できないことがある。しかし、ユーザの声、バズを拾わなければという命題を少しでも満足させるためには社外リソースを活用するしかないということだ。

それにしたところで、24/365体制を組んだところで、巨額なモニタリング予算を組んだところで、100%バズモニタリングを行うことは困難だ。ただし、モニタリングを検討さえしていないどこかの企業・ブランドと比べれば段違いにソーシャルメディアスペースの理解が進んでいるし、ユーザの知見を活かそうとする姿勢が見える。

別に、Samsungは大向こう受けを狙った3DTVプロモーションだけをしているのではなく、今、ユーザがどこに集い、何を聞き、話し、書いているのかを学習している。今、ユーザの声を真摯に聞かなければ、3年後、5年後にSamsungのコミュニケーションメッセージを聞いてくれるターゲットオーディエンスがいなくなることを理解している。

参考:Samsung 3D TV Promotion (Online Ad 2010/06/03)

なお、今回のSamsungが行った深堀モニタリングをまとめたレポートをBox.netにアップしてあるので、興味のある方はどうぞ。

参考レポート:SamsungMonitoringDeeper

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