2008年とちょっと古いので恐縮だが、世界28カ国のCTRがある。
ソースはcomScoreだが、元ネタはDoubleClickの2008年通年のデータだ。もっとも低いCTRはノルウェーの0.07%、もっとも高いのはマレーシアの0.29%。ま、この数値が古いとは言っても、今年、ひと桁も良くなるわけはない。それどころかこれから0.1~0.01%といった間で下がると見るのが普通だろう。
Source:comScore / How Online Advertising Works: Whiter the Click in Europe?
comScoreのレポートは、オンラインディスプレイ広告の効果はCTRだけではなく、広告キャンペーンによるWebサイトビジット数、キャンペーン前後のWebサイトリーチ、検索語句リーチのリフトなどからすると米国より、欧州の効果が高いとしている。
ま、それはさておき、CTRが高いという諸国にしたところで1%も行かないのが現状だ。これがオンライン広告の現状だ。インタラクティブなオンライン広告にしてこのCTRということは、レガシーメディアの効果は推して知るべしということだ。
一方、CTRが広告効果のすべてではないことも事実だ。eMarketerのCEO、Geoff RamseyがI-COMのキーノートスピーチで、「我々はクリックの災禍から脱しなければならない。ブランディング効果をクリックだけで測るべきではない」と述べているように、VTRもあれば、comScoreが示すように様々なリフト効果もある。
Source:NewMediaAge / eMarketer CEO calls for end of measuring just clicks
ただし、ディスプレイ広告の効果を測るには、キャンペーン中のCTRやWebビジット数、検索リーチやVTRに追加して、モニタリングによるバズトラッキングが必須だろう。キャンペーン前中後のバズをモニターし、どんなバズがどこでどれくらい発生し、それは前中後でどのような推移を経たのか、競合の現状はどうなのかなど、そのデータマイニングなしに次のステップはなかなか踏み出せない。
CTR、VTR、ビジット数や販売数量などよりも、企業・ブランドの管理テリトリに入ってこないバズをモニタリングすることでのみ、薄くではあるが、ユーザに露出され、ユーザのピアリレーションズ、コネクション、ネットワークに浸透する露出効果が計れると考える。
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