Goldman Sacksであれ、BPであれ、Toyotaであれ、いかなる企業も企業としての存在が危ぶまれる危急存亡の時を迎える可能性がある。
そしてその対応を間違えると以下のようなビデオの餌食になってしまう。
つい先日、ソーシャルメディア対応を紹介したばかりのJohnson & Johnsonだが、小児用タイレノールのリコール問題で揺れている。
参考:Johnson & Johnson in Social Media (Online Ad 2010/05/06)
J&JのCEOは米議会の公聴会で証言させられたし、CNNによれば刑事告発、起訴の可能性もあると伝えている。なんだか、ついこの間、Toyotaのリコールに関連して演じられたシーンが再現されているような気がする。
Source:Pharmalot / How Can J&J Recover From The Recall Scandal
Source:CNN / Tylenol recalls referred to FDA crime division
さて、IPR (Institute for Public Relations)から、Crisis Management and Communicationsというレポートが出ている。2007年10月30日付けなのでもう3年も前のものだが、基本中の基本が列挙されている。
その中に、「コミュニケーションチャネル」というセクションがある。危機発生時には専用Webサイトを立ち上げて必要情報を供給し、社員などに情報提供するイントラネットを立ち上げ、そして、社員および他ステークホルダーに情報提供するマス通知システムを準備することが挙げられている。
そして、「初期対応」セクションの中には、「インターネット、イントラネット、そしてマス通知システムを含み、利用可能な全てのコミュニケーションチャネルを利用すべし」とある。
Source:Institute for Public Relations / Crisis Management and Communications
3年前に作成されたため、このレポートにはソーシャルメディアが考慮されていない。揚げ足取りのビデオ、悪意のこもったSMやBlog、Facebook、Twitterなどでの書込み。それらが共有されるスピードや広がりが考慮されていない。そして、それら膨大な露出と共有により、生起されるブランド価値の毀損、ブランド損失の大きさが考慮されていない。
また、企業・ブランドのファン、ロイヤルユーザといったホワイトナイトに活躍してもらうプランが見えない。Toyotaがリコールでやり玉にあげられていた時、米国のトヨタ車オーナーが何を言い、書いていたのか知っていますか?大半のオーナーはトヨタ車の信頼性、安全性、経済性、乗りやすさなどブランド体験を書き連ね、リコールは一部のものだとトヨタを擁護していた。金では買えないそんなオーナー、ユーザの声を危機発生時にどう活かせるのか、どう活かすべきかのプランが見えない。また、危機が鎮静化した後のブランドレピュテーション回復時にもこういったホワイトナイトユーザに活躍してもらうステージがあるはずだが、そういった面でのプランも検討されていない。
この3年間の間に起こったパラダイムシフトは、企業・ブランドが活用していたコミュニケーションチャネル自体を変革し、ソーシャルメディアチャネルの存在を大きくクローズアップした。このソーシャルメディアチャネルに対応する新しい危機管理計画が必要だ。そして、それは国内向けというよりも、日本国内以上にソーシャルメディアが席巻している海外市場を第一に考えたものであるべきだ。
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