2010/07/20

Mobile & Facebook in Indonesia

The EconomistグループのThe Economist Intelligence Unitから、「Digital economy rankings 2010」というレポートが出ている。

2000年から世界70カ国の急増するICTの経済に対する影響を分析する「e-readiness rankings」として出されており、2010年の今年、名称を変更されたレポートだ。6つのカテゴリ、「接続性、技術インフラ」、「ビジネス環境」、「社会・文化環境」、「法的環境」、「政府ポリシー・ビジョン」、「消費者・企業の適用」をベースに各国のスコアを算出し、ランキングしている。

上位に北欧と米国が座り、6位以降に香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、台湾と来て、13位に韓国が入っている。日本は韓国に後れて16位だ。
Source:Economist Intelligence Unit / Digital economy ranking 2010

各国ともにICTを活用して経済を活性化させようと努力している。特にインターネット、およびコンピュータ教育には多くの予算がつぎ込まれている。

ところで、調査対象国70カ国の中で多分、もっとも英語能力が低いのは日本のはずだ。どんなにインターネットのインフラ、パソコンのスキルを向上させたところで、英語ができない限り、国内の情報・コンテンツしか入手、消費できない。最新情報を入手して、諸外国のビジネスパートナーとの新しいビジネスを始めようにも、最新トレンドに即したマーケティングを始めようにも、大きな壁にぶつかることになる。

国としてのランキングが上ったところで、ガラパゴス現象から逃れられるわけではないな、と考えていたところ、刺激的なコラム、「Social networking innovation in Jakarta」があった。要約すると、
ジャカルタに住む900万人の3分の1はBlackBerryを持っているし、他の住民も数百万のスマートフォンを所有しているので10人に9人はモバイルユーザだ。ジャカルタの人間は携帯からのテキストメッセージとモバイルFacebook利用において世界最先端の都市住民となっている。

世界200カ国にキャンペーンを展開しているシンガポールベースのモバイルマーケティング会社(BuzzCity)によると、2010年Q1だけでインドネシアは28億impression(広告)を消費している。これは二番目の市場、インドの約3倍にあたり、全世界シェアの35%を占めている。
そうだ。

そこでBuzzCityのデータを見ると、Q2までにインドネシアは約44億impressionを配信されて、前年比52%増のようだ。その伸びを凌ぐのがインドで約22億impの98%増となっている。ベトナムに至っては273%増の2.7億impだ。BuzzCityの場合、Q2までの総配信数は128億impとなっている。
Source:BuzzCity / 2010Q2

AdMobのデータを見ると、インドネシアは3位で5.3%、約11億広告impressionが配信されている。AdMobの場合、5月の総配信数は206億impとなっている。
Source:AdMob / May 2010 - Worldwide and Country data

そして、CheckFacebookによれば、インドネシアのFacebookユーザ数は約2,590万人。英国の2,650万人にあと60万人の差でしかない。今年中には英国を抜き、世界で2番目のFacebook大国になりそうだ。
Source:CheckFacebook.com

今、モバイル、Facebookで括れそうな状況がインドネシアにある。

東南アジアを管轄するシンガポールに拠点をおく日本企業の支社が、モバイルやFacebookを活用してマーケティングを実施するのだろうか?

そうなった場合、XXX(企業名)シンガポール、あるいはXXX(企業名)インドネシアといったFacebookページであったとしても、世界中のFacebookユーザがアクセスすることになる。世界中のユーザが、インドネシアというローカルなブランドの情報・コンテンツを共有することになる。

Facebookのようなソーシャルサイトにおいて、テリトリベース、ローカルなブランドコントロールは機能しない。そこで機能するのはグローバルなブランドコントロールだけだ。

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