Harvard Business Reviewから、「Managing Across Distance in Today's Economic Climate: The Value of Face-to-Face Communication」というレポートが出ている。
世界同時不況の影響は深刻で、世界中の企業がコスト削減にまい進している。中でも海外出張予算の削減が69%、より安い航空会社・チケットを探したり、出張回数を減らすのが57%、ホテル代を減らすのが51%だ。
それは出張予算を見れば一目瞭然だ。前年予算から減らしたのが56%にも達している。平均すると出張予算は前年比17%も削減されている。
出張予算、回数を減らすことによるネガティブなインパクトがない、あるいはポジティブなインパクトがあると答えた対象もいる。そういった企業は、海外業務がなく、金融、IT関連であったり、長距離出張がない企業だ。
しかし、52%はネガティブなインパクトがあると答えている。それはCレベル、戦略・ビジネス開発、マーケティング・営業の人間で、66%は10回以上の長距離出張をこなし、驚くことに今年出張予算を増やしたところも68%に及んでいる。
それはなぜかというと、新しいクライアントを訪問してビジネスを始めたり、既存契約の交渉、有能な人材雇用、重要顧客・ビジネスパートナーとミーティング、既存顧客に対するビジネス拡大といった局面では対面が最も有効で、効果があるとそれぞれ94%から69%が認識しているからだ。
こういった対面業務、活動は長期にわたる良好な関係構築に役立ち(95%)、企業・個人としても強固なビジネスコネクションを構築し(95%)、関係・契約の締結・調印に必須だと認識されているため(89%)、これら予算は削減対象から除外されているケースが多いようだ。
Source:British Airways / Business Grants
こんなHarvard Business ReviewのレポートをBritish Airwaysがスポンサーしている。そして、BAは、Face of Opportunityというエッセーコンテストを開催し、中小企業の参加者から200名を選び、NYからLDNまで運び、新しいビジネス開拓の手助け、無料のビジネス支援をしていた。
こういった地道な努力をBAは行っている。乗客を目的地に運ぶことだけで完結していた時代からは隔世の感があるが、今、乗客・顧客に新しい価値を提供することでしか、この不況を乗り切り、ビジネスを継続することはできないと理解している。
さて、企業年金問題が解決したとしてもJALが直面するのはこういった地道な努力をやれるか、続けられるかだし、オンライン、ソーシャルメディアを活用した戦略マーケティング、あるいはメディアリレーションズを構築できるかだ。そして、その時間はあまりない(かもしれない)。
参考:JAL Story (Online Ad 2009/14)
参考:JAL Story -2 (Online Ad 2009/10/02)
なぜなら、今後、テレビ・ビデオコンファレンス、Webinarがミーティングの中心になるのは避けられない。対面ミーティング、交渉が将来のフォーマットと考え、これからも増えてゆくとするのは21%いるが、53%とか、44%とか、36%が対面以外のコンファレンス、Webinarが増えてくると答えている。
この点はBAも同じ問題を抱えることになるが、顧客・乗客に価値を提供するチャネル、スペースを今、活用しようとしている点がJALとは大きく異なる。ここがポイントになる。
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