2008/05/26

Internet, New Primetime

comScore, Inc.の会長Gian Fulgoniが第54回広告研究機構年次総会において発表した「Online is the New Primetime」という資料をcomScoreのBlogでも取り上げている。

16歳以上が接触するメディアのシェアを見ると、朝の7時前から12時までインターネットはTVを上回っていたわけだが、午後6時少し前から7時半までの間もTVを上回っている。深夜から早朝を除く日中、インターネットはTVと互角に渡り合っている。職場や学校でTVが日中に利用されているわけではないから生産的な経済活動などに利用されているのはインターネットということだ。
資料の中にはいろいろ面白いものもあったが、そのなかで2つを紹介する。それはクッキーの削除とView Throughだ。
comScoreがYahoo!、Doubleclickと共同調査したところ、
  • 月に30%のインターネットユーザはクッキーを削除する
  • この30%のユーザは平均すると月に4回クッキーを削除する
    • すなわち、月に同じコンピュータに5個のクッキーが発生することになる
  • このクッキー削除はWebサイトおよびサードパーティのアドネットワークのクッキーに当てはまる
  • このクッキー削除は大きな問題をはらんでいる
    • サーバログだけではユニークビジターを2.5倍に計算してしまう
    • サーバログだけではリーチも2.5倍、フリーケンシーも同様程度膨らんだ結果となる
  • だから、パネルメトリックを使いサイトのサーバ統計を修正する必要がある
としている。
次に「View Through」に関する資料がある。バナーをクリックしたユーザと、クリックせずにバナーを視認しただけのユーザが、最終的な販売に結びついたシェアを出している。最終販売の14%がクリックしたユーザだが、残りの86%はバナーを視認しただけのユーザが貢献している。
これらのデータを元に、バナー広告のCTRが低いとしても、クリックはキャンペーン効果や累積効果を計るものではなく、バナー広告のブランドビルディング効果を反映していない。そのため、ディスプレイ(バナー)広告に対するクリックだけを販売効果の指標とするのは適当ではないとしている。

Source:comScore Inc. / Online is the New Prime time
Source:Online is the New Prime time Presentation request (pdf申請)

しばらくぶりに「View Through」という言葉を聞いた。SEM、SEO、LPOなど花盛りだが、「View Through」が及ぼすブランドの視認効果、認知効果、検索キーワードへの想起効果など、包括的な広告効果はオン・オフラインを問わず他既成メディアと同様に否定されるべきではない。

ロングテールに属するB2Cショップがブランドを構築する必要はない。しかし、各国のナショナルブランド、世界のグローバルブランドは競合との差異化を図るためオンラインでブランドを構築する必要はある。その際、B2Cであろうと、B2BであろうとSEMでブランドが構築できるわけもない。露出からコンテンツへトラフィックを誘導し、コンテンツの消費、共有を進め、マッシュアップやソーシャルメディア・サービスを利用した再発信から露出の拡散、拡大を図るべきだろう。

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