なぜなら今、ブランドをコントロールしているのは消費者、顧客、ユーザだからだ。彼らの声、意見、アイディアを聞き、疑問、苦情に応えなければ、本来比率 の低いネガティブコメントがオンライン会話の大半を占めてしまう。あるいは、シカトされたブランド価値が暴落してしまう。と書いた。
参考:Real Time Search (Online Ad 2009/07/27)
上では書き忘れたとてもいいサンプルがある。
カナダのミュージシャン、Dave CarrollとUnited Airlinesの間に昨年起こった手荷物で預けたギターの弁償話だ。1年間、UAと交渉を続けてもラチがあかないと悟ったDaveは、UAとの最後の電話で「今回のことを歌にして世界中の人に知ってもらう歌を3曲作る」と宣言した。
その1曲目が下のビデオだ。まずUAの手荷物取扱のひどさ、ギターの弁償交渉などを歌にしたビデオをご覧いただこう。
Source:YouTube / United Breaks Guitars
7月5日にアップされたビデオは、7月28日までに426万回視聴されている。
そして視聴者は、カナダや米国だけではなく、欧州、南米、南ア、アジア、オセアニアにまで及んでいる。
企業・ブランド側からすると、言葉にならないほどのネガティブキャンペーンになったといえる。
これほどのパワーと影響を見せつけられたUAは白旗を掲げるしかない。下は、最初のビデオがアップされてから2日後にUAがコンタクトし、謝罪と弁償の話があったことを伝えるビデオだ。
Source:YouTube / STATEMENT
企業・ブランドが営々と築き上げてきたブランドレピュテーションがガラガラと音を立てて崩れていったのは、たった一人のビデオだ。それもビデオアップ後2日ほどでタオルを投げる羽目になるほど強烈なアッパーカットだった。これほど威力のあるメディアは他にない。にもかかわらず、ソーシャルメディアスペースを気にもせず、参加もせず、モニターもしないのは自殺行為に近いとしか言えない。
広告効果が可視化できないレガシーメディアに予算をつぎ込むだけでは、ブランド認知はおろか、ブランドレピュテーション・評価が向上する可能性は著しく低い。
Source:WARC / The Digital Divide in Customer Service
Source:DailyMail / United Breaks Guitars
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