EIAAが6月10日にロンドンで、「Online Video Advertising Forum」を開催していた。いくつかプレゼン資料がアップされている中から、衛星・地上波TV局がこぞってオンライン化を促進し、積極的にマネタイズしようとしている現状と今後の売上予想をしているScreen Digestの「Emerging trends in Online video」を紹介する。
2009年、欧州におけるオンラインTV(番組)売上は前年比倍増している。中でもプリロールなどの広告付き番組ビデオが売上の大半を占めている。と言っても、最大の英国で1億ユーロを越えたばかりだ。スペインはまだ始まったばかりと言った状況だ。
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そして、これからも行け行けどんどんかというとそうでもない。英国の視聴時間予想を見ると、2014年でも2010年の倍までは伸びそうにない。UGCビデオの伸びに頭を押さえつけられているかのようだ。と言っても、年間視聴時間が30億時間を越えるとUGCビデオも伸びは縮まってくる。
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そして、1時間番組当たりのスポット数を見ると大きくばらついている。米国のABCやCBSの倍近いスポットを入れているITV、Prosieben、Mediasetもあれば、TF1のように1本というところもある。これはスポット数を増やすと視聴者が減るのではないかと言う心配が頭をもたげてくるからだ。特にオンラインでは別タブ・ウィンドウへ移ることが簡単だし、第一、最初からマルチタブ・ウィンドウで視聴しているユーザもいるからだ。
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最後に2014年での予想を立てている。欧米6カ国のいずれでもオンラインTV(番組)売上は3%以下とされている。通常TVスポット売上がどの国でもシェアが落ち、Pay TV Subscriptionがシェアを伸ばすと予想されている。
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Source:
EIAA / Online Video Advertising Forum - Screen Digest (pdf)
どうやらTV局にとってオンラインTV売上が救世主になるとも言えないようだ。
人口6,100万人の英国には4,700万人程度のインターネットユーザがいる。現行76%程度の普及率は2014年までに伸びたとしても80%程度までだろう。4,800万人強のユーザが32億時間オンラインTV(番組)を見ると、1日当たり約11分となる。それで3%以下の売上だとすると高が知れている。
これが1日当たり1時間になり、15%強の売上になったとしても、通常TVスポットが喰われるだけだろう。同じパイの喰い合いになるだけだ。UGCビデオをなんとか取り込むことでしかパイを大きくすることはできそうにない。
日本ではNHKなどもこぞってオンデマンド番組供給に舵を切っているが、将来予想はどこまで、どのようにしているのだろう?ま、NHKはよしとしても民放各局はちょっと心配。
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