先日、当Blogの独在住読者からドイツのオンライン広告に関するレポートをいただいた。独語なので手が出ないため、レポートにあったコンタクト先、BVDWにメールを送ったところ、わざわざ英語へ翻訳したレポートを送っていただいた。Ich danke für BVDW.
追記:
上のドイツ語を「Vielen Dank, BVDW!」へ訂正します。
詳細は、「German Search Engine (Online Ad 2010/03/19)」を参照のこと。
ということで、2009年のドイツにおけるオンライン広告の現況を紹介する。
まず、ドイツにおけるオンライン広告市場は前年比12%増の40億ユーロに達している。これはTV、新聞に次ぎ三番目のメディアで16.5%のシェアを獲得している。この傾向は2010年も継続すると見られ、OVKは今年のオンライン広告規模を47億ユーロと予想している。
2005年当時、新聞とインターネット広告の差は20%以上あったが、昨年は5%弱にまで縮まってきた。今年とは言わないが、来年には順位が逆転しそうだ。
急激に伸びているオンライン広告の内訳をみると、2008年から2009年にかけて大きく存在感が増したのはビデオだ。通常のバナー、ボタン、レイヤ・フロート、ポップアップ・アンダーなどが軒並み前年比で減少しているにも関わらず、ビデオが160%ととてつもない伸びを示している。このビデオがなければオンライン広告は前年比減だったはずだ。
これほどの急増をうけてBVDWは、Screen Digestのレポートを挿入している。
Screen Digestによれば、2009年ドイツのビデオ広告市場は1億ユーロ強の英国とは開きがあるが、4,250万ユーロの仏よりも大きい。2013年には英国が3億ユーロ強で、仏が1.25億ユーロ、そしてドイツが1.38億ユーロと予想されている。
それにしても2010年から2013年の伸びを計算すると3カ国ともに2009年の2.5倍以上の規模に膨れ上がる計算だ。
さて、ドイツの14歳以上のインターネットユーザは、4,438万人、普及率68.5%だ。それを年代別にみると、14~39歳までの層は普及率90%を越えている。それよりも40~49歳の普及率が82.4%、50~59歳の普及率が67%となっている点に注目したい。
切り分けている年代が違うが、英国の普及率は45-54歳で79%、55-64歳で63%となっている。
Source:Ofcom / UK Adults' media literacy 2009 interim report
若年層はもちろんだが、中高年も欧州のインターネット先進国である英国にドイツが追いついてきたようだ。
他にもいろいろデータがあるが、コンバージョン率を取上げたものがある。
下図のトップに書籍が来ている。これはインターネットユーザの58.2%はオンラインで書籍検索を行い、そのうち38.7%がオンラインで書籍を購入したことになり、コンバージョン率は66.5%となる。
Source:BVDW /Online-Werbemarkt wächst 2009 um zwölf Prozent auf über vier Milliarden Euro
Source:OVK Online Report English
さてさて、今年は英独仏の欧州コア三カ国においてビデオ広告が肝になりそうだ。ただし、ビデオ広告だけを出せばいいというものでもない。当然、バイラルビデオの施策もあっての話だ。昨年のT-Mobileのビデオは視聴1,800万回を越えている。こんな楽しいビデオがたくさん見られるかもしれない。多分、Samsungで?あるいは日本のブランドで?
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