2008/12/04

TVB Revised 2009 Forecast

11月11日、TVB (Television Bureau of Advertising) が9月に出した2009年の予想を改訂した。TVBが過去に予想を改訂したのは2002年の予想を改訂したときだけだ。それは2001年9月11日のあの事件があったからだ。

さて、TVBは2009年の総スポットTV収入は、今年の7%から11%のダウンと見ている。
加えて、TVBは2008年のTV収入を昨年比7.1%ダウンと予想した。ということは、2007年を100とすると2009年は84から87のレベルということになる。TV収入が急降下してゆく。

9月予想時点のデータ(上半期)を見ると、トップ10カテゴリの中で前年比減となっていないのは、Telecom、Gov、Propertyだけ。中心である自動車は13.5%も落ちている。
自動車カテゴリの中でリストアップされている13メーカーの中で広告費が増えているのはBMW、Daimler、Volkswagenのドイツ系のみ。Big3はもとより日系メーカーも軒並み減らしている。
そして、TVスポットのほうもがた落ちだ。
Borrel AssociatesによるTV局のWeb広告収入は、年々増加してゆくが2010年の予想でもまだ全体の8.8%にしか過ぎない。
Source:TVB / 2009 Forecast (Sept 2008)
Source:TVB / Revised 2009 Forecast
Source:MarketingCharts / TVB Revises 2009 Forecast to Reflect Larger Declines

新聞、雑誌などが購読者数減、広告収入減の板ばさみにあって何とかオンラインで穴埋めをと考えてもまだまだその一部にしかならない状況がある。その状況がTVにも起こってきそうだ。

エネルギー・食料価格高騰、信用収縮、不動産価格下落、DVR普及、オンラインビデオ、モバイルWeb、オンライン検索広告、そしてソーシャルメディアマーケティングとそろってくると、今回の金融危機およびメディアシフトによるTVへの影響は長期間にわたる。この間、企業・ブランドは効果、効率の良いメディア、マーケティング手法へ移行してゆく。そして、この道は不可逆のルートになるから、メディアシーンは大きく変わることになる。

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