Executive Summaryには、効果的なソーシャルメディアマーケティング戦略をマッピングしたものがある。まず、頭文字をとってROADというソーシャルメディアマーケティングの戦略ロードマップを示し、それぞれがフェーズ1:実作業なし、プラットフォーム選択時期、フェーズ2:非公式の実作業を不定期に実施、フェーズ3:公式の実作業を定期的に実施という3フェーズに分けてみている。
- Research まずは何をおいてもモニタリング
- Objectives ターゲットオーディエンスに沿った目的決定
- Actions 戦略構築
- Devices オーディエンス、目的、戦略をベースにプラットフォームを展開開始
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すでにフェーズ1(トライアル期間)を過ぎて、フェーズ2(移行期間)に移っているマーケターが平均で40%に上っている。フェーズ3(戦略実行期間)に達しているのは23%だ。
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Social Connection to E-Commerceでも見たように小売・E-Commerceの流入トラフィックにソーシャルメディアスペースは大きな割合を示していた。
参考:Social Connection to E-Commerce (Online Ad 2009/12/16)
ということで、各業界の中でもマーケターの79%が予算を増やすと回答している小売・E-Commerce業界がトップだ。自分の首を絞めかねない出版・メディア業界も63%、旅行・レジャー業界も52%、そして教育・ヘルスケア業界でも43%が予算を増やすと回答している。
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ソーシャルマーケティング予算の60%は、Blogを書いたり、コンテンツを制作したり、ソーシャルメディアスペースにおけるモニタリングを行う人件費に 充てられるようだ。また、20%は外部のエージェンシー、コンサルタント、その他サービスプロバイダーに支出されるようだ。
ここまで人件費シェアが高いということなので、MarketingSherpaの調査対象となった2,300人のマーケターの大半は中堅以下の中小企業に属していると見られる。
すそ野が広い中小企業のすでに40%がフェーズ2に入っており、乱暴に平均すると50%以上が来年、ソーシャルメディアマーケティング予算を増やすわけだ。しかし、中小企業なので予算が増えるわけではなく、他の予算から振り替えられることになる。当然、それは新聞・雑誌、ラジオ、あるいは展示会、印刷物、DM予算が削られてくることになる。
今年の春、紹介したIBMのレポートでは、2012年に伝統的、レガシー広告はマーケティング予算の32%へ落ち込むと予想されていた。また、DMやプロモーションと言った伝統的マーケティングも42%へ落ちるとされていた。
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どうやらIBMの予想をはるかに超えるスピード、幅で伝統的、レガシー広告およびマーケティング予算が削られてゆく2010年になりそうだ。
ということは、伝統的、レガシー広告およびマーケティングに関係する代理店、エージェンシーにとってリーマンショックを上回るダメージを被る年にもなりそうだ。
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