その際、Virginは、Twitterユーザのインフルエンス度を分析、情報を提供しているKloutと連携している。Kloutは何をやっているかというと、たとえば元Forrester、現AltimeterのCharline LiのTweetを分析し、メッセージリーチ、総RT数、ユニークRT数、ユニークメンションなどから、Kloutスコア40とし、彼女を「Thought Leader(実践的先駆者)」だとしている。
Source:Klout / charleneli
そのKloutを使い、Virgin Americaブランドや直行便就航に関するバズ生成を仕掛けたわけだ。
Kloutがインフルエンサーとして抽出したユーザにemailが送られて、下のページに誘引されたそうだ。
Source:Klout / Virgin
誘引され、Virgin Americaのキャンペーンに参加したユーザは、SFOあるいはLAXからトロントまでの無料往復航空券(Wifi込)がもらえ、トロントで予定されている就航記念イベントへ招待されることになる。
このキャンペーンは、Kloutだけではなく、Mashable、LA Times、BNETなど各種メディアが報じ、期待通りのバズが発生したそうだ。
Source:The Big Money / Virgin America Sucks Up to Canadian Tweeters
このキャンペーンで最も注目すべきは、Influencer Code of Ethicsにある下の文だ。
If you accept the offer you are not required to do anything. We do not want to "buy" your tweets. You are receiving the product because you are influential and have authority on topics related to the product. This is a more targeted form of receiving a sample while shopping at the grocery store. You are welcome to tell the world you love the product, you hate the product or say nothing at all.「キャンペーンに参加しても何もしなくてもいい。良く言っても、悪く言っても、あるいは何も言わなくてもいい」が、「キャンペーンについて何かを発信する際は、臨時収入を得ることを明記するよう要請する」というのは、FTCが要求する開示条件を満たしながら、「ユーザ評価、意見、苦情などをブランドがコントロールしない、できない」と明示していることだ。
If you decide to talk about the product we will ask you to disclose that you received a sample (http://www.cmp.ly/2/va). We will send you more information about this when we ship the product.
BloggerやTwitterを金で買い、企業・ブランドに都合のよいことを並べ立てさせるネガティブをようやく理解してきたケースが出てきたということだ。皆、同じコンテンツをコピペし、似たり寄ったりのBlogやTweetに金を払う、スペースや時間枠を買うという、レガシー広告・広報・マーケティング手法をベースとしたやり方では、何も共有してくれないし、何も拡散してくれないことを学習してきたわけだ。
もう、そんな時代ではなく、企業・ブランドがコントロールできないスペースで会話やエンゲージメントが成され、情報やコンテンツが共有されていることを1社が学習し、実践した。しかし、この1社でことは済むだろうか?
この1社の実践例は、他の多くの企業に共有され、学習されてゆく。そんな時に、あくまでもPPP(Pay per post)を押しとおしたとしても、ネガティブ臭がプンプンの記事になびく、踊らされるユーザ数は少なくなるばかりだ。いつまでもBloggerを束ねたマーケティングを企画しても効果は薄い。
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