全世界のTV出荷台数は2.11億台、そのうちLCDは1.46億台。Q4の出荷台数も5,000万台を越えて前年比50%増、前期比35%増と破竹の勢いだ。LCD、Plasma、OLEDなどフラットTVのシェアは75%ラインを初めて超えて、売上の90%を占めたそうだ。
なかでもLCD TVの中でLEDバックライトタイプは出荷台数の4%、金額は11%を占めるまでに成長している。
そして、ブランド別の売上ではとにかくSamsungが強い。LGEも含めてトップ5ブランドで前年比増を達成したのは韓国メーカーだけ。日本メーカーは3社とも前年比減となっている。
なお、LGEは2009年の売上シェアで2ポイントもアップして13.2%にまで達した。トップ5の中で前年同期比20%増も達成し、伸び率ではトップを飾っている。
Source:DisplaySearch / Global LCD TV Shipment Reached 146M Units in 2009
さて、LGEがなぜ2009年に伸び率トップ、年間売上シェア13.2%を達成したかというと、2008年12月11日に出ているプレスリリースからうかがい知ることができる。
初めて世界市場に向けて「stylish design and smart technology」というブランドIDを掲げ、11月から英国でプリント広告キャンペーンを開始、12月から英、仏、豪、ブラジル、露でTVキャンペーンも開始する。
フォーカスする製品は以下の通り。
- タッチスクリーンの携帯
- TV
- 洗濯機
- HDサウンドのホームシアター
そして、今は閉鎖されているが、マイクロサイトも立ち上げていたようだ。また、面白いのはConde Nastとタイアップして、VogueやVanity Fairなどでプレースメント広告などもやり、5年間のF1スポンサーシップも契約して長期間のブランドキャンペーンを継続する。
という内容だ。
Source:LGE / LG Electronics Launches Global Brand Campaign Based on News Brand Identity
各国で行われたこういったブランドキャンペーンがLGEの売上シェアに直結したと短絡するつもりはないが、消費者心理が冷え込んでいた2009年に売上シェアを2ポイントも伸ばし13.2%に達した主要な原動力になったことだけは間違いのないところだろう。
そして、LGEのオンラインバズはSamsungのそれと拮抗している。過去6カ月においてLGEは約100万件、Samsunは約114万件だ。両社のバズシェアはLGE47%に対してSamsungの53%となっている。どのカテゴリも同様のシェアなのだが、唯一、Twitterバズは違う。LGEが74%に対してSamsungは26%でしかない。
バズは広告・広報・イベントキャンペーンなどがトリガーとなるが、それを拡張、拡大、共有、再露出してくれるソーシャルメディアユーザを忘れてはいけない。そして、そのバズはユーザマインドにしみこみ、ブランド認知、想起などへつながってゆく。
SamsungがCESのプレスコンファレンスをTwitterで同時中継したことは「Samsung Twitter Press Conference」で紹介した。そのSamsungをニュース配信プラットフォームとしてFacebookの上を行くTwitterバズで圧倒しているLGEのTwitterマーケティングや、広告キャンペーンの物量で勝るSamsungにどのようにLGEが対抗し、これだけのオンラインバズを発生させてきたのか、興味が尽きない。
参考:Samsung Twitter Press Conference (Online Ad 2010/01/08)
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