Webchutneyからインドにおけるデジタルマーケティングに関する調査、「Digital Media Outlook 2009」という資料が出ている。
インドの広告費の三分の二を支出している500の企業・広告主・マーケターを対象として、デジタルマーケティングの現状を調査している。
まず、インドのインターネット人口を4,700万人、普及率4.2%としている。が、これには口を挟みたい。
下の参考で紹介したようにIAMAI (Internet & Mobile Association of India)が今年の1月に出したI-Cube 2008で、2008年9月時点で都市部のインターネットユーザは5,700万人(アクティブユーザは4,200万人)を超えている。また、InternetWorldStatsが伝えるように、2008年11月のITUの推計では8,100万人となっている。8,100万人とすると普及率は7%となる。
参考:Internet in India 2008 (Online Ad 2009/03/11)
Source:InternetWorldStats.com
さて、2008-2009年の広告支出シェアだが、TVと印刷媒体が圧倒している。ただし、500マーケターの内82%がオンラインに予算を支出し、それは全体の5.4%にあたる。
トップ500のマーケターからすると、インターネットを利用する目的は、とに角「引合い生成、迅速対応、そしてコンバージョン」だ。次に「認知、可視化、ブランド構築」が来る。とに角、マーケティングのコミュニケーションチャネルとしてではなく、ダイレクトマーケティングチャネルとして活用しているわけだ。
そこで、どんな展開をしているかというと、ブランド専用サイトとかは当然としても、すでにソーシャルメディアを試行しているようだ。また、モバイルやバイラルもやっている。ここら辺が上の図とちょっとずれてくる。
そして、来年の広告費を予想している。2008-2009年の513.6億ルピーから10%減少し、2009-2010年は465.3億ルピーに落ち込むようだ。しかし、トップ500マーケターは前年比44%増の39.9億ルピーをデジタル部門に予定しているようだ。
これだけでも今年の5.4%から来年はシェア8.6%へ伸びることになる。
そしてトップ500マーケターが全体の三分の二を占めたままだとすると全体では62.5億ルピーに達すると見られている。
最後に各メディアごとのリーチを出している。
Source:Webchuntney / Digital Media Outlook 2009
Source:AdAge / Consumer-Goods Brands Likely to Triple Online Spending in India Next Year
最後の図に似たような図を、昔、よくご覧になったような記憶はありませんか?オンラインがどんなに逆立ちしたところで、マス4媒体にかなうわけがないと誰もが思っていた、そんな遠くない昔があった。
しかし、今、日本では新聞広告をオンラインが上回り、TV広告の次に位置するのも時間の問題だと見られている。そして、日本と同様にモバイルがリーチでもTVに肉薄しているのがインドだ。加えて、インドではすでにモバイルトラフィックの48.9%がSNSへ向かっているというデータもある。
参考:Mobile SNS (Online Ad 2008/06/05)
日本よりも時間は少しかかるかもしれないが、米国で起き、日本でも、欧州でも起きた同じパターン、レガシーメディアの衰退がインドでも確実に始まっている。
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