「なんと親切な人たちばかりなのでしょう。ドイツの人たちは」と、いつも思うのだが、例えば、世界の果てから日本の本社に問合せをした場合、同じような対応が期待できるのだろうかと考えてしまう。それも日本語文書を英語に翻訳した上で送ってくれるかと...。
さて、まずドイツのTVとインターネット事情を示してくれるものがある。73%の消費者は少なくとも週に一度はTVとインターネットを同時に利用している。また、49%はTVをつけながらSNSを利用している。もちろん、これには、iChange、iPhone、iPadは含まれていない。
そして、TVスポットを打ち、Facebookで活動しているブランドを調査した平均を出している。ブランドには平均3,578人のファンがおり、1週間に114人増えている。ブランドから週に3本ポストやコメントがあり、それに対して93人が「Likes」とし、52人がコメントし、8人が新しい書込みをしている。インタラクション率としては4.3%となっている。
また、ブランドの三分の一は2010年に入ってからFacebookページを開設したばかり。三分の二は企業Webでリンクを出していて、五分の三はホームページにリンクしている。また四分の一はFacebookでの共有を提供しているそうだ。
これを見ると、TVで露出しているブランドはソーシャルメディアスペースにも参加していることはしているが、それがFacebookまで含んでいるケースは少なく、そのFacebookでの実績もまだまだ米国企業との差は大きいようだ。
ただし、Facebookに参加することは単なるリーチ獲得・拡張ではなく、企業・ブランドごとに何らかの戦略を持って参加しているわけだ。そこら辺を詳しく見てみると4つの特徴的な戦略が導き出せるとしている。それが次のスライドだ。
戦略なしのパッシブ、プッシュ戦略のセンダー、プル戦略のホスト、そして会話戦略のフレンドブランドに分類している。
- パッシブブランド
調査対象ブランドの八分の一。
ユーザがブランドファンになるためのチャネルとしてテンポラリに開設。
- センダーブランド
調査対象ブランドの二分の一。
Facebookを情報発信チャネルとして定期的に利用中。
- ホストブランド
調査対象ブランドの八分の一。
Facebookウォールなどをユーザに開放し、書込みやファンページとのやり取りを促進中。
- フレンドブランド
調査対象ブランドの四分の一。
ファンやユーザと会話し、質問し、ユーザの声を聞こうと活用中。
最後に4点を挙げてまとめている。
- 巨大TVブランドもさほど後れてはいない
- やり取りを活性化するためにブランドは行動すべき
- ソーシャル化でユーザチャネルを開設するだけではなく
- 目的、戦略が重要
Source:Zucker Kommunication / Presentation
(注:いつもなら直URLを掲載するのだが、今回はメール添付データなので、Box.netにアップしたリンクを掲載している)
さて、このレポートには26のブランドが比較されている。BMWが最も多い2.2万人以上のファンを抱え、もっとも少ない173人のファンを抱えているのはKiKだ。レポートでは「巨大TVブランドもさほど後れていない」とは言うが、BMWにしても米企業と比べれば大きく立ち遅れている。
ドイツブランドが求められている積極的な参加、活動は、日本ブランドに求められているものと同じだ。
しかし、Volkswagenはちょっと違う。(Volkswagenはレポートに含まれていない)
6月12日にFacebookに開設したページは、世界中のターゲットにブランド体験を提供するため、「公式言語は英語」だと宣言している。そして、2011年モデルのPolo GTIキャンペーンをFacebookのみでやるようだ。
Source:AutoEvolution / 2011 VW Polo GTI Breaks Cover on Facebook
GAPもFacebookのみのキャンペーンをやっていたことがある。しかし、それは国内向けだった。ところが、ソーシャルメディア対応が遅れていると見られるドイツのブランドであっても、先進ブランドはGAPの上を行く戦略を実行してくる。そして、その実績、成果が将来、共有されてくる。それは何も自動車メーカーだけではなく、エレクトロニクスメーカー、B2Bの巨大ブランドも学んでくることは確実だ。それもドイツだけに限った話ではない。
もう、おいてけぼりを喰らうのはひょっとすると日本ブランドだけになるのでは...?
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