視線ヒートマップでお馴染みのEnquiroから新しいホワイトペーパーが出ている。B2B購買決定者の100人に対してディスプレイ広告の文脈関連性の効果を調べたものだ。
まず最初に、面白い結果が出ている。それは、文脈に関係のない広告を露出された場合、関連のある広告より16%も広告想起が高いという結果だ。これはなぜなら、場違いの広告を露出された調査対象者は、その広告を理解するため5%も長く広告を視認するためだ。ある種の「驚き」が注意を喚起するわけだ。
ただし、この手法はオフラインおよびオンラインで膨大な露出を行っているビッグブランドだけにメリットのある話で、中堅以下のB2B企業には適応できない。
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次に広告メッセージの助成想起だ。上記のとおり、文脈に関連しない広告の初期認知は、関連する広告よりも高い。しかし、広告メッセージの段になると、文脈に関連した広告の助成想起は関連しない広告よりも52%も高い。それだけB2B購買決定者にとって文脈に関連する広告メッセージは力がある。
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さて、B2Bの購買決定者は、自身でもベンダー調査を行い、仕様やベンダー選択条件を決定し、最終的にベンダーを決定する前までの候補リスト作りに強く係わっている。文脈に関係しない広告と、文脈に関係する広告のベンダーを候補リストに加えるかどうかが、ベンダーにとって重要なポイントだ。この点で文脈に関連する広告のベンダーが候補リストに挙げられるのは、文脈に関連しない広告のベンダーよりも28%も高い。
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最後に広告を露出されていないコントロールグループも加えて購買意思を比較している。コントロールグループをベースラインとすると、文脈に関連する広告のベンダーから購買するのは24%のアップリフト、関係しない広告のベンダーは12%のダウンとなっている。
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Source:
Enquiro / Display Advertising - Does Contextual Relevancy Make a Difference? (pdf)
文脈に関連するディスプレイ広告が優位だということは分かっているから、物足りなさが残る。どういったジャンル、スペースでディスプレイ広告が露出されているかということが問題だ。マスメディア系サイト、業界サイト、Blog/SNSなどのWeb 2.0系サイトでそれぞれ特徴のある露出が行われているだけに、次回のホワイトペーパーに期待したい。
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