20世紀初頭から今世紀に入った2005年までの間に米国世帯に普及した様々な家電、エレクトロニクス製品、その他の普及スピードを見ている。
固定電話が普及率80%を越えたのは60年代始めなので60年以上かかっている。自動車が80%を越えたのは70年前後だから60年ちょっと。冷蔵庫はそれらよりも早く80%に達するまでに25年程度だろうか。カラーTVは20年程度のようだ。
携帯は普及率80%までに25年、PCは普及率70%までに20年、インターネットは普及率60%までに15年と言ったところだ。
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例えば、今年20歳を迎えるユーザが生まれた1990年にはなんでもあった。そして、彼らが学齢を迎えるころにはPCも、インターネットも、携帯も身近にあった。学校でPCやインターネットで学び、クラスメートとは携帯でおしゃべりし、今はSMS、IM、Blog、MySpace、Bebo、Facebook、Twitterなどお茶の子さいさいだ。PC、携帯、ネット、ゲーム、SNSについてこられない友達、兄弟、親、親戚、近所のおばちゃん・おじちゃんに手ほどきし、学校では先生のPC関連授業の手伝いをしている。家の中に固定電話はないので、電話と言うとセルしか頭に浮かんでこない。宿題や論文の資料調べはすべてインターネット。ネットで知り合ったユーザともすぐ友達になり、国を越えたリレーションを広げている。家電、エレクトロニクスに詳しいので誰彼となく、新しい製品の説明やお買い得情報・製品を教えている。
こんな世代をデジタルネイティブと言う。
そんなデジタルネイティブを1980年生まれ以降、それ以前をデジタルイミグラントに分け、職場、および家庭でのオンライン行動を比較したデータがある。なお、通常、デジタルネイティブの切り分けを1985年とするが、enquiroはB2B調査が目的なので1980年に広げている。
まず、職場での消費時間をもとにした行動比較がある。ネイティブ、イミグラントともにEmail、そしてWebアクセスが群を抜いている。そして固定電話が来ているがネイティブと比べてイミグラントの方が電話を良く使っている。モバイルの音声系は同じようなものだが、データ通信はネイティブ。SNS、Twitter、RSS、Blogはネイティブの利用が勝っている。
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こんなに行動に差のあるデジタルネイティブとデジタルイミグラントに対して、同じマーケティングチャネル、マーケティングメッセージ、マーケティングオファー、マーケティングコンテンツで対応しているのが現状だ。
誰もいない原野に向かって大金をはたいたTVCF、プリント広告を垂れ流している企業・ブランドもあれば、このデジタルネイティブをターゲットとして新しいマーケティング戦略・戦術を実行しているところもある。
その違いは、例えばWebサイトへアクセスするユーザ調査であったり、フォーカスグループ調査であったり、ソーシャルメディアスペースでの対話であったりする。あるいはソーシャルメディアスペースに参加する企業・ブランドの担当者、他部門の人間、社内的な調査、コンサルタント会社、第三者の視点などの知見や調査などのこともある。これらをひっくるめてリテラシーと呼べば彼我の差は一目瞭然となる。
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