今年の5月にEfficient Frontierが「Search Syndication and Traffic Quality」と題してエントリを書いている。
MSNを除き、Yahoo!もGoogleも検索結果を表示するシンジケーションを擁している。ISPであったり、メタ検索エンジンであったり、他検索エンジンのこともあるし、メディアサイトもある。ドメインパーキングサイトもあれば、ShopzillaとかeBayといった小売サイトのこともある。
2007年Q4にYahoo!がeBayに検索広告を提供するようになってから露出インプレッションは増加したが、当然ながらCTRは下がった。検索エンジンを使って検索を実行した結果が表示されるページに表示されるリスティング広告より、eBayなどでの製品ページの末尾に出てくる検索広告をクリックするユーザは少ないからだ。
そこで、EfficientFrontierは、各検索エンジンごとのシンジケーション数、自然検索結果からのクリックおよびコンバージョンを比較している。
サンプルした広告主のケースでは、下のようにGoogleは431、Yahoo!は1,196のシンジケートが絡んでいる。自然検索結果からのクリック比率はGoogleで59%、Yahoo!で45%しかない。
Googleの場合は41%、Yahoo!の場合は55%がシンジケートした他Webサイトからクリックされていることになる。また、自然検索結果からのコンバージョンはGoogleが75%に対してYahoo!は58%しかない。これもGoogleは25%、Yahoo!は42%がシンジケートからのコンバージョンということだ。シンジケーションから生起されるクリックやコンバージョンは、自然検索結果には及ばない。
検索広告のCTRが低下するのはもっともだ。
Source:Efficient Frontier / Search Syndication and Traffic Quality
しかし、Googleは今年はじめからシンジケーションの数を減らして質を高めようとしている。3大検索エンジン中、唯一前年比12%もCTRを向上させている。検索結果露出インプレッションを8.8%低下させ、クリックボリュームを2.2%増加させたわけだ。PPCだといってもCTRが下がってはビジネスを拡大してゆくのは難しい。
それと比べるとYahoo!は露出インプレッションを増やし、クリックを稼ぐ方針に変更はないのでCTRは最低のままだ。
Source:Efficient Frontier / Search Engine Performance Q2 2008 (pdf)
さて、ClickForensicsによれば、Google AdSenseおよびYahoo Publisher Networkといった検索コンテンツネットワークのクリック詐欺率は下がってはいるがQ2で27.6%にも達している。中でも「botnet」トラフィックが25%を超えたそうだ。
Source:ClickForensics / Click Fraud Index
検索広告には、シンジケーションがらみのクリックのクオリティとクリック詐欺という大きな2つの問題がある。それに加えてROIもある。PPCだからクリック数に応じて金を払うだけだからROIは高いと考える向きには、下のスライドはどう映るのだろう?
Source:Brighttalk / How to Get High Natural Search Engine Ranking (登録必要)
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