このホワイトペーパーは底知れぬ金融危機を迎えたマーケターが検討すべき戦略、戦術をリストアップしているのだが、その戦略へ行く前に、大きな流れ、トレンドを説明している。まず、各調査会社の今年、来年の広告費を上げている。基本的に弱含みだと見られ、昨年までの力強さはない。
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と、ここまでは大方の予想通りの数字、予想が並んでいる。しかし、注目したいのは下の数字だ。
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この「インタラクティブ/オンラインマーケティング」にオンライン広告は入っていない。オンラインもオフラインもすべて「広告」にくくられている。上にあるようにオンライン広告の伸び、シェアは増加するだろうが、「広告」枠内での話だ。
IBMが「The End of Advertising」というペーパーを出して、「マスメディアというコンセプトは終了した」と宣言したようにオンでも、オフでも広告、すなわち一方通行のメッセージ配信の時代は終了した。オンライン広告のCTRやVTRが下落傾向なのはそれを如実に現している。
参考:The End of Advertising (Online Ad 2008/08/29)
米国企業が「インタラクティブ/オンラインマーケティング」でやろうとしているのは、ブランド認知や販促といった側面もあるだろうが、本質は顧客の意見、アドバイス、批判などの洞察を獲得して製品改善、新製品開発、顧客マネージメントに活かすことだし、オープンなコミュニケーション、会話を通して企業・ブランドとのエンゲージメントを強化し、コンテンツ(ブランド)の消費や流通、再発信に参加して(させて)もらう、共有して(させて)もらうという目的がある。
オンライン広告を出せばWeb 2.0スペースへ参加できるのではない。Blog/SNS/Forum/Communityへの参加なしに、単にそれらにオンライン広告を出している企業・ブランドと、既存サイトへの参加だけではなく独自のメディアとしてBlog/SNS/Forum/Communityを構築している企業・ブランドとのギャップは否応もなく広がってゆく。
金融危機以降、効率重視のメディア選択が一層、強化されるとともに、自前メディアを積極活用するマーケティングが主流となる。媒体費の要らないメディアを持っていることに気づかない企業・ブランドはWeb 2.0スペースでのブランド認知は低下し、顧客ロイヤルティあるいはブランドの評価は低下するしかない。
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