2009/12/29

Social Media Power

先ほど、Susan Boyleが来日したとNHKのTVが伝えていた。

YouTube、DailyMotionなどに上がっている彼女のビデオは、Visible Measureによれば3億回、Viral Video Chartによれば2億回以上視聴されている。


HowSociableでSusan Boyleのソーシャルメディアスペースにおける可視性スコアを見ると2,886となっている。
Madonnaは3,422だ。
Source:HowSociable.com

80年代からポップクイーンとして活躍してきたMadonnaに対して、英視聴者参加番組出身、ポット出のSusanがその84%程の可視性スコアをたたき出している。このコンテンツ流通、配信、共有、再露出において最も大きな働きをしたのはYouTube、Blog、Twitter、Facebookをはじめとするソーシャルメディアだ。資本側が巨費を投じて露出キャンペーンを張ったわけではない。Madonnaがこれまでに投下した費用と同額を投じたところでこれほどのブームにはならなかっただろう。

大昔、Universal McCannの「Power to the People」というレポートを紹介して、その最後に次のように書いた。
しかし、このレポートが意味することは2つある。

ひとつはLetting Consumers Control Marketing : Pricelessや、Mindset Shift Requiredで書いたように、背景としてすでにブランドのコントロールはブランド自身の手を離れ始めているし、パワーは消費者が握っているという理解 が世界のCEO達にあることだ。また、直に消費者の変化、メディアトレンドを理解し、表層的な対応をするのではなく、コアの変化を理解した上で、もっとも 求められている誠実で、平等な対話を、オープンに行うコミュニケーションやマーケティング戦略が必要とされていることだ。
そうすると「(Media) Power (is shifted) to the People」という意味が見えてくる。

そして2つ目は「(広告主、広告代理店の人々に勇気を」ということだ。

参考:Letting Consumers Control Marketing : Priceless
参考:Mindset Shift Required
参考:Power to the People (Online Ad 2007/07/16)

2007年当時よりも一層進んだ、「Power to the People」トレンドは大きな変革をもたらした。Susan Boyleを世界中に知らしめたのはソーシャルメディアだ。2007年当時よりもコンテンツの流通、配信、共有、再露出チャネルがソーシャルメディア化してきている。2007年当時よりも、ブランドのコントロールは消費者に移りつつあり、ブランド関連コンテンツは消費者が制作し、それを配信している。

もはや、このパラダイムシフトを理解せずに、来年を迎えることは難しい。変革することは難しいが、それなしに来年を迎えることは難しい。

今年よりも一層メディアパワー、ユーザパワーが拡大する来年こそ、「ソーシャルメディアパワー」が爆発するだろう。

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