2010/03/12

Travel Promotion Act Signed

3月4日、オバマ大統領は「TPA(Travel Promotion Act:観光促進法案)」に署名した。
President Obama signs the Travel Promotion Act
米国は今まで日本を含む諸外国のように「Visit Japan」や「Visit Britain」といったキャンペーンをしてこなかった。そんなことをしなくても海外からの観光客が米国を目指していたわけだ。

ところが、世界中の観光客は2000年の1.5億人から2009年には1.9億人へと4,000万人も増えている中、9.11や不況の影響もあるが、米国への観光客は2,600万人から240万人も減って、2,350万人強へと落ち込んでしまった。
無策だった米国に引き換え、諸外国はその間しっかりと観光客誘致に金を使っていた。
もし、観光客が増えた世界のトレンドに歩調を合わせていれば、それだけで米国には合計6,800万人も多い観光客が訪問していたし、44万人の雇用も確保できたはずだ、ということで、今回のTPAにつながっている。

Source:Marriott on the move / Great News
Source:U.S. Travel Association Blog
Source:The Power of Travel / TPA Overview

このTPAが計画通り実施されれば、年間で160万人の観光客を増やし、飲食、宿泊や土産物など新たに40億㌦の金が落ち、そして、4万人の雇用が生まれると期待されている。ただし、これはビザなし渡航者から10㌦徴収し、それを観光振興にあてるという全く米国のことしか考えていない、人の褌で相撲をとるといった法案なので観光客が減るかもしれない。

さて、一方、日本のほうはどうかというと、今年1月の訪日外客数は64万人で前年比10.3%増と幸先のよい出足となっている。が、今年、1,000万人という大目標を達成するには前年の679万人比で40%増以上を達成しなければならない。

Source:日本政府観光局(JNTO)

さて、今後、曲折はあるだろうが、TPAが署名から6か月以内に本当に実施された場合、少なくとも初めて、訪米観光キャンペーンが実施されることは間違いがない。そして、その場合、影響は少なくない。

SNSやBlogに力を入れる英国があり、初めて本格的に外客誘致を行う米国がいる。今年、Visit Japan Yearには強敵が多く、既存キャンペーン、マーケティングで優位に立つことは難しい。

参考:Social Media for Visit Japan Campaign (Online Ad 2010/02/12)

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