マーケターがビジネスを伸ばすため、どのようにしてソーシャルメディアを利用しているかを調査したものだ。ただし、回答者880人の70%は従業員100人以下の中小企業経営者(このうちの7割=全体の49%は自営)だ。かなりバイアスがかかっていると感じられるかもしれないが、ソーシャルメディアへの取り組みに中小も大企業、グローバル企業も関係ない。あるのはタテ割り組織、サイロ同士の風通しが悪いことぐらいだ。
それは下の10項目を見れば一目瞭然だ。これはマーケターが答えてもらいたい10の質問をリストアップしたものだ。ここに企業規模の大小は全く関係ない。
- ソーシャルメディアの最善戦術は?
- ソーシャルメディアの効果測定方法は?
- まず何から始めれば?
- ソーシャルメディアでの処し方は?
- 利用できる最善のサイトおよびツールは?
- ソーシャルメディアマーケティングにかかる時間にどう対処すれば?
- ターゲットオーディエンスを見つけ、集中するには?
- ソーシャルメディアマーケティングをちゃんとした有形の結果へ転換するには?
- 各ソーシャルメディアマーケティング同士の連携方法は?
- ソーシャルメディアマーケティングは効果があるのか?あるとするとどれくらい?
- 部外者に価値を理解させ、協力してもらうには?
- これからの見込みは?
- 複雑なソーシャルメディアマーケティングの管理方法は?
- トラフィック誘引策は?
- コスト効果はあるのか?
ソーシャルメディアマーケティングを利用しているのは88%、従業員100人以下の中小企業経営者の場合は90%を超えている。
これまでのソーシャルメディア利用期間を尋ねると、72%が始めたばかり、あるいは始めてから2~3か月のマーケターだ。始めたばかりのうち、30.2%は自営マーケターで、初めて2~3年のうち、従業員100人以下の中小企業経営者は29.3%となっている。
次にマーケターがソーシャルメディアを利用している時間だが、64%が週に5時間以上、39%が週に10時間以上費やしている。20時間以上という兵も9.6%いる。
これを「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」で比較すると、それぞれ週に2時間、週に10時間、週に20時間以上と分かれてくる。
さて、誰もが聞きたいであろう「ソーシャルメディアマーケティングのメリット」は何かという問いだが、トップに来るのは「自社(自営)ビジネスの露出増大」だ。「トラフィックなど増加」「パートナー獲得」などに続き、「検索ランキングアップ」が入っている。
その「自社(自営)ビジネスの露出増大」だが、ソーシャルメディアマーケティングの利用期間によって大きく差が出ている。これを従業員100人までの会社経営者からすると、ビジネスの露出増大に役立ったと84.8%が「強く同意」している。
そして、ソーシャルメディアマーケティングが商談をまとめる役に立ったかどうかを「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで比較すると、「始めてから2~3年」は61.62%も「強く同意」している。が、「始めたばかり」はたったの2~3%しかいない。また、16時間以上ソーシャルメディアを利用している層は50%以上が「強く同意」している。
これ以外にも「ビジネスパートナーの獲得」、「可能性の高い引き合い獲得」、「マーケティングコスト削減」に役立ち、「検索ランキングアップ」、「トラフィックなど増加」などにソーシャルメディアマーケティングが役立ったと「強く同意」する回答者が多い。
そして彼らマーケターたちが使っているツールは以下の通り。「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで見ても、上位4ツール、Twitter、LinkedIn、Blogs、Facebookの順番は変動するが同じだ。
そして彼らが学びたいと思っているツールは以下の通り。この点は、「ソーシャルメディアマーケティングを始めたばかり」「始めてから2~3か月」「始めてから2~3年」のグループで若干違ってくる。初心者はTwitter、中級者はソーシャルブックマーク、上級者はFriendFeedやStunbleUponがトップに入ってくる。
Source:DirectNews / Online Marketer Turning to Social Media
Source:Marketing Whitepapers (pdf)
マーケターは自営であろうが、零細・中小・中堅・大企業であろうと今、最善の戦略、戦術を常に求めている。そして新しいツール、サービス、ユーティリティを勉強しようとしている(はずだ?)。
そこに違いはないが、あるのは流れを理解できない、あるいは流れを止めてしまうサイロの壁だ。この壁が厚く、高いほど、今の消費者、ユーザ、顧客が集うスペースを理解し、そこで彼らが何を語っているかに聞き耳を立て、会話に参加しようとするスタンスからはほど遠くなる。
さて、グローバルブランドを全世界のインターネットユーザが語っている。上にあるようにTwitterを使ったコミュニケーションが最も盛んかもしれない。が、日本のグローバルブランドでTwitter(英語)アカウントを本社で持っている企業はいない。アカウントがあったとしても英、米、独、蘭などの現法、あるいはユーザ会やディーラーが持っているだけだ。本社は顧客の声を聞く気がないのかしら?
参考:Twitter for Customer Service and Branding (Online Ad 2009/03/30)
Razorfishの「Digital Outlook Report 09」にTrends to Watchという章があり、その3番目に「Social Influencer Marketing will go mainstream」が挙げられている。トレンドをウォッチするのではなく、検討する時期だと思うが…。
Source:Razorfish / Digital Outlook Report 09
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