ForresterのBlog、Groundswellが毎週公開しているデータに「Who do people trust?」と題して、オンラインの北米消費者が製品やサービスに関する情報のソースとして何を信頼しているのかというものがあった。
信頼しないを1、完全に信頼するを5とした5段階評価のうち、4あるいは5と回答した結果を集計したところ、当然、一位は友人や知人の意見で83%が信頼している。以降、新聞・雑誌・TVなどの記事、ベンダー企業のWebサイト、専門家の意見などが上げられている。
Source:Forrester Groundswell / What do people trust?
ForresterのJosh Bernoffは、69%が信頼するという専門家の意見にほんの少し劣り、60%が信頼すると回答した小売サイトに投稿される全く知らない他人のレビューを取り上げている。
ただし、消費者はレビューした他人個人を信頼しているのではなく、グループを信頼しているとしている。一人の意見やレビューでは信頼しないが、同様意見を上げる100人の声は信頼するのだ。
そうすると、「Influencers (影響者)」に的を絞っただけでは十分ではない。Influencersは多くのタッチポイントを使って他者に影響を及ぼすが、同様に、 Yelp や Amazon.com、 TripAdvisor などで同じ意見、レビューを行うグループの影響も無視できないとしている。
これはB2Cだけではなく、B2Bでも同じことだ。今時、展示会、DMやメディアサイトの記事だけを収集して新しいシステムを導入しようというバイヤーはいない。ユーザ会があればなんとか情報を入手しようとするだろうし、導入済みユーザの生の声が聞けるのであればEmailニュース、Blog、ビジネスSNS、オンラインセミナー、ホワイトペーパーなど様々なソースにコンタクトする。その中から取捨選択することが当たり前になっている。またスタティックなコンテンツよりもダイナミックなコンテンツ、すなわちオンデマンドでインタラクティブなコンテンツが求められている。それを提供するかどうか、できるかどうかがポイントだ。
一方、Dell Hellではないが、個人や企業としての体験を公表し、それを共有しようとするそれこそ途方もない数の個人やグループがいる。この流れに抗して独自情報、コンテンツを既存チャネルで流しまくることを考える企業もいるだろう。しかし、上グラフの10項目中、友人・知人、各種メディア、専門家の意見を除くオンライン関係は7項目、その中からベンダーWebサイト、メディアサイトの記事を除くと、1)小売サイトの消費者意見、2)メディアサイトの消費者レビュー、3)オンライン消費者意見サイトの情報、4)オンラインChat、5)Bloggerのレビューの5項目がオンラインで信頼するソースとして挙げられており、これらはグループおよび個人の意見やレビューだ。
この5チャンネルが提供する質量に匹敵する露出を、既存チャネルを活用して得ることは、どう考えても無理がある。だからこそ、多くの企業はパーツ、Widget、フィードなどを活用してこの流れのトレンドに後れず、露出を拡大しようとしている。
小売サイトに投稿される全く知らない他人のレビューだけではなく、インターネットが個人や会社の仕事に浸透してくれば浸透するだけ「グループおよび個人の声」は接触機会が増えている。もはや情報、コンテンツをコントロールしているのはメディアやベンダーではない。消費者・ユーザはブランドに加えてコンテンツも支配しつつある。
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