参考:IAB UK
そのためマーケターは予算をオンライン広告へシフトさせているが、クロスメディアの影響に関する調査は少ない。ということで、i-level、Yahoo! Search MarketingとHitwiseが、オフラインメディアへの露出がオンライン行動に与える影響について調査を行った。調査はUKの自動車連盟、デジタル有料放送のBSkyBテレビ、携帯電話会社のOrangeの3社について行われている。その中でBSkyBを紹介する。
オンライン広告はブランド認知と想起に効果的
従来からTVはブランド構築メディアであり、オンラインはレスポンスメディアとして理解されているため、まだまだインターネットがブランド構築メディアとしては確立されてはいない。ところが、昨年3月にBBCが「TV視聴時間は毎日148分に対して、オンラインは164分。大ロンドン地域では181分」という報道を行っている。それと今回の調査結果から、オンライン広告はブランド構築メディアとして効果的で、ブランド想起を向上させるとしている。
参考:BBC / Super surfers oust couch potatoes
2005年6月から2006年3月までの期間、BSkyBの広告費の11%がTV、20%がオンラインとなっている。
バナーimpressionによりSky HDブランド認知とSkyへの連想を向上
- BSkyBは、2006年2月からHD TVの事前登録を開始し、4月にHD TVをリリースしている。テクコミュニティでのクチコミ、PR、バナー広告によってSky HDの認知をベースとして、SkyHD、HD、そしてHD TVという検索キーワードでの検索シェアを見ると、Sky HDは2月にピーク、4月に2次ピークを迎えており、SkyブランドとHDの関連付けがうまくできている。
- Sky HDはHD TVの8倍の検索シェアを獲得(2月25日の週)
- Sky HDがリリースされた4月、Sky HDを検索キーワードとしたSky.comへのアクセスは5%を占めた
- 2月以降、バナー広告によるWebトラフィックが増加。Skyのオフライン広告のピークである2005年秋よりも、2006年2月にトラフィックは最高に達した。
- 多様なオフライン広告露出とオンライン広告露出を組み合わせることで、オンライン検索キーワードシェアが上がることでブランド認知が向上していることが分かる
- BSkyBのオフライン広告のピークである2005年秋、Skyブランド、およびSkyのURL (sky.com、www.sky.com) 検索シェアははっきりと増加している。増加は通常キャンペーンが終了した数週間後まで継続している。8月から10月にかけ、Skyというキーワード検索シェアは20%増加し、URLシェアは倍加している。
- オンライン広告とオフライン広告が連動しなかった2005年3~4月は、上記のようなシェア増加は見られない。
- 同様に、オフラインのTV広告がなかった2006年1月は、オンライン広告を増やしたが、検索シェアの増加は見られない。
- オンライン広告はブランド認知を向上させ、ブランド想起を起こさせる高効率のメディア
- 統合的なメディアプロモーションが全メディア広告効果を最大化
- ブランドに関係するWebサイトへのトラフィック、検索キーワード、ボリュームといったオンライン利用データは、ブランド調査およびオフライン広告費の効果測定に利用可能
BSkyBの広告予算配分に注目したい。オンラインが20%を占め最大シェアを獲得している。UK全体で2006年の上半期に40%以上も増加したオンライン広告費は、当然、他メディア予算から引き出され、あるいは追加予算を計上した結果ということになる。BSkyBも、契約数を伸ばすため相当の予算を計上したはずだが、Figure 3にある9~12月にしか支出されていないTV広告を見ると、どうやらTV広告費を削ったように見える。
TV受信契約を増やすためにTV広告を絞ったというのだろうか?
それはさておき、調査データでは、「統合メディアキャンペーンにはオンラインも」としているが、増え続けるオンラインメディア消費時間を考慮すれば、BSkyBほどではなくとも、積極的にオンライン広告を実施すべきだろう。
それにはオフライン広告とつりあいの取れた広告費が必要だ。その結果、オフライン広告とオンライン広告の相乗効果で、ブランド認知と想起が向上し、調査フェーズに移れば検索行動が起こる。検索結果からのアクセスもあれば、オフラインメディアで見たURLを入力するアクセスも出てくる。どちらを中心に置いたとしてもこぼれてしまう消費者、ユーザ、インフルエンサーが出てきてしまう。
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