ソーシャルメディアや新しいコミュニケーションツールなどを使うことで、消費者は彼ら自身が受けた企業の顧客対応を今までよりも他の消費者と共有することができる。そこで、ソーシャルメディア、顧客満足、ブランド評価、顧客忠誠心にどのようなリンクが存在するかを明らかにしようとした資料だ。
製品・サービスの購入を検討する際、どれくらいソーシャルメディアを使って企業の顧客対応を調べているかというと、「いつも」「しばしば」「たまに」を合計すると72%となる。「めったに」の19%、「しない」の9%を合わせても28%。
製品・サービスの購入を検討する際、企業の顧客対応の質を検討対象としたり、調査するかというと、「いつも」「しばしば」「たまに」を合わせて84%。「めったに」「しない」は16%でしかない。
次に製品・サービスの購入を決定する際、どんなサイトの情報を最も重要視しているかというと、「検索エンジンが」3.79(説明がないため、推測だが、0から5までの5段階評価をさせているはず)でトップだ。しかし、オンラインの評価システム、フォーラム、Blog、SNS、RSS、YouTube、Twitterも情報を調査、入手するサイト・サービスとしてあげられている。
そして、「オンラインで共有されている企業の顧客対応をベースに製品・サービスを購入する企業・ブランドを決める」に賛成する消費者は、「非常に同意」「同意」で74%、「不同意」「非常に不同意」が8%でしかない。
Source:SNCR / Customer Care Study
調査対象者は、320人の男女、その四分の三は経営管理職、コミュニケーション、コンサルティング、教育関係者や中小企業経営者、ソーシャルメディアに不慣れ(13%)からパワーユーザ(35%)までいるが、40%近くは自分のBlogを持たずにBlogエントリやソーシャルメディアコンテンツを閲覧している。
こういった普通の消費者は、製品やサービスを購入する前にソーシャルメディアを使って企業の顧客対応、その質を調べている。そして調査のソースは検索エンジンや企業のWebだけではなくSNSからTwitterまで幅広く、最終的に購入する製品・サービスを決定する際に企業の顧客対応が占める比率は高くなってきている。
ここまでソーシャルメディアスペースで語られている企業の顧客対応が重要になっているのはなぜかというと;
- 「一般に、企業が顧客の意見を真摯に受け止めている」というコメントに同意するのは三分の一以下しかいない。
- 「企業の顧客対応を共有するためになぜソーシャルメディアを使うのか」と問われて、もっとも得票を集めたのは「他の顧客を保護するため」だ。
企業・ブランドに都合の良い情報だけが流通するのではなく、耳に痛い話のほうが広まっているということだ。製品・サービスを購入し、使用している消費者の声を聞くのは他の消費者だけで、製品・サービスを販売・提供している企業・ブランド側が聞く耳を持たないのは自殺行為に等しい。
押し付けや一方的なメッセージではなく、オープンかつ対等をベースに消費者・顧客の意見、洞察を得るために多くの企業がソーシャルメディアスペースをモニターしている。ソーシャルメディアスペースを理解せず、無視する企業・ブランドには世界同時不況が回復しても、戻ってくる消費者・顧客はいるのだろうか?
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