10年前、MITメディアラボのNicolas Negroponteは、「代理店と言われる会社はすべて滅びる」とコメントした。彼は正しかった。代理店-メディアとブランドオーナーの間に位置する仲介者-は、今日、単なる日用雑貨サプライヤーであり、我々の先達が以前そうであったようなクリエイティブなビジネスパートナーではない。簡単に言えば、代理店は昔ほど重要ではない。と、非常に刺激的な書き出しから始まる「Stop Being an Agency and Start Being an Agent of Change」という文を、AdAgeにWayne Arnoldが寄せている。
代理店がビジネスを作りだし、ビジネスを大きく変えてきた昔と比べ、代理店が主としてTV広告から収入を得るようになると、売上額や利益の少ないビジネスは、ビジネスを変革するようなアイディアを出したり、実行する代理店の能力とともに横に押し出された。と続けている。
だから、大企業のCEOがビジネスを大きくしようとするとき、誰に声をかけるかというと、それは代理店ではなく、コンサルティング会社や会計法人のコンサルティング部門だ。
それでは、クリエイティブなビジネスパートナーになるために代理店ができることは何か?
変革の代理店になるには?
そして末尾近くで、彼は、
変革の代理店はデジタル革命を取り込むべきだ。広告業界が初めてひっくり返された業界ではない。音楽ビジネスの大変身はその最たるものだ。デジタルが営業、マーケティング、物流、カスタマーサービスまで全てに影響を与えている。そして、それはビジネスを変革するアイディアを創造し たり、クリエイティブなビジネスパートナーとして代理店が信頼を再獲得する唯一のテコだと信じる。と書いている。
Source:AdAge / Stop Being an Agency and Start Being an Agent of Change
Nielsenが発表した2009年上半期の対前年比の広告費を伝えるSilcion Alley Insiderのグラフを見ると、全体で15%超の前年比減だ。CPMが高そうなメディア広告費の減少幅が大きい。CATVだけが前年比増となっているだけでインターネットも例外ではない。
Source:Silicon Alley Insider / Chart of the Day
景気が回復すれば元に戻る(はずだ)と考える向きもある。しかし、デジタル革命は広告ビジネスそのものも変革しつつある。だから、Wayne Arnoldはデジタルを取り込めと言っている。しかし、残念ながら、彼は、広告そのものの存在意義を一片たりとも疑ってはいない。
だから彼が、IBMの「The End of Advertising」や「Beyond Advertising」を読んだ後で、どのような記事を寄稿してくれるのかが楽しみだ。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
参考:Beyond Advertising (Online Ad 2009/04/30)
参考:The End of Advertising-2 (Online Ad 2009/06/04)
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