まず、現在、デジタルチャネルでのマーケティングがどれくらい実施されているかを訊いている。それによると、すでに50%以上がデジタルだというマーケターが26%もいる。そして、今後12ヶ月間にどうなるかを訊くと、50%以上と答えたのは39%に達する。
それだけ、今、消費者やユーザがいるスペースがどこなのかの認識はあるわけだ。
そして、消費者やユーザが集い、コンテンツを共有、再配信しているデジタルスペースで露出する戦略をパートナーとして一緒に担ってくれる広告代理店に望むリストを挙げている。
- デジタルスペースの知識
下図にあるようにインタラクティブ広告およびマーケティングを実施する代理店の能力に66%の企業・マーケターは満足している。しかし、現在の代理店に満足していない企業が34%もいるということだ。そして、今後あるいは過去12ヶ月間に代理店を替える、替えた企業は45%もいる。
調査対象者の79%は、「インタラクティブ・デジタル」機能は「重要・とても重要」だとしている。 - 「Pull」戦術の利用
従来からの「Push」ではなく、ソーシャルメディアおよびオンラインコミュニティにおいて、ユーザと「Pull」型によるブランド接触が、ますます重要になっていると感じる企業は90%に達している。 - バーチャルコミュニティ活用
ターゲットオーディエンスをより理解するためにバーチャルコミュニティに興味を示す企業は94%。 - 代理店が推奨する技術を代理店のエグゼクティブが利用しているか
Facebook、Flickr、Wikis、Blogといったツールを推奨する代理店の営業自体が、個人的なソーシャルメディアミックスとして使っているかどうかを「ある程度」、あるいは「とても重要」だと判断する企業は92%もある。 - 代理店にCDO (Chief Digital Officers) がいるかどうか
CDOがいる代理店がアピールするという企業は43%いる。 - Web 2.0およびソーシャルメディアに精通しているか
代理店選択に際して、Web 2.0およびソーシャルメディアに精通しているかどうかが「重要」、「とても重要」だとする企業は63%。 - 消費者行動を理解しているか
オンラインのデジタルマーケティングおよびインタラクティブ広告の経験、知識を「重要」、「とても重要」だとする企業は76%。 - 戦略の計画能力はあるのか
代理店に望むリストのトップに戦略の計画能力を挙げる企業は77%。 - ブランディングおよびクリエイティブ能力はあるのか
代理店に望むリストのトップにブランディングを挙げる企業は67%、そしてクリエイティブを挙げる企業は76%。 - 効果測定能力はあるのか
代理店に望むリストのトップに効果測定能力を挙げる企業は65%。
Source:MarketingCharts / Marketers' Top 10 Wish List for Agencies of the Future
CDOというのは初耳に近い職だ。既成メディアでは必要のない職、そしてその職を担当する戦略と技術を理解する担当管理職が必要な時代なのだ。ま、CDOという担当者がいなくとも、上に挙げられた10項目のほとんどを満足しない限り、Web 2.0時代の代理店は務まらないということだ。
さて、デジタルスペースに関する現在の代理店の知識、経験に満足していない企業が34%もいるということだが、もし、満足している66%の企業に十分な情報、知識がなく、代理店の能力を判断できていないとしたらどうだろう。
個人的に見ると、満足していない34%の企業はオンラインスペースの現状を理解しているが、逆に満足している66%は理解していないのではと考える。なぜなら、まだまだWeb 1.0的オンライン露出や、既成レガシーメディアを活用している企業が大半を占めているからだ。広告というメッセージの押し付けでの露出がまだまだ大半を占めており、オープンで公正な対話チャネルを構築するレベルまでに至っていない企業が大半だからだ。
企業および代理店の双方で、特に海外デジタルスペースの知識、経験はまだ少ないと考える。しかし、灼熱の坩堝の中で効果測定を行い、新しい提案を続々と挙げてゆく代理店と、その代理店と一緒に新しい企画や戦略を構築してゆく企業は、足踏みを続ける代理店や企業との間に大きなブランドギャップを作り上げていくだろう。
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