2007/01/18

Big Brand for Search

創業以来30年、1999年からは乳幼児向け商品のオンライン販売を開始したペンシルベニア州のBabyAgeは、2006年の売上2,000万㌦に対して120万㌦の検索広告を実施していた。検索広告は期待通り、クリックを稼いでいるのだが、実際の商品購入につながらず、コストは2倍に膨らんでしまった。「こんな調子じゃ儲けにならない」と言い、BabyAgeのCEOは、今年、検索広告予算を削減する予定だ。こういった話はBabyAge.comだけではなく、宝飾品のICE.com、バッグのeBags.comでも同じように聞かれる。

DoubleClickによると2006年Q3のCPC (Cost Per Click) は、前年比31%も増加しており、中小・零細企業によっては印刷媒体やラジオといった代替方法を検討しているようだ。

Best Buyとか、Zale、General Motors、Wal-Martといったビッグブランドが検索広告へ進出し始めている。だからこそ、キーワード単価 (CPK:Cost Per keyword) は上がり、ビッグブランドがクリックをさらって行くので、中小・零細企業のCTRは下がり、コストが膨らんでゆく。また、同じ商品なら、やはり中小・零細より、名の通ったブランド品を購入するのはなにも日本人だけに限った話ではない。

Googleなどは中小・零細企業からの広告が減ったとしても、大企業からの広告が伸びてくるから何の心配もない。また、Yahooにしても、Googleにしても、「消費者に適した商品とメッセージを持っていれば、中小・零細企業であったとしてもオンラインでビッグブランドを打ち負かすことができる」としている。

しかし、中小・零細企業は少ない数のキーワードを購入するしかないし、MySpaceやYouTube、あるいはBlogやニッチなショッピングサイトに広告を出す他ないのかもしれない。
あるマーケティングコンサルタントは、「(中小・零細企業の)ただ飯は終わった」と結んでいる。

Source:Business Week / The Small Fry Sour On Search Ads
Source:MarketingVox /Brand Giants Shut Small Biz out of Search

さてさて、ビッグブランドが検索広告に参入してきた場合、物売りということであれば、中小・零細サイトを蹴散らしてクリックを獲得することは予算規模からして当然だろう。しかし、ROIが期待通りに伸びるかどうかは、どこまでクリック詐欺の被害を食い止められるかにかかっている。

Click Forensicsによれば2006年Q3のクリック詐欺率は13.8%にも及んでいる。ビッグブランドになればなるほどクリック詐欺集団の標的になる確率は高いだろう。

また、「Search Engine Marketing?」でも取り上げたが、検索結果ページの視線トラッキングを見ると、ユーザ視線はスポンサーリンクには行かず自然(Organic)検索結果に向かっているし、クリック箇所も大半が検索結果エリアだ。

中小・零細企業のようにTV、印刷媒体などでの露出がなく、オンラインでのコンタクトポイント獲得が重要な企業と違い、ビッグブランドはオフ・オンラインメディアでの膨大な露出がある。この露出を統合したクロスメディアミックスが本筋だと思うのだが...。

参考:Search Engine Marketing?

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