2010/06/25

2010 Green Brands

Cohn & Wolfe、Esty Environment Partners、Landor、Penn Schoen Berlandが、豪、ブラジル、中国、仏、独、インド、英、米の8カ国、9,022人 を調査したGreen Brands、消費者の製品および企業ブランドイメージの結果が出ている。

さて、どの国でも消費者は、グリーンよりも経済に関心を寄せている。が、インドとブラジルは違う。両国共にグリーンへの関心が50%を超えている。
しかし、各国ともに60%以上の消費者は、製品購買の段になると、グリーンが「とても重要」、「ある程度重要」になると回答している。先進国よりも、これからの各国にその傾向が強い。
ところが「グリーン」が錦の御旗になるわけではない。消費者が考える企業のトッププライオリティは、「企業が価値を提供するか」だし、「信に足るのか」だ。「環境意識が高いか」は4番目でしかない。
だが、消費者の少なくとも30%、特に中国、インド、そしてブラジルの消費者は70%以上が、来年、グリーン製品をもっと購買しようと予定している。
各国ごとのグリーンランキングを見ると、当然、ドメスティックブランドが各国で強いのだが、他国でランキング上位に顔を出すブランドもいる。まず、IKEAがそうだし、Nokia、Dove、MSなどがそうだ。日本ブランドは、TOYOTAが豪でトップに、そしてフランスの10位に顔を出している。しかし、IT・エレクトロニクスメーカーで顔を出しているブランドはない。ところが、インドでLGが7位に顔を出している。
スライドはこちらへ。
Source:Cohn & Wolfe / 2010 ImagePower Green Brands Survey

したたかな各国の消費者にグリーンで訴求するのは一筋縄ではいかないことは明らかだ。製品・サービスから価値を提供し、それに加えコミュニケーションメッセージに信頼がなければならない。そして、その当然至極のベースラインにグリーンが来る。

そのグローバルランキングに日本ブランドはToyotaしか入っていない。一方、LGがインドで7位に入っている。日本のグローバルなエレクトロニクスブランドは1社もランクインしていない。

価値がある製品・サービスを提供することは日本ブランドの最も得意とする点だが、各国の消費者に刺さる、響くコミュニケーションメッセージを送り、それを信頼してもらう、共有してもらえていないようだ。この調査対象国という、現在、そしてこれからの消費を先導する国々で、コミュニケーションメッセージが共有されていない。これらの国々は一カ国だけで孤立して存在しているわけではない。様々なチャネルを通して、各国でメッセージが共有されている。

そのコミュニケーションメッセージが露出、消費、共有されるスペースは既存レガシーマスメディアなのか、それともソーシャルメディアスペースがボリュームを膨らませているのか。また、そのコミュニケーションメッセージをテコ、バネにして、エンゲージメントを生成、加速するのか。そういった判断と必要な組織を準備しない限り、来年のグリーンランキングにも、再来年も、その先も、日本のグローバルブランドがランクインする可能性は少ない。

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